仕事辞めてどうする? 不安を丸ごと解消! 退職前にすべきことと退職後の手続き

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仕事辞めてどうする? 不安を丸ごと解消! 退職前にすべきことと退職後の手続き

仕事を辞めると、さまざまな変化に直面します。

「仕事を辞めるなら、どうするべき?」、退職する際には「何をしておいた方がよいのかな?」と考える方がいらっしゃることでしょう。

退職前にしておくとよいことを、退職後に知って後悔したくないものです。
また、退職すると多くの手続きや申請などが発生します。

この記事では、仕事を辞めた後にする手続きの他に、退職前の準備や、退職前にあらかじめ考えておくとよいことを解説します。

●仕事を辞めることにはリスクもあるので、辞めた後どうするかは辞める前に考える
●退職前にやっておくとよいことは、実績作りや資格取得、これまでの振り返り
●退職後に必要な手続きは、年金の切り替え、健康保険の切り替え、失業保険の申請、その他税金の手続き
●退職前の転職活動と退職してからの転職活動、それぞれメリット・デメリットがあるが、リスクが少ないのは退職前の転職活動

この記事では、上記のそれぞれについて詳しく解説します。

順を追って読んだ方が理解しやすい流れになっていますが、気になるところだけを拾い読みしても参考になる内容になっています。

「仕事を辞めた」人はどれぐらいいるのか?

現在の日本では、仕事を辞めることはそれほど珍しいことではありません。

厚生労働省が発表した「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、2023年の全産業における入職者数は約850万1,200人、一方で離職者数は約798万1,000人でした。2022年の離職者数も約765万6,700人と、年々増加傾向にあるようです。

この調査では、常用労働者数が約5,100万人とされており、1年間に約15%の人が離職している計算になります。これらの数字を参考にすると、転職や退職を選ぶ人が一定数いることがわかり、仕事を辞めることが特別なケースではなくなっている現状が浮かび上がります。

仕事を辞めたいと思う理由4選

仕事を辞めたいと思うときによく聞かれる理由には、次のようなものがあります。

・人間関係が辛いと感じる
・福利厚生や収入が少ない
・仕事の内容が苦痛
・パワハラやセクハラがある

上記について、それぞれ見ていきます。

人間関係がつらいと感じる

職場では一緒に働く人を選べないため、「人間関係」で悩むことが少なくありません。上司や同僚と折が合わないと感じたり、ささいな行き違いからストレスを感じたりすることも多いでしょう。

中には、明らかに悪意のある態度を取られる場面もあり、精神的な負担が大きくなるケースもあります。こうした人間関係の悩みは、仕事のパフォーマンスや日常生活にも影響を与えるため、軽視できません。

人間関係のつらさは、仕事を辞めたいときの理由として、多くの方から挙げられる理由です。

福利厚生や収入が少ない

仕事を辞める理由として、「収入」や「福利厚生」の問題も大きな要因です。働きと収入が見合っていないと感じ、現在の会社で給料が上がる見込みがないという不安を抱える人は少なくありません。

また、思っていたほど給料がもらえないことや、使える福利厚生が限られていることも、退職を考えるきっかけになります。

収入や待遇が生活や将来設計に直結する以上、これらの問題は無視できない課題です。自分のスキルやキャリアを生かしながら、より良い条件を求める人が増えているのも、こうした背景が影響しているといえるでしょう。

仕事の内容が苦痛

仕事を辞める理由には、「やりがいの欠如」や「仕事内容への不満」が挙げられます。なかなか仕事にやりがいを感じられず、ただこなすだけの日々が続くと、モチベーションが低下してしまいます。

また、仕事量や残業が多く、自分の能力を発揮する余裕がないと感じる人も少なくありません。さらに、仕事内容そのものが苦痛であったり、どうしても好きになれなかったりといった場合、働き続けることが心理的に大きな負担となります。

こうした状況が続くと、転職や退職を考えるのも自然な流れともいえるでしょう。

パワハラやセクハラがある

職場におけるハラスメント問題も、仕事を辞める大きな理由の一つです。上司からのパワハラやセクハラを我慢しながら働く人は少なくありませんが、こうした問題は自分一人で解決するのが難しい場合が多いのが実情です。

ハラスメントを受け続けることで心身に負担がかかり、最終的に退職を選ばざるを得ない状況に追い込まれる人もいます。職場環境が安全であることは、安心して働くために欠かせない要素です。

被害を受けた場合には、社内の信頼できる相談窓口や、行政などの専門機関を頼ることも考えましょう。

仕事を辞めたい……でもリスクも考えよう

現在の仕事を辞めて次の仕事を探すのは、より良い方向へ進むための一つの選択肢です。しかし、仕事を辞めてしまうことにはリスクが伴うので、事前にしっかりと考えておきましょう。

・新卒1年目で仕事に適しているかがまだわからない
・仕事を辞めると収入もなくなる

上記のそれぞれについて、見ていきます。

新卒1年目で仕事に適しているかがまだわからない

新卒1年目で「仕事が自分に合っているのか」と悩むのは、誰にでもあることです。しかし、このタイミングで焦って退職を決断するのは避けた方がよいでしょう。

新卒1年目はキャリアのスタート地点であり、どんな仕事も慣れるまで時間がかかります。経験を積む中で、自分に適している点や職場環境が見えてくるものです。早い段階で辞めてしまうと、後々「もう少し続けてみればよかった」と後悔することもあります。

まずは日々の仕事を通じてスキルを身に付け、自分の可能性を広げることを意識してみてください。続けることで新たな発見や選択肢が見えてくるかもしれません。

仕事を辞めると収入もなくなる

仕事を辞めるか迷うとき、まず考えるべきは「辞めた後の生活」です。次の仕事が決まっていない状態で退職すると、収入がゼロになって生活に困る可能性があります。そのため、退職を検討する際は「仕事を辞めても生活できる資金があるか」を冷静に確認することが大切です。

また、辞める理由やその後の計画を明確にすることで、無計画な退職による後悔を防ぐことができます。仕事を辞める前に、現職で得られる経験やスキルを生かしつつ、将来の方向性を考える時間を持つことが重要です。

仕事を辞めて何をする?は辞める前に考える

仕事を辞めるときは、退職後の生活をどうするかを事前にしっかり考えることが大事です。資金に余裕があれば辞めてから次のことを考える余裕もありますが、もし資金がない場合は辞める前にしっかりとプランを立てる必要があります。

「次の仕事をどうするか」「生活費はどうやって確保するか」など、具体的に考えておかないと、後から困ることになりかねません。まずは一度冷静に退職後のシミュレーションをしてみるのがおすすめです!

仕事を辞める前にやっておくとよいこと

仕事を辞める前に取り組んでおくと、辞めた後の転職活動に役立つことを紹介します。

・資格を取ったり実績を作ったりする
・今までの振り返りをする

上記について、それぞれ見ていきます。

資格を取ったり実績を作ったりする

仕事を辞める前に、今の会社で実績を作っておくことは、転職時に大きなメリットになります。在職中に達成した成果やスキルは、次の職場でのアピールポイントになるからです。また、実績作りは在籍中にしかできないため、退職を決める前に何か新しいことにチャレンジしてみるのもおすすめです。

さらに、在職中に資格取得を目指すことで、転職先でも生かせるスキルを磨くことができます。これらに取り組むことで、次のステップがより有利になるだけでなく、自信を持って新たなスタートを切ることができます。

今までの振り返りをする

仕事を辞める前に、在職中の自分の実績や取り組んできたことを振り返り、まとめておくことはとても大切です。これまでの成果を整理することで、自分の強みや得意な分野を明確にでき、転職活動の際に大いに役立ちます。

また、これまでに挑戦してきたことや、その過程で得たスキルもアピールポイントになります。振り返りを通じて、自分の課題や成長の余地を見つけることも可能です。

こうしたプロセスは、次のステップを考える上での道しるべにもなります。ぜひ、時間を取って自己分析をしてみることをおすすめします。

仕事を辞めたら必要となる手続き4つ

仕事を辞めたら、必ず行わなくてはならない手続きがあります。退社前に、会社の総務や人事に依頼して受け取る書類もあるので、ぜひ参考にしてください。

・厚生年金から国民年金への切り替え
・社会保険から国民健康保険への切り替え
・失業保険を申請する
・その他税金の手続き

上記について、それぞれ見ていきます。

厚生年金から国民年金への切り替え

退職後は、厚生年金から国民年金への切り替え手続きを忘れずに行いましょう。在職中に会社に預けていた年金手帳や基礎年金番号通知書は、退職時に会社から返却されるので、必ず受け取るようにしてください。

なお、2022年以降は年金手帳ではなく基礎年金番号通知書が使われています。万が一、手帳や通知書を紛失した場合は、再発行の手続きが必要です。また、転職した場合には新しい会社にこれらの書類を渡す必要があります。国民年金の切り替え手続きは、各市町村の役所や年金事務所で対応しており、一部ではオンライン手続きも可能です。スムーズに次のステップへ進むためにも、早めに対応しておきましょう。

社会保険から国民健康保険への切り替え

退職後は、社会保険(職場の健康保険)から国民健康保険に切り替える必要が出てくる場合があります。その際、手続きをスムーズに進めるために「健康保険資格喪失証明書」を用意しておくと便利です。この証明書は、国民健康保険への加入手続きや、配偶者の扶養に入る際にも必要になります。なお、証明書の発行は会社に義務はありませんが、退職時に依頼するとよいでしょう。

また、全国健康保険協会の案内にもあるように、要件を満たせば退職後も任意で社会保険を継続する選択肢もあります。これを利用することで、引き続き同じ保険を使えるメリットも。いずれの手続きを選ぶにせよ、事前に必要な書類や条件を確認しておくことが大切です。

失業保険を申請する

退職後、条件を満たせば失業保険の申請が可能です。その際に必要なのが、会社から発行される「離職票」です。退職時に会社に発行をお願いし、届いたら離職の日付などに間違いがないか確認しましょう。基本的に、失業保険の受給条件は「離職日前の2年間で通算1年以上雇用保険に加入していること」となっています。

申請はハローワークで行えますが、受給には再就職の意欲が必要です。就職活動が条件となるため、「しばらく何もしない」と考えている場合は受給できない点に注意してください。失業保険を上手に活用するためにも、早めに準備を始め、必要な手続きを進めましょう。

その他税金の手続き

退職後、所得税や住民税などの税金に関する手続きも忘れずに行う必要があります。特に、年内に再就職しない場合や転職先の年末調整に間に合わなかった場合、確定申告を行うことが求められます。

確定申告をすることで、納めすぎていた所得税が還付されることがあります。また、確定申告を行うには源泉徴収票が必要です。この源泉徴収票は転職先にも提出しなければならないので、在籍していた会社から必ず受け取るようにしましょう。確定申告の仕組みを理解しておくと、スムーズに対応できるので、事前に確認しておくと安心です。

転職活動は在職中がよいのか? 退職後がよいのか?

転職をするなら在職中がよいのか、退職後がよいのか、気になるところです。それぞれにメリットとデメリットがあります。

・在職中に転職活動をするメリット・デメリット
・退職してから転職活動をするメリット・デメリット

上記について、それぞれ詳しく見ていきます。

在職中に転職活動をするメリット・デメリット

在職中の転職活動の主なメリットは経済的な安定、デメリットは時間的な制約です。

・在職中に転職活動をするメリット
・在職中に転職活動をするデメリット

上記のメリット、デメリットについて、それぞれについて詳しく紹介します。

在職中に転職活動をするメリット

在職中に転職活動を行うことには、多くのメリットがあります。まず、収入がある状態で進められるため、経済的な不安を抱えることなくじっくりと活動できます。

また、現在の会社に留まるという選択肢も残るため、希望に合う転職先がすぐに見つからない場合のリスクヘッジにもなります。

さらに、離職期間が空かないまま次の職場に移ることで、転職活動において空白期間がマイナスに働く可能性を避けることができます。在職中であれば、安心感を持ちながら計画的に次のキャリアを考えられるのが大きなメリットです。

在職中に転職活動をするデメリット

在職中に転職活動を行うには、いくつかのデメリットもあります。まず、仕事を続けながらの転職活動では、時間の確保が難しく、平日の面接に対応できない場合がある点が挙げられます。

また、仕事と転職活動の両立で、体力的にも精神的にも負担が大きくなる可能性があります。さらに、退社時期と入社時期の調整が難しいリスクもあります。例えば、入社日までに現職を辞められない場合や、退社後に次の職場まで時間が空いてしまい収入が途絶えるケースも考えられます。

在職中の転職活動のデメリットを回避するには、慎重な計画と時間管理が求められるため、事前にスケジュールをしっかり立てることが必要です。

退職してから転職活動をするメリット・デメリット

退職してからの転職活動のメリットは時間的な制約が少ないこと、デメリットは安定した収入が途絶えることで、在職中と裏表になります。

・退職してから転職活動をするメリット
・退職してから転職活動をするデメリット

上記について、それぞれ見ていきます。

退職してから転職活動をするメリット

退職後に転職活動を行うメリットには、集中して転職活動に取り組める点が挙げられます。面接の日程が調整しやすく、入社日も自由に設定しやすいため、時間的に余裕を持って活動できます。また、在職中の転職活動と違い、現在の会社に気を使う必要がなくなるため、精神的な負担も軽減されます。

一方で、退職後の転職活動にはデメリットも存在します。その詳細については以下に記載していますので、ぜひ参考にしてください。

退職してから転職活動をするデメリット

退職後に転職活動を行う場合、いくつかのデメリットがあります。まず、次の仕事が見つかるまで収入が途絶えるリスクがあり、金銭的な不安を抱える可能性があります。

失業保険を受給していても、期間に限りがあるため十分な支えにはならないこともあります。また、無職の期間が続くことで社会的信用が低下するリスクもあります。例えば、クレジットカードの審査が通らなかったり、家を借りる際に不利になったり、車のローンが組めないといったケースが考えられます。

さらに、転職活動において空白期間が長くなると、採用側に不安を与え、不利に働く可能性もあるため注意が必要です。これについては、なぜ、退職してから転職活動を行っているかという理由を整理し、備えておきます

仕事を辞めてどうするか悩んだら早目に転職の計画を

仕事を辞めるべきか悩んでいる場合は、なるべく在職中に転職活動を進めるのがおすすめです。勢いで突然会社を辞めてしまうと、次の仕事が見つかるまでに時間がかかり、離職期間が長引くリスクがあります。

収入が途絶えるだけでなく、精神的な負担も大きくなりかねません。一方で、在職中に転職活動を行うのは大変ですが、次の職場が決まれば、安心感も得られます。

辞めたい気持ちが強い場合こそ、次のステップへの計画を意識するとよいでしょう。

退職してから転職活動をする場合のポイント

退職してから転職活動をする場合には、メリット・デメリットを踏まえて、次のようなポイントを押さえておく必要があります。

・転職活動をいつからスタートするか決める
・面接で空白期間を聞かれた場合の対処をする
・資格取得や勉強もする

上記について、それぞれ見ていきます。

転職活動をいつからスタートするか決める

退職後に転職活動を始める際は、計画的に行うことが重要です。まず、「いつから転職活動を開始するか」を明確に決めましょう。

退職後に少し休みたいと考えている場合は、休養期間にはしっかり充電しながらメリハリのある日々を過ごして、転職活動の開始に備えましょう。休養は心身を整えるために有益ですが、ダラダラと過ごすと転職活動の遅れにつながる可能性があります。

転職準備には自己分析や企業研究、応募書類の作成など、想定しているよりも時間がかかるものです。「いつまでに再就職したいか」を目標に設定し、逆算してスケジュールを組むことで効率よく進めることがポイントです。

面接で空白期間を聞かれた場合の対処をする

離職期間や休息を取った後、面接ではその空白期間について質問されることがあります。空白期間が長い場合、「働く意欲が低いのではないか」「すぐに辞めてしまうのではないか」と懸念を持たれることも少なくありません。そのため、空白期間について質問された際には、正直に何をしていたのかを伝えることが大切です。

また、その経験から得た気づきや反省点を話しつつ、新しい仕事への意欲をしっかりアピールしましょう。例えば、スキルアップのための学習をしていた、家族のケアに専念していたなど、ポジティブな要素を交えて説明することで、前向きな姿勢を示すことができます。

資格取得や勉強もする

離職期間中、資格取得や勉強をして、転職活動に生かすようにしましょう。前の段落にも書いた通り、面接で「空白期間に何をしていたのか」という質問に具体的な答えを示せるだけでなく働く意欲をアピールする材料にもなります。

また、新しい職場で即戦力として活躍できる可能性を高め、採用側に好印象を与えることができます。

ただし、健康状態や家庭の事情など、個人の状況によっては十分な準備が難しい場合もあります。その場合でも、どのような状況だったのか、そしてこれからどう仕事に向き合っていきたいのかを誠実に伝えることが重要です。

空白期間をどう活用したかが、次のステップへの大きなポイントとなります。

「本当に仕事を辞めてよいのかな?」と迷ったら、この4つをチェックしよう!

仕事を辞めてもよいのかと迷ったら、チェックするポイントをまとめました。仕事を辞めることは大きな決断ですので迷うのは当然です。検討するときの参考にしてください。

・勢いで辞めようとしていないか?
・仕事を辞める理由は明確になっているか?
・仕事を辞めるメリット・デメリットは理解できているか?
・現職で解決できる問題はあるか?

上記について、それぞれ見ていきます。

勢いで辞めようとしていないか?

勢いで仕事を辞めてしまうと、後悔するケースが少なくありません。一時的な感情で辞めたいと思った場合、すぐに行動に移すのではなく、まずは冷静になるための対処を試みましょう。信頼できる上司や同僚に相談することで、新たな視点やアドバイスが得られるかもしれません。

また、休暇を取ってリフレッシュすることで、気持ちを整理する時間を作るのも有効です。さらに、心が疲れていると感じる場合は、無理をせず専門的な機関やカウンセリングを利用することも検討しましょう。

仕事を辞める理由は明確になっているか?

仕事を辞めるかどうか迷った場合、辞める理由が明確になっているかを改めて見直してみます。「なんとなく嫌だな」「気分的に合わない」といった漠然とした理由だと、後悔する可能性があります。

理由がぼんやりしていると、次の職場でも同じように悩んでしまうかもしれません。なぜ辞めたいと思ったのかを振り返って、紙に書き出してみるのもおすすめです。職場のどこが合わなかったのか、改善できることはないのか、冷静に考える時間を取ってみます。

逆に、「今すぐ辞める理由がないな」と感じたら、もう少し続けてみるのも手です。焦らずに、自分の気持ちと向き合ってください。

仕事を辞めるメリット・デメリットは理解できているか?

仕事を辞めることのメリットとデメリットを把握して決断できているか、今一度考えてみましょう。

現職の不満に意識が集中しすぎると、転職先を過大評価してしまい、実際に転職した後にギャップを感じることもあります。転職先には未知の要素も多く、行ってみなければわからないことがあるため、慎重な判断が必要です。

また、現職を辞めることで失うものも冷静に考えましょう。収入や人間関係、スキルの蓄積といった点を見逃してはいけません。同時に、転職先についても良い点だけに目を向けず、全体像を捉えることが重要です。

冷静に現状を分析し、長期的な視点で判断することで、後悔の少ない選択ができるはずです。

現職で解決できる問題はあるか?

今の職場に不満があるときは、まず在職しながら解消できる可能性があるか考えてみます。

もし、仕事量が多すぎるなら上司に相談して調整を依頼してみます。人間関係の悩みがあるなら信頼できる同僚や人事に話を聞いてもらうのも一つの方法です。部署異動などで環境を変えれば、意外と状況が良くなるケースもあります。

ただ、不満を放置しているだけでは何も変わらないので、自分からアクションを起こすことも必要です。辞める前にできることを試してみてください。

退職した方がよい人と、今の仕事を続ける方がよい人

退職した方がよい、今の仕事を続けた方がよい人、それぞれの置かれている状況について紹介します。自分の状況は、どちらに近いか参考にしてください。

・ストレスで体調や心に不調が出ている
・新しいことにチャレンジしたい
・ハラスメントがひどい
・正当な評価をされない
・労働環境が悪い

上記について、それぞれ見ていきます。

ストレスで体調や心に不調が出ている

仕事のストレスで体調や心に不調を感じている人は、転職や休養を取ることを検討してみてください。

自分に合った職場や雰囲気の中で働くことで、心身の不調が改善されることも多く、充実したキャリアを築くことにもつながります。

厚生労働省によれば、精神疾患で病院を受診している人の数は増加傾向にあり、仕事のストレスが原因でうつになるケースも少なくありません。

心が疲れてしまった場合は、専門機関を受診し、まずは「休む」ことを最優先にしましょう。うつなどで会社を辞めることは決して甘えではありません。しっかり休養し、自分を取り戻してから次のステップに進みましょう。

新しいことにチャレンジしたい

新しいことに挑戦したい、他にやりたいことがある場合は、転職を選ぶのは選択肢の一つです。

やりたいことが明確で、挑戦したい気持ちが強いと、今の職場でのモチベーションが下がってしまうこともあります。そのようなときには、自分のキャリアを見直し、今後やりたいことを深掘りします。

ただし、その夢や目標が本当に退職してまで追いかけたいものなのか、冷静に考えることも大切です。新しいことへの挑戦は魅力的ですが、リスクや現実も踏まえた上で、自分にとって最善の選択を見つけていきましょう。

ハラスメントがひどい

職場でパワハラやセクハラといったハラスメントがひどい場合は、転職を考えることも選択肢の一つです。

特に、それが黙認されている環境では、自分の身を守るためにも新しい職場を探すことをおすすめします。そのようなハラスメントが常態化している企業は、時代の流れに逆行しており、今後の社会で生き残ることは難しいでしょう。

自分が安心して働ける環境を見つけることは、キャリアだけでなく、心身の健康を守るためにも大切なことです。

正当な評価をされない

努力しているのに正当な評価をされないと、モチベーションが低下するのは当然です。上司のねたみや仕事内容の軽視、不当な評価にはいろいろな理由があるかもしれませんが、それが続く場合、職場の評価システムがうまく機能していない可能性があります。

明らかに成果を上げているにもかかわらず評価されない場合は、自分の成果をしっかりと評価してくれる会社で働く方が、モチベーションも高まり、勤務先に貢献できる可能性が高くなります。

労働環境が悪い

残業が多く、休日出勤が当たり前であるなど、過度な負担がかかると、心身に不調をきたすことがあります。もし業務量が改善されず、常にハードな労働環境が続いているのであれば、それは労働環境が整っていない証拠です。

また、プライベートの時間が確保できないと、仕事と私生活のメリハリがなくなり、心の疲れが蓄積しやすくなります。こうした状況が続く場合、転職を考えるのも一つの選択肢です。自分の健康や生活の質を守るためにも、より良い環境を求めることは決して悪いことではありません

まだ仕事を続けた方がよい人

続いて、現在の仕事を続けた方がよい人の状況について紹介します。

・改善できるものを改善しようとアクションしていない
・ただ働きたくない
・昇進や昇格が控えている人

上記について、一つずつ見ていきます。

改善できるものを改善しようとアクションしていない

「辞めたい」と思っている理由が改善できそうな不満であれば、まずは自分から行動してみてから、会社を辞めるかどうかを考えましょう。

業務のプロセスや働き方が不満ならば、上司に相談してみることで、状況が改善される場合もあります。また、会社には福利厚生などの制度が整っていることが多いので、それをうまく活用することも一つの方法です。

また、柔軟な働き方を希望するなら、在宅ワークやフレックスタイム制度を使ってみるのも選択肢です。改善できる可能性があるのであれば、まずは自分でできるアクションを試してみて、それでも解決しない場合に次のステップを考えるのがよいでしょう。

ただ働きたくない

ただ「働きたくない」や「つらい」という理由だけの場合、すぐに退職はしない方がよいでしょう。

退職後は生活が不安定になり、次の職場を見つけるまでの間の経済的なリスクもあります。もし今の仕事がつらいと感じているなら、まずは有休を使って心をリフレッシュするのも一つの方法です。休養を取ることで、冷静に考える時間ができるかもしれません。

また、資格の勉強や新しいスキルを高めることもおすすめです。資格を取ることで自分の市場価値が上がり、評価されやすくなることもありますし、モチベーションが上がることで働く意欲が戻ることもあります。

つらいと感じたら、自分に合った方法でリフレッシュしたり成長したりすることが、次のステップを見つけるための一歩になります。

昇進や昇格が控えている人

昇進や昇格が控えている場合は、今の仕事を続ける選択肢を考えるべきです。昇進や昇格は、自分の実績を積む絶好のチャンスですし、その経験は次に転職を考えたときに大きな強みになります。

履歴書に「〇〇のポジションで活躍した」という具体的な実績をアピールしやすくなるからです。

まずは昇進したポジションでしっかりと実績を残すことを目指し、それから転職を検討するのがおすすめです。今の職場で得られる経験を最大限活用し、次のキャリアにつなげていきましょう。

それでも仕事を辞めるなら円満退社を! 円満退社するポイント

仕事を辞めるメリット・デメリットを理解して、やはり現在の会社を辞めるのであれば、円満に会社を辞めましょう。円満退社するためのコツを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

・退職する日を決めて逆算して行動する
・退職するなら繁忙期は避けること
・最低でも1カ月以上前には直属上司に退職の旨を伝える

上記の円満退社におけるポイントをそれぞれ見ていきます。

退職する日を決めて逆算して行動する

退職を考えているなら、まず「いつ頃に辞めるか」を明確に決め、その時期から逆算して転職活動を進めることが大切です。

具体的なスケジュールを決めないままでは、気持ちが曖昧なままになり、退職のタイミングを逃してしまうこともあります。

転職活動には時間がかかる場合もあるので、計画的に動くことでスムーズに次のステップへ進むことができます。

退職時期を明確にしておけば、上司や同僚への報告や引き継ぎもスムーズに進められるため、円満退職にもつながります。計画を立てて着実に行動しましょう。

退職するなら繁忙期は避けること

退職のタイミングは、会社の繁忙期を避けるのがベストです。繁忙期に辞めると、業務がさらに滞り、会社に迷惑がかかってしまう可能性があります。今までお世話になった会社だからこそ、迷惑を最小限に抑える配慮は大切です。

また、繁忙期に退職の意思を伝えても、忙しさのあまり取り合ってもらえないケースも考えられます。退職のタイミングを選ぶことで、自分も会社もスムーズに次のステップへ進むことができるので、時期については慎重に検討しましょう。

最低でも1カ月以上前には直属上司に退職の旨を伝える

退職を決めたら、まずは最低でも1カ月以上前に直属の上司にその旨を伝えることが基本です。ただし、企業によっては退職日の申告期限が異なる場合もあるので、就業規則を確認しておくと安心です。

上司に退職を伝える際は、正式な手続きに加えて、引き継ぎの計画なども話し合いましょう。

そして退職することについて、上司の同意を得た上で、自分から同僚やチームメンバーにも伝えられるとよいでしょう。周囲に直接伝えることで、円滑な引き継ぎができるだけでなく、退職後も良好な関係を保つきっかけにもなります。

仕事を辞めてどうするか決まっていなくても実は仕事を辞めるメリットがある!

次に何をするか決まっていなくても仕事を辞めることで得られるメリットが実はあります。退職するのであれば、そのメリットを享受して、次のステップに備えましょう。

・ストレスから解放されて体も心も元気になる
・キャリアアップの時間が確保できる

上記のそれぞれについて、見ていきます。

ストレスから解放されて体も心も元気になる

働いていると、どうしてもストレスがたまるものです。仕事を辞めることでそのストレスから解放され、心や体が元気を取り戻すことがあります。

働きすぎて心身がつらいと感じたり、限界を感じたりするような状況では、無理をせず自分を守ることが何よりも大切です。退職後に健康を回復できることは、大きなメリットになります。

キャリアアップの時間が確保できる

退職すると、将来的にどのようなキャリアを築きたいのかをじっくり考える時間が生まれます。この時間を活用して、将来の目標を明確にし、それに必要なスキルや知識をインプットすることができます。

資格を取るための勉強を始めたり、新しい分野を学んだりすることで、キャリアの幅を広げることが可能です。

働きながらではなかなか挑戦できなかったことも、時間に余裕ができれば深く追求できます。キャリアアップを目指すための自己投資に集中できるのは、退職のメリットといえるでしょう。

仕事を辞めてどうするかでよくある質問

仕事を辞めて、どうしていくかについて、よくある質問をまとめましたので、参考にしてください。

・仕事を辞めるのは「逃げ」ですか?
・すぐに再就職しない場合、どんな手続きが必要ですか?
・退職後ハローワークにはいつ行ったらよいですか?

上記のよくある質問について、一つずつ見ていきます。

仕事を辞めるのは「逃げ」ですか?

仕事を辞めることは、必ずしも「逃げ」ではありません。

ハラスメントが横行していたり、労働環境が悪かったりする職場に無理をして居続けると、心身を壊してしまう可能性があります。自分を守るために退職を選ぶことは、大切な決断の一つです。とはいえ、辞める前に改善策がないかを探ってみるのもよいでしょう。

可能であれば上司に相談したり、社内制度を活用したりすることで、状況が改善する可能性もあります。それでも解決しない場合に、自分の健康や将来のために新しい環境を探すのは、前向きな選択です。

すぐに再就職しない場合、どんな手続きが必要ですか?

退職後すぐに就職しない場合は、国民健康保険への切り替えや失業手当の申請を忘れずに行いましょう。

国民健康保険への切り替えは、退職後に各市町村の役場で手続きができます。

また、失業手当を申請するには、退職時に会社から発行される「離職票」が必要です。忘れずに受け取っておきましょう。失業手当は、条件を満たしていれば支給されます。ハローワークで求職活動をしながら受給することで、次の就職先を探す間の生活を安定させることができます。

退職後ハローワークにはいつ行ったら良いですか?

失業手当を申請するには、退職後にハローワークで手続きを行う必要があります。

自己都合退職の場合は、失業手当が支給されるまでに約2カ月間の「待機期間」があるため(2025年4月からは約1カ月に短縮)、早めに動くことが大切です。手続きには会社から受け取る「離職票」が必要ですので、退職後に速やかに準備しておきましょう。申請が遅れると受給可能期間が短くなってしまう場合があるため、できるだけ早くハローワークで必要な手続きを進めるのが安心です。

また、失業保険の申請期限は、原則として退職日の翌日から1年間です。この期間内に申請を行わないと、受給資格が失われる可能性があるので注意してください。

仕事を辞めたら注意すること

仕事を辞める際に、注意しておくことを紹介します。

・手続き関係は必ず進めること
・退職時に会社からもらう書類等は紛失しないようにする

上記の注意点、それぞれについて見ていきます。

手続き関係は必ず進めること

退職時には、すでに紹介した失業保険や税金の手続き以外にも、会社に返却すべきものの対応です。

具体的には、健康保険証、会社の備品、仕事に関連する資料やデータなどです。社会保険の場合、健康保険証は退職日までは有効ですが、それ以降に使用すると医療費の返還を求められることがありますので、退職後はすぐに返却するようにしましょう。

また、会社の備品としては、パソコン、入館証、社章、カードキー、名刺、制服、社用携帯など、返却しなければならないものが多いため、規定の日までにきちんと返却することが大切です。

業務に関する資料やデータについては、必要ないものはシュレッダーにかけ、必要なものは会社に返却することを忘れずに行いましょう。退職後のトラブルを防ぐためにも、これらの手続きは確実に行うようにしてください。

退職時に会社からもらう書類等は紛失しないようにする

退職時に会社から受け取る書類は、今後の転職活動や手続きに必要となるものが多いので、しっかり保管しておきましょう。主な書類として、雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票、離職票などがあります。

離職票は失業手当を申請する際に必須となるため、発行が必要な場合は会社に依頼しましょう。多くの場合、離職票は郵送されますが、もし送られてこない場合は、早めに会社に確認を取ることが大切です。

これらの書類がそろっていないと後々の手続きがスムーズに進まない可能性があるため、受け取り漏れや紛失には注意してください。

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今回は、仕事を辞めてどうするか悩んだときに、しておくことや、退職に関する手続きについて紹介しました。

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