社会人におすすめの資格！転職活動中や働きながら取れるものも紹介！

資格を取得してキャリアアップや転職を目指す社会人は多くいますが、同時にどの資格を選べばよいか迷うことがあるのも事実です。資格を生かすには、それぞれの仕事や目的に合ったものを選び、効率的に学習を進めることが大切です。目的に合った資格ならば、学ぶ意欲も向上します。また、資格取得に向けた勉強に活用できる参考書や講座もありますので、仕事を続けながらでも資格取得は可能です。

この記事では、社会人におすすめの資格を目的別に紹介し、選び方のポイントも解説します。

●社会人が資格を取得するには、目的を明確にし、自分のキャリアに合ったものを選ぶことが重要
●資格には、転職に有利なもの、働きながら取得しやすいもの、独立開業向けのものなど、多様な選択肢がある
●資格を取得することで、スキルアップや収入アップの可能性が広がるが、活用方法を考えることも大切
●自分に合った資格を見極め、効果的に学習を進めることで、キャリアの選択肢を広げられる

この記事では、上記のそれぞれについて詳しく解説します。順を追って読んだ方が理解しやすい流れになっていますが、気になるところだけを拾い読みしても参考になる内容になっています。

社内でのキャリアアップにおすすめの資格

現在の職場でのキャリアアップを目指す際におすすめの資格について紹介します。

・日商簿記
・ファイナンシャルプランナー（FP）
・宅地建物取引士
・医療事務
・介護事務
・マンション管理士・管理業務主任者
・危険物取扱者
・マイクロソフトオフィススペシャリスト

上記について、それぞれ見ていきます。

日商簿記

日商簿記は、経理・財務の専門職だけでなく、営業や管理職の意思決定にも役立つ資格です。企業の収益構造やコスト管理についての理解が深まり、業務の質を向上できます。

簿記3級は基礎知識を身に付けるレベルですが、2級以上を取得すると、より実務的なスキルが身に付き、キャリアアップにも有利になります。

学習方法としては、独学でも合格は可能ですが、効率良く学ぶならスクールの活用がおすすめです。短期間で理解を深めるためには、オンライン講座や通学講座を利用し、問題演習を重ねることが効果的です。過去問や模擬試験を活用すると、試験の出題傾向を把握できるので合格率アップにつながります。

ファイナンシャルプランナー（FP）

ファイナンシャルプランナー（FP）は、資産運用や保険、税金などの幅広い知識を身に付けられる資格です。金融・保険業界での業務に直結するのはもちろん、総務、人事職、営業職でも活用できます。

総務や人事では、企業の福利厚生制度の設計に生かせます。また、税金や社会保険の知識が付くので、給与計算や年末調整にも役立ちます。

金融業では顧客のライフプランに合わせた効果的な提案ができるようになります。その他、住宅販売や不動産活用などの営業職でも、顧客の資金計画や税制の知識を生かせます。

FP3級は基礎知識を学ぶレベルですが、2級以上を取得すれば、実務での活用範囲が広がります。FP3級では、個人の資産管理や日常のライフプラン設計に関する知識を得ることができます。FP2級以上では、顧客の資産状況を分析して、顧客ごとに具体的な提案ができるようになります。

宅地建物取引士

宅地建物取引士（宅建）は、不動産の契約や重要事項説明を行う際に必要とされる資格です。不動産業界の業務では必須の国家資格で、転職や昇進にも有利です。

不動産取引に関する法律や税金の知識が身に付くので、金融業界の不動産担保ローンや投資用不動産の業務でも活用できる資格です。

試験は独学でも合格可能ですが、出題される範囲が広く、民法や税制など専門性の高い内容も含まれるため、スクールやオンライン講座を活用する方が効率的に学習できます。

医療事務

医療事務は、病院やクリニックでの受け付け・会計業務をする際に必要な資格です。実務経験がなくても取得でき、未経験からの挑戦も可能です。

医療機関の事務職は需要が安定しており、ライフステージに合わせて働きやすいことから、女性のキャリア形成や復職にも適しています。結婚・出産後にパートや派遣として柔軟に働けて、ブランクがあっても再就職しやすい職種です。また、全国どこでも医療機関があるため転居後も仕事を見つけやすいのも魅力です。

もちろん性別問わず、医療系の事務職の知識を身に付けたい方に適した資格です。

試験の難易度は、通信講座や独学でも合格を目指すことのできるレベルです。短期間で学べるため、働きながらでも取得しやすいのもメリットです。試験対策としては、過去問を活用しながら、診療報酬やレセプト業務の基礎知識をしっかり身に付けることが重要です。

介護事務

介護事務は、介護施設や訪問介護事業所での事務業務に役立つ資格です。資格取得に実務経験が不要なので、未経験からでも挑戦しやすい資格です。高齢化が進む日本では介護サービスの需要が年々増加しており、求人数が多く、安定して働けることも魅力です。

業務内容は、介護報酬請求（レセプト業務）、利用者や家族への対応、書類作成などがあり、介護の現場を支える重要な役割を担います。

資格取得の試験は、通信講座や独学でも取得可能なレベルです。介護保険制度の基礎知識、介護報酬請求のルール、介護サービスの種類などが試験範囲に含まれます。過去問や模擬試験を活用しながら学ぶことが合格への近道です。

マンション管理士・管理業務主任者

マンション管理士・管理業務主任者は、不動産管理や資産運用に関する専門知識を証明できる資格です。不動産管理会社や不動産業界での評価が高く、資格を生かして独立開業することも可能です。

マンション管理士の資格があると、管理組合の運営やトラブル対応、修繕計画の立案など幅広い知識をもとに、管理組合のコンサルタントとして活動できます。管理業務主任者は、管理会社の社員として重要事項説明や契約業務を担当して、マンションの適切な維持管理をサポートすることができます。

試験の難易度はやや高く、法令や実務知識を重点的に学習することがポイントになります。
マンション管理適正化法や区分所有法などの法律分野を重点的に学習して、過去問演習を繰り返しながら、出題傾向を把握することが必要です。

危険物取扱者

危険物取扱者は、ガソリンスタンドや工場などで必要とされる国家資格で、転職や昇進にも有利な資格です。危険物を安全に管理・取り扱う資格で、化学工業、運輸、建設業など幅広い業種で生かせます。

中でも乙種4類は、ガソリン、灯油、アルコール類などの引火性液体を扱う業務に必要で、取得すると就職の選択肢が広がります。

危険物取扱者の資格は法令や性質・消火方法などを学ぶ試験内容となっており、比較的短期間の勉強で合格を目指せるのが特徴です。独学でも十分に取得可能ですが、過去問演習を繰り返し、危険物の分類や法規制を重点的に学習すると効率的です。

マイクロソフトオフィススペシャリスト

マイクロソフトオフィススペシャリスト（MOS）は、WordやExcelの実務スキルを証明できる資格で、事務職や営業職などの幅広い業務で役立ちます。データ処理や文書作成の効率が向上するため、業務改善やキャリアアップにも有利です。

試験は実技形式で、Wordでは書式設定や文書作成、Excelでは関数やグラフ作成など、実務で頻繁に使う機能が問われます。操作スキルを直接評価されるため、実践的な学習がそのまま試験対策につながります。

独学でも取得可能ですが、試験の出題範囲を網羅した模擬試験やオンライン講座を活用すると、効率的な対策が可能です。

独立開業を目指す人におすすめの資格

資格取得をして、独立開業を目指す方々におすすめの資格を３つ紹介します。

・行政書士
・社会保険労務士
・電気工事士

上記の資格を取得することで可能になる業務や、試験に合格するために必要なことをそれぞれ解説します。

行政書士

行政書士は、許認可申請や契約書作成などの法務手続きの代行に必要な国家資格で、独立開業したい方におすすめの資格です。法律の専門知識を生かし、企業や個人を幅広くサポートできるため、需要が高い資格でもあります。

行政書士が扱う業務は多岐にわたり、特に以下の分野で活躍できます。

・企業向け業務：会社設立の手続き、建設業や飲食業の営業許可申請、外国人の在留資格申請など
・個人向け業務：遺言書や相続手続きの作成、自動車の名義変更や車庫証明の取得
・契約書の作成：事業取引に必要な契約書の作成やリーガルチェック

これらの業務は弁護士と異なり、裁判業務を伴わない範囲で法的サポートの提供が可能です。

また、同じように法律知識を生かした資格に司法書士があります。行政書士は官公署への書類作成や企業・個人の法務サポートが中心で、司法書士は登記や法律トラブル対応が主な業務です。法律知識を生かしてキャリアアップしたい場合は、どの分野で活躍したいかを考えた上で資格を選ぶとよいでしょう。

行政書士の資格試験の難易度は、法律系国家資格の中では中程度の難しさですが、独学や通信講座での合格も可能です。試験については出題範囲が広いので、効率的に学習するための計画を立てることが求められます。

社会保険労務士

社会保険労務士（社労士）は、労務管理や社会保険手続きの専門家として、独立開業が可能な国家資格です。

社会保険労務士は、企業の労働環境の整備や、労働基準法・労働契約法に基づくアドバイス、社会保険や労働保険の手続き代行、給与計算、就業規則の作成などを担います。また、企業と従業員の労務トラブルを未然に防ぐ役割もあります。企業運営に欠かせない業務を担う点が、この資格の魅力です。

企業の多くは社外の社会保険労務士に業務を依頼しているので、独立しても活躍の場が広がります。企業の人事・総務部門でもその知識を生かし、労働法や年金制度の専門家として貢献できます。

社会保険労務士試験は難易度が高めですが、実務経験がなくても受験できるため、働きながら資格取得を目指すことができます。

電気工事士

電気工事士は、住宅やビルの電気設備工事に必要な国家資格で、独立開業や転職に有利な資格です。第一種電気工事士は、ビルや工場などの大規模な電気工事を行うことができます。第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な建物の電気工事が可能で、どちらも高い需要があります。

実技試験があるので、教材や講習を活用しながら実践的に学ぶことが合格への近道です。配線や結線作業などは経験を積むことで確実に身に付きます。電気工事会社で勤務する、職業訓練校で学ぶなど、実務を学ぶ方法はいくつかあります。

独立開業すると、住宅の配線工事、リフォーム時の電気設備更新、店舗やオフィスの照明設置など幅広い業務を請け負えます。さらに、太陽光発電設備の設置やEV充電設備の工事など、新たな分野にも対応可能です。

転職では、建設業界や設備管理会社、家電メーカーの施工部門、工場の保守管理など多くの業界で活躍できます。電気は生活や産業に欠かせないため、安定した需要がある魅力的な資格です。

需要が安定している業界への転職でおすすめの資格

求人が比較的多く、安定して働くことのできる業界に転職したい場合に、おすすめの資格を紹介します。医療や介護関連で、社会のニーズが高い業界で役立つ資格です。

・介護支援専門員（ケアマネジャー）
・介護福祉士
・登録販売者
・歯科助手
・調剤薬局事務

上記について、それぞれ見ていきます。

介護支援専門員（ケアマネジャー）

介護支援専門員（ケアマネジャー）は、高齢化社会で安定した需要がある介護業界の専門資格です。介護保険法に基づいて各都道府県が認定する公的資格です。

介護サービスを必要とする方に対し、適切な介護計画を立て、関係機関との調整を行う役割を担います。施設や在宅介護の現場で、利用者が安心してサービスを受けられるよう支援します。

ケアマネジャーの具体的な業務
・利用者や家族との面談を行い、生活状況や介護のニーズを把握する。
・介護サービス計画（ケアプラン）を作成し、適切なサービスを組み合わせる。
・介護事業所や医療機関と連携し、必要な支援を調整する。
・利用者の状況に応じてケアプランを見直し、より良い支援を提供する。

受験に必要な実務経験
ケアマネジャー試験を受験するには、福祉・医療分野での実務経験が5年以上（900日以上）必要です。対象となる職種には、以下のようなものがあります。
・介護福祉士としての実務経験（特別養護老人ホーム、デイサービスなど）
・看護師、准看護師としての病院や訪問看護の経験
・社会福祉士や精神保健福祉士としての相談業務経験

資格取得後のキャリア
資格を取得すると、施設のケアマネジャーとして勤務するだけでなく、居宅介護支援事業所を設立し独立開業することも可能です。また、管理職や指導的立場に進むことで、介護業界でのキャリアアップの道も広がります。

介護福祉士

介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格で、安定した需要のある職種でもあります。

主な業務は、施設や在宅での介護サービスの提供、食事や入浴の介助、リハビリ支援、生活支援などです。

資格取得には、養成施設での学習と、実務経験が必要です。実務経験は、福祉施設や訪問介護事業所での勤務を通じて、最低3年間、または実務者研修を受けた場合は1年間の経験が求められます。

資格取得に向けては、介護技術に加えて、利用者とのコミュニケーション方法や介護計画の立案、介護に関する法律や制度を学びます。

資格取得後は、キャリアアップや給与の優遇が期待されます。専門的なスキルを生かして活躍の場を広げることができます。

登録販売者

登録販売者は、ドラッグストアや薬局で一般用医薬品の販売ができる国家資格です。医療・福祉業界での需要が高く、未経験からでも挑戦しやすい資格です。

独学や通信講座を利用した学習で、資格を取得することも可能です。試験内容は、医薬品に関する基礎知識、薬事法、衛生管理、応急処置などが含まれます。また、薬事法をはじめとする関連法規や、実際の販売に必要な接客技術や安全管理についても学ぶ必要があります。

資格取得後は、ドラッグストアや薬局で活躍できるほか、医療・福祉業界のさまざまな職場でも需要があります。

介護施設や福祉施設では利用者の健康管理や薬の管理を担当し、訪問医療やリハビリテーション施設では医薬品の知識を生かしてサポートが可能です。また、地域包括支援センターや福祉相談窓口で、薬の使い方や副作用に関する相談に応じることもあります。

歯科助手

歯科助手は、歯科医院での受け付けや診療補助を行う職種で、未経験からでも挑戦しやすい資格です。

需要が安定しており、全国どこでも働きやすい職種でもあります。資格がなくても働けますが、資格を取得することで専門的な知識が身に付き、就職や転職に有利になります。

資格試験の内容には、歯科診療の基本知識、歯科器具の取り扱いや消毒方法、歯科疾患の基礎知識、患者対応のマナーなどが含まれます。学習のポイントは、歯科用語や治療法の理解、器具の名前や用途を覚えること、そして患者とのコミュニケーション方法を学ぶことです。

調剤薬局事務

調剤薬局事務は、薬局での受け付けや会計、レセプト業務を担当する仕事で、未経験者でも挑戦しやすい資格です。医療業界における需要は安定しており、全国どこでも就職しやすい点が魅力です。

調剤薬局事務の主な業務には、処方箋の受け取り、患者情報の入力、薬剤の管理、保険請求業務などがあります。資格取得は比較的短期間で可能で、独学や通信講座を利用して学ぶことができるため、働きながらの勉強も可能です。

資格を取得すると、調剤薬局事務としての専門知識が身に付き、調剤薬局での業務をスムーズに行えるようになります。また、保険請求業務やレセプト業務の知識は、他の医療機関でも生かせるため、転職やキャリアアップにも有利です。

これからの時代に役立つおすすめの資格

これからのビジネスで幅広く役立つ、おすすめの資格を紹介します。語学やIT知識はこれからの時代に不可欠な資格ですので、異業種に転職する際にも役立つポータブルスキルです。

・TOEIC
・ITパスポート
・基本情報技術者

上記について、それぞれ見ていきます。

TOEIC

TOEICは、英語のコミュニケーション能力を測る試験で、外資系企業はもちろん、その他の多くの業種でも高く評価されます。高スコアを取得することで、転職や昇進に有利になり、ビジネス英語の実力を証明できます。

学習のポイントは、リスニング力とリーディング力を高めることです。リスニングでは、英語の速度やアクセントに慣れることが重要で、リーディングではスピードと正確性を意識する必要があります。

目安として、ビジネスシーンで通用するスコアは700点以上といわれ、900点以上だとさらに評価が高くなります。TOEICは独学やオンライン学習での対策も可能で、効率的にスコアを向上させることができます。

ITパスポート

ITパスポートは、情報技術やセキュリティの基礎知識を証明できる国家資格で、IT業界だけでなく、さまざまな業界で役立ちます。企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）が進む中、ITリテラシーの重要性が増しており、この資格の取得が、転職やキャリアアップにもつながります。

ITパスポートは比較的易しい試験で、専門的な知識がなくても取り組みやすく、独学やオンライン学習での対策も可能です。試験内容は、ITの基本的な仕組みやセキュリティ、データベース、ネットワークに関する基礎的な知識が中心です。試験勉強を通して、業務で必要となるITの基本的な内容を学ぶことができます。

基本情報技術者

基本情報技術者は、ITエンジニアの登竜門とされる国家資格で、システム開発やIT業界でのキャリアアップに有利です。

この資格では、プログラミングやネットワーク、データベースなどの基礎知識を幅広く学び、ITの専門知識を深めることができます。難易度は中程度で、独学でも合格可能ですが、計画的な学習が重要です。ITパスポートを取得後に基本情報技術者にステップアップするのも一つの方法です。

また、IT業界のエンジニアだけでなく、現代ではさまざまな業界でIT知識が求められています。基本情報技術者を取得することで、ITに関する理解を深め、仕事の幅を広げることができます。エンジニアとしてだけでなく、ITを活用した業務改善やプロジェクト管理など、さまざまな分野で生かせる資格です。

独学での取得が目指せるおすすめの資格

独学で、資格取得を目指したい方におすすめの資格を、次に紹介します。

・インテリアコーディネーター
・カラーコーディネーター
・看護助手

上記の資格について、それぞれ見ていきます。

インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターは、住宅や商業施設の空間デザインに関する知識を証明できる資格です。実務経験は不要なので未経験からでも挑戦しやすい資格です。

企業勤務で活動するだけでなく、独立や副業する際の資格としても生かせます。

試験範囲は、インテリアの歴史や色彩、建築法規など広いのですが、独学や通信講座での対策が可能です。市販の参考書や過去問題集が充実しており、実技試験がないのが、独学で目指しやすい理由です。

カラーコーディネーター

カラーコーディネーターは、色彩に関する知識を生かし、ファッション・インテリア・広告業界などで役立つ資格です。未経験からでも挑戦しやすく、デザインや販売職のスキルアップにも有効です。

試験の難易度は比較的高くないので、独学や通信講座での取得が可能です。色彩理論や配色技法など体系的に学べる参考書が多く、市販の問題集も充実しているため、効率的に学習を進められます。

看護助手

看護助手は、病院や介護施設で看護師のサポートを行う仕事で、特別な資格や免許がなくても働けるため、未経験からでも挑戦しやすい職種です。ただし、看護助手の知識や技術を証明するための資格もあり、取得することで医療・福祉業界への就職や転職に有利になります。高齢化が進む中で需要が高まっており、安定した職種を目指す方にも適しています。

資格試験の内容は、医療や介護の基礎知識、患者対応の技術、安全管理などが中心です。独学や通信講座を活用して学ぶことができます。

マイナーでも需要があるおすすめ資格

認知度はそれほど高くないのですが、仕事の需要があるおすすめの資格を紹介します。

・薬膳コーディネーター
・通関士
・終活アドバイザー

上記の資格について、それぞれ紹介します。

薬膳コーディネーター

薬膳コーディネーターは、食材の効能や東洋医学の知識を生かし、健康管理や飲食業界で役立つ資格です。美容や健康への関心が高まる中、飲食業界でのメニュー開発や個人の健康アドバイザーとしての需要が増えています。特に、自然な食事療法に興味のある方にとって、実生活に生かしやすい資格です。

試験の難易度は高くないので、独学や通信講座での取得が可能です。試験内容は、薬膳の基本理論、東洋医学の基礎知識、食材の効能、体質に合わせた食事の組み立て方などが含まれます。

これらを学ぶことで、体調や季節に応じた食事提案ができるようになり、家庭や職場で実践的に活用できます。

通関士

通関士は、貿易業界で必要とされる国家資格で、輸出入手続きを代行する専門職です。グローバル化が進む中、物流・商社・通関業者などでの需要が安定しており、国際取引を支える重要な役割を担います。貿易実務の専門知識が身に付き、キャリアの選択肢が広がるのも魅力です。

難易度の高い試験にはなりますが、独学や通信講座での対策が可能です。試験内容は「通関業法」「関税法及び関税関連法規」「通関実務」の3科目で構成されており、特に通関実務では、関税計算や書類作成の知識が求められます。正確さが重視されるため、過去問演習や実践的な学習が必要です。

終活アドバイザー

終活アドバイザーは、人生の終末期に向けた準備をサポートする資格で、高齢化が進む現代において需要が拡大しています。相続や介護、葬儀、遺言などの知識を生かし、本人や家族が安心して老後を迎えられるよう支援する役割を担います。福祉・保険・不動産業界でも活躍できるため、幅広い分野でのキャリアにつながる資格です。

試験の難易度は、独学や通信講座での取得が可能なレベルです。試験内容は、終活の基礎知識、財産管理や相続の手続き、介護や葬儀に関する実務知識などが含まれます。これらを学ぶことで、終活に関する正しい情報を提供し、相談者の不安を軽減することができます

社会人でも取得できるおすすめ国家資格

社会人が仕事をしながら、取得を目指せる国家資格を紹介します。

・保育士
・社会福祉士
・衛生管理者
・CIA

上記のそれぞれについて見ていきます。

保育士

保育士は、保育園や児童福祉施設で子どもの成長を支える専門職です。共働き世帯の増加により需要が安定しており、長く活躍できる職種の一つです。国家資格であるため信頼性が高く、未経験からでも取得可能で、転職や再就職にも有利です。

試験の合格率はやや低いのですが、通信講座や独学での学習も可能です。試験内容は「保育原理」「児童家庭福祉」「保育実習理論」などの筆記試験と、実技試験（音楽・造形・言語から2つ選択）で構成されています。基礎知識だけでなく、子どもへの対応力も求められます。

なお、幼稚園教諭は文部科学省管轄で教育を目的とし、主に3～5歳児を対象にします。一方、保育士は厚生労働省管轄で0歳から就学前の子どもを対象に保育を行う点が大きな違いです。近年は、保育と幼児教育が一体となった認定こども園の増加に伴い、両資格を取得する人も増えています。

社会福祉士

社会福祉士は、福祉制度を活用しながら相談支援を行う専門職で、福祉施設や行政機関で業務を行います。生活に困難を抱える人々を支援し、適切な福祉サービスにつなげる役割を担うため、福祉業界での重要性が高まっています。

国家資格なので信頼性が高く、福祉業界でのキャリアアップに有利なだけでなく、独立開業も可能です。医療・介護・障害福祉分野での専門性を生かし、相談支援の仕事を広げることができます。

受験には指定の養成課程修了が必要ですが、働きながら通信制の学校で資格取得を目指すことも可能です。試験内容は、社会福祉の基礎知識、相談援助の理論と実践、公的制度に関する理解など幅広く、実践的なスキルが求められます。

衛生管理者

衛生管理者は、企業の労働環境の安全管理を担う国家資格です。労働者の健康を守るための職場環境の改善や、安全対策の実施が主な業務であり、企業のコンプライアンス強化にも貢献します。

製造業・建設業・オフィス勤務など幅広い業界で需要があり、従業員50人以上の事業所では必須の資格なので、転職や昇進にも有利です。労働災害防止や健康管理の専門知識を生かし、産業医や労務管理担当者と連携しながら職場の安全を確保します。職場の安全管理を専門的に担うことができ、企業の人事・総務部門でも重宝されます。

試験の難易度は、独学や通信講座での取得が可能なレベルです。試験範囲が「労働衛生」「関係法令」「労働生理」の3科目で、出題形式も選択式が中心です。過去問を繰り返し学習することで合格率を高めやすく、実務経験がある人にとっては理解しやすい内容となっています。

CIA

CIA（Certified Internal Auditor、公認内部監査人）は、企業のリスク管理や社内統制、ガバナンスを評価する内部監査の国際資格で、世界的に認知されています。

企業活動の適正性を確認し、業務改善やコンプライアンス強化に貢献する役割を担います。ガバナンスとは、企業の経営陣が企業全体を監督し、透明性や責任ある経営を確保するための枠組みを指し、その評価もCIAの重要な任務です。

金融・製造・IT業界など幅広い分野で活躍でき、特に監査部門や内部統制、リスクマネジメント関連の部署で需要があります。企業の内部監査室、経営企画部、コンプライアンス部門などに加え、監査法人やコンサルティング会社でも求められ、転職やキャリアアップにも有利です。

試験は「内部監査の基礎」「実務」「ビジネス知識」の3科目で、内部監査の原則や手法、リスク評価、内部統制などの知識が問われます。英語でも受験可能ですが、日本語対応もあり、独学や通信講座での対策が可能です。

資格を取得すれば、企業の経営課題を客観的に分析し、適切な改善策を提案できる専門家としての評価が高まります。

学生から取得が目指せるおすすめ資格

学生のときから取得が目指せて、就職活動にも生かすことのできる資格を紹介します。

・秘書検定
・QC検定（3級）

それぞれについて、見ていきます。

秘書検定

秘書検定は、ビジネスマナーやコミュニケーション能力を証明できる資格で、事務職や営業職をはじめ、あらゆる職種で役立ちます。敬語の使い方、来客応対、文書作成などの実務的なスキルを学べるため、社会人としての基本を身に付けたい人に適しています。

学生のうちに取得しておくと、就職活動でのアピールポイントになりやすく、企業側にもビジネスマナーが備わっていることを示すことができます。内定が出た後に資格を取得しておくと、新社会人になったときに、新たな環境や仕事に早く慣れることができるでしょう。

新卒採用時だけでなく、転職時にも有利に働くことが多い資格です。

試験は3級・2級・準1級・1級の4段階に分かれており、3級は比較的易しく、独学でも取得可能です。

QC検定（3級）

QC検定（品質管理検定）は、製造業やサービス業で役立つ品質管理の知識を証明できる資格です。品質管理の基本的な手法や管理技術を学ぶことができ、業界で信頼されている資格です。

3級は基礎レベルで、学生や未経験者でも挑戦しやすく、就職活動のアピールにもなります。品質管理に関する知識を身に付けていると、製造業への就職意欲が高いと企業からも評価されるでしょう。

試験は独学や参考書を活用して対策が可能です。品質管理の基本的な手法や用語、品質管理の実務に関する問題が出題されます。具体的には、品質の定義や品質保証、品質管理の手法（PDCAサイクル、統計的手法）、検査技術や不良品管理、標準化と改善活動に関する問題が出題されます。これらの知識を身に付けることで、業務で直面する品質に関する課題を解決する能力を養うことができます。

資格取得後は、製造工程の管理や品質の維持・改善に関わる仕事に強みを持つことができ、品質管理部門や関連部署でのキャリアアップに有利です。

趣味を生かせるおすすめの資格

趣味や関心のある分野で取得できるおすすめの資格を紹介します。

・ネイリスト
・心理カウンセラー
・食育アドバイザー
・ヨガインストラクター
・整理収納アドバイザー

上記について、それぞれ紹介します。

ネイリスト

ネイリスト資格は、美容業界で活躍できるスキルを証明することができて、サロン勤務や独立開業にも役立ちます。ネイルアートやケア、デザイン技術を習得することで、技術力を証明でき、業界や顧客の信頼を得ることのできる資格です。

初心者でも挑戦しやすく、趣味から副業・本業へと発展させることが可能です。ネイルケアやアートの基本から学び、徐々に高度な技術を習得できて、個人のペースで進めやすい資格です。

ネイルのデザインや施術技術、衛生管理など、実務に直結する内容が試験で出題されます。
実技試験があるため、スクールや通信講座を活用すると効率的に学習できます。スクールでは、専門的な指導を受けられるので、実技で自信を付けたい方に向いています。

心理カウンセラー

心理カウンセラーは、メンタルケアや対人支援のスキルを生かし、福祉、教育、企業などさまざまな分野で活動できる資格です。

心理カウンセラーは、対人関係のトラブル解決やストレス管理など、クライアントの心のケアを担います。カウンセリング技術を習得すれば、自己理解が深まり、他者とのコミュニケーション能力も向上します。

民間資格が多くあり、独学や通信講座を利用することで、比較的短期間で取得できます。自分のペースで学べる点も魅力の一つです。心理学に興味があり、人々を支えたいと考えている方におすすめの資格です。

食育アドバイザー

食育アドバイザーは、栄養や食に関する知識を生かし、健康的な食生活の指導ができる資格です。この資格は、飲食業界や教育機関、福祉施設などで役立つほか、家庭での食育にも応用できます。

食育アドバイザーは、食事のバランスや栄養価を考慮した献立を紹介します。また、子どもや高齢者を対象にした、健康に良い食事を指導します。

試験では、栄養学、食文化、食事管理、食育の基本的な考え方などに関する問題が出題されます。独学や通信講座などで試験対策が可能なレベルです。

ヨガインストラクター

ヨガインストラクターの資格は、健康や美容に関心が高い方に適した資格です。ヨガを通じて、ストレスケアや体調管理の知識も身に付けることができて、自分のライフスタイルにも大いに役立ちます。

ヨガインストラクター資格は、民間資格として提供されておりスクールや通信講座を活用して学ぶことができます。

整理収納アドバイザー

整理収納アドバイザーは、片付けや収納の知識を生かし、家庭や職場の環境改善をサポートする資格です。

インテリア業界などでのキャリアアップが期待できるほか、個人で整理収納のサービスを提供することも可能です。
試験は独学や通信講座を利用して取得できる内容で、難易度も高くありません。

整理整頓に関する専門知識を身に付けて、自分の住まいや仕事場の環境を快適に整えることができるのも魅力です。

副業に役立つおすすめ資格

副業をするに際して、資格取得を検討している方におすすめの資格を紹介します。

・Webデザイナー検定
・翻訳検定試験TQE
・ウェブデザイン技能検定

上記について、それぞれ見ていきます。

Webデザイナー検定

Webデザイナー検定は、Web制作の基礎知識やデザインスキルの資格で、副業やフリーランスで仕事をする方におすすめの資格です。

この資格は、広告業界やIT業界を中心に需要が高く、在宅ワークや企業案件の獲得に有利です。

資格取得の試験では、Webデザインに必要な基本的な知識や技術が出題されます。初心者でも比較的挑戦しやすい内容で、独学やオンライン講座を利用して学ぶことができます。

翻訳検定試験TQE

翻訳実務検定試験（TQE）は、実務翻訳のスキルを証明する資格で、副業やフリーランスとしての仕事獲得に役立ちます。

この資格は、英語力を生かして在宅ワークや企業の翻訳案件にも対応しやすく、特に翻訳業務を希望する方におすすめです。

試験は専門分野ごとに分かれており、自分の得意分野を生かして学習・受験が可能です。難易度は中級程度で、TOEICで600点以上の英語力が求められることが一般的ですが、分野ごとに異なるため、事前に必要なレベルを確認することが重要です。

ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定は、Webデザインやコーディングのスキルを生かせる資格で、企業勤務や副業に役立ちます。フリーランスや在宅業務にも適した資格です。

この資格は1級から3級まであり、実務経験の有無に応じて段階的に取得が可能です。コーディングとは、Webサイトを作成するためのプログラミング作業で、HTMLやCSS、JavaScriptなどを使用して、デザインを実際に機能する形に落とし込む技術を指します。学習方法も独学やオンライン講座で進めやすい資格です。

CGクリエイター検定

CGクリエイター検定は、映像・アニメ・ゲーム業界の、CG制作スキルに関する資格です。副業やフリーランスとしての案件獲得にも役立ちます。クリエイティブ業界でのキャリアアップにも有利で、映像やアニメーション、ゲームの制作に関わる仕事を目指す人におすすめです。

検定試験では、CG制作に必要な基本的な技術や知識、ソフトウエアの操作スキルが評価されます。合格するためには、3DCGや2DCG制作に関する知識、モデリング、テクスチャリング、ライティング、アニメーションなどのスキルを重点的に習得することが必要です。

働きながら取得が目指せる資格の選び方

キャリアアップにつながる資格にはいろいろなものがあります。その中でも自分の目的に合った、働きながら取得できる資格を選ぶポイントを解説します。

・キャリアや転職でプラスになる資格を選ぶ
・受験資格がないものや満たしているものを選ぶ
・少ない時間でも取得できそうなものを選ぶ

選び方について、それぞれ解説します。

キャリアや転職でプラスになる資格を選ぶ

キャリアや転職に役立つ資格を選ぶ際は、業界での需要や自身のキャリアプランに合っているかを調べましょう。

実務に生かせる専門性の高い資格（公認会計士、社労士、TOEICなど）は、転職市場で高く評価されます。

転職市場で評価される資格は、試験の難易度も高くなります。試験の出題範囲や難易度も確認しておきましょう。資格に級がある場合は、基礎レベルからステップアップしていく方法もおすすめです。

また、学習計画をしっかり立てる必要があります。働きながら受講しやすいオンライン学習や通信講座を活用するのが効果的です。

受験資格がないものや満たしているものを選ぶ

資格を選ぶ際は、受験資格が不要なものや、自身がすでに条件を満たしているものを優先すると、スムーズに取得できます。

TOEICやMOS、ITパスポートなどは誰でも受験可能で、働きながらでも挑戦しやすい資格です。

一方で、社会福祉士のように受験資格として指定科目の履修や実務経験が求められる資格もあります。また、公認会計士では、受験資格は不要ですが、試験合格後に実務経験を積む必要があります。

資格を目指す際には、事前に条件を確認して、計画的に取り組むことも必要です。

少ない時間でも取得できそうなものを選ぶ

働きながら資格を取得する場合は、学習時間が短く、効率的に合格を目指せる資格を選ぶことがポイントです。

MOS、TOEIC、ITパスポートなどは比較的短期間で取得しやすく、業務にすぐ生かせる資格です。

どの資格も、仕事と両立しながら挑戦しやすいレベルの試験内容です。学習計画を立て、隙間時間を活用することで、資格取得を目指すことができます。通勤時間や休憩時間を有効に使い、自分に合ったペースで学習を進めましょう。

役に立たない資格ってあるの？

資格の価値は目的や業界によって異なり、「役に立たない」と感じるかどうかは活用方法次第です。

実務経験が重視される職種では、資格だけでは転職や収入アップに直結しにくいこともあります。特定の業界でのみ求められる専門資格は、その業界でのキャリアを考えていない場合、生かせる機会が限られる可能性があります。

資格取得を目指す際は、将来的に自分のキャリアにどのように生かせるか、見極めることが大切です。

これから特におすすめの業界で通用する資格

取得しておくと、求人の多い業界で役立つ資格を紹介します。

・介護関連の資格
・IT関連の資格

上記について、それぞれ見ていきます。

介護関連の資格

介護関連の資格は、高齢化が進む中で需要が拡大しています。介護福祉士やケアマネジャー、介護職員初任者研修などの資格は、業界での活躍の幅を広げ、安定した就職やキャリアアップにつながる点が魅力です。

介護職員初任者研修は未経験からでも取得しやすく、介護の基礎を学ぶことで現場での即戦力となれます。さらに、実務経験を積めば介護福祉士やケアマネジャーへのステップアップも可能で、より専門的な知識やスキルを生かせる職種へと進むことができます。

資格取得後は、介護施設や病院での勤務のほか、訪問介護や福祉用具の相談業務など、さまざまな働き方が選べます。また、経験を重ねれば独立開業し、自分のスタイルで介護サービスを提供する道もあります。

介護の仕事は人材のニーズが高く、資格があることで長く働ける点も大きなメリットです。今後のキャリアを考える際、介護関連の資格取得は有力な選択肢の一つといえるでしょう。

IT関連の資格

IT関連の資格は、DXの推進により需要が急増しています。ITパスポートや基本情報技術者、AWS認定資格などは、業界でのスキル証明として活用でき、転職やキャリアアップに役立ちます。

未経験者でも取得しやすい資格としてITパスポートがあり、ITの基礎知識を学べば、業界への第一歩を踏み出せます。基本情報技術者試験は、プログラミングやアルゴリズムの知識を証明する資格で、エンジニアを目指す人に適しています。さらに、AWS認定資格やネットワークスペシャリストなど、高度な専門知識を証明できる資格もあり、スキルを磨けばキャリアの選択肢が広がります。

資格を取得することで、IT企業への転職や社内での評価向上につながるだけでなく、フリーランスとして独立する際にも信頼の指標になります。中でも、クラウドやセキュリティ分野のスキルは高く評価され、今後も活躍の場が広がるでしょう。IT業界への興味があるなら、資格取得をキャリアの足がかりとして活用するのも有効な選択肢です。