
面接で使える! 転職理由・退職理由の例文と作り方【コピペだけの敵に勝つ】
職務経歴書や面接で必ず聞かれる転職理由・退職理由。
「転職や退職の理由なんて正直に書いたら落とされるに決まっているし、いったいどう書けばいいのだろうか?」
この記事にたどり着いたあなたは、こんなお悩みを抱えているのではないでしょうか。
嘘はついてはいけないと思うものの、だからといって面接攻略本に書いてある転職理由をコピペするだけだと、みんな同じになってしまいますよね。
企業は転職理由や退職理由から、あなたの何を知りたいのでしょうか。
そこで今回は、
転職できる転職理由を作る最短ステップ
ステップ① 本音の退職の理由を明確にする
ステップ② 転職先で解決できることを書き出す
ステップ③ 本音の理由を前向きに言い換える
ステップ④ 短くまとめる
転職理由が思いつかない場合もOK! まとめ方のポイント
ネガティブを避けポジティブに
言わない範囲や内容を決める
退職理由と転職理由・志望動機をつなげる
問題解決のために努力したことに触れる
上記について詳しく解説します。
転職理由をまとめる際の前提を確認
まず初めに、転職理由をまとめるにあたって理解しておいてほしい前提について確認します。
・採用される転職理由はただのコピペNG
・転職理由は本音or嘘どっちが正解?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
採用される転職理由はただのコピペNG
インターネットや攻略本にはたくさんの転職理由例文が溢れています。無難にまとまっているので、そのままコピペしたい気持ちはよくわかります。
しかし、相手は人事のプロです。付け焼刃で転職理由の例文をコピペしただけだとすぐにバレてしまいます。そして万が一、書類通過できたとしても、職務経歴書に書いた転職理由と面接で言った転職理由が違ったら、面接官のあなたへの信用度は一気に落ちてしまうでしょう。
転職理由は、実際の自分の理由を、相手に伝わりやすいまとめ方で説明することが大切です。
コピペはできなくても、簡単なステップでまとめることが可能です。
また、まとめる際にまとめ方を理解していれば、しっかり自分の中で整理ができますので、いざ面接で聞かれても、焦ることも矛盾したことを言う心配もありません。
転職理由は本音or嘘どっちが正解?
転職理由がネガティブな理由だった場合、本音をそのまま伝えるのは避けた方がよいでしょう。「自社でも同じ理由で辞めてしまうのでは?」「自分で改善する努力はしなかったのか?」などと面接官に無用な懸念を抱かせるリスクがあります。しかし、だからといって本音とはかけ離れた嘘を伝えるのも、ミスマッチが起こりかねずおすすめできません。
結論としては、本音をポジティブな表現に変換して伝えるのがベストです。それには自分にとっての転職の軸を掘り下げて考えてみるのが役に立ちます。たとえば「給料が低い」が転職理由の場合、ただ今より給料が高くなればそれで満足なのか考えてみることで本当に叶えたい軸が見えてくるかもしれません。
年代別調査 本音の転職理由
実際に転職をした人はどのようなきっかけで転職を決意しているのでしょうか。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」の調査結果をもとに検証します
令和5年(%)※ | 仕事の内容に興味を持てなかった | 能力・個性・資格を生かせなかった | 職場の人間関係が好ましくなかった | 会社の将来が不安だった | 給料等収入が少なかった | 労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 結婚 | 出産・育児 | 介護・看護 | その他の個人的理由 | ||||||||||
男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | |
全年齢計 | 7.4 | 5.0 | 5.1 | 5.4 | 9.1 | 13.0 | 5.2 | 4.6 | 8.2 | 7.1 | 8.1 | 11.1 | 0.3 | 1.6 | 0.3 | 1.6 | 0.5 | 1.2 | 17.3 | 25.1 |
20~24歳 | 5.8 | 3.9 | 7.1 | 3.0 | 7.5 | 13.3 | 4.9 | 8.7 | 10.5 | 9.1 | 11.4 | 15.6 | 0.7 | 1.6 | 0.1 | 0.3 | 0.2 | 1.4 | 22.9 | 25.1 |
25~29歳 | 14.1 | 9.0 | 8.5 | 6.1 | 6.4 | 14.8 | 7.3 | 3.7 | 11.7 | 7.2 | 10.6 | 18.4 | 0.8 | 5.3 | 0.8 | 1.4 | 0.1 | 0.2 | 19.7 | 17.7 |
30~34歳 | 8.2 | 1.9 | 5.6 | 5.2 | 12.0 | 9.6 | 10.0 | 3.9 | 14.1 | 7.2 | 10.8 | 8.8 | 0.7 | 2.7 | 1.0 | 5.2 | 0.23 | 0.4 | 17.7 | 35.6 |
35~39歳 | 10.8 | 5.8 | 5.9 | 9.2 | 11.3 | 13.1 | 9.0 | 6.4 | 11.3 | 8.9 | 8.6 | 7.0 | 0.2 | 1.2 | 0.8 | 2.6 | 0.6 | 0.4 | 12.5 | 26.9 |
40~44歳 | 9.0 | 5.1 | 6.4 | 6.9 | 14.6 | 8.2 | 9.5 | 4.1 | 8.4 | 7.4 | 8.4 | 17.6 | 0.1 | 1.3 | 0.1 | 3.7 | 1.3 | 1.0 | 16.4 | 26.8 |
45~49歳 | 7.3 | 5.2 | 8.0 | 2.6 | 11.1 | 18.7 | 6.8 | 5.5 | 5.1 | 7.9 | 8.9 | 12.6 | - | 0.1 | 0.0 | 1.6 | 1.0 | 1.8 | 20.8 | 22.9 |
50~54歳 | 10.9 | 3.8 | 6.0 | 7.5 | 6.8 | 8.9 | 5.1 | 5.6 | 9.8 | 4.4 | 5.1 | 6.7 | - | 0.1 | - | - | 1.0 | 5.1 | 16.8 | 27.4 |
55~59歳 | 3.7 | 2.9 | 3.0 | 3.9 | 12.9 | 15.7 | 2.1 | 3.5 | 9.8 | 10.3 | 6.3 | 7.8 | 0.1 | 0.2 | - | - | 0.8 | 1.7 | 14.8 | 28.3 |
60~64歳 | 2.9 | 3.4 | 2.6 | 6.9 | 6.4 | 6.9 | 0.4 | 0.5 | 1.1 | 2.5 | 2.1 | 2.4 | - | - | - | - | 0.4 | 1.2 | 10.2 | 23.1 |
65歳以上 | 0.8 | 7.0 | 0.2 | 4.2 | 1.7 | 13.8 | 0.4 | 1.3 | 2.0 | 1.9 | 1.0 | 2.2 | - | - | - | - | 0.1 | 0.1 | 19.8 | 17.5 |
参考)厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」
※「令和5年雇用動向調査結果の概況3 転職入職者の状況 (2)転職入職者が前職を辞めた理由 表5 転職入職者が前職を辞めた理由別割合」より「個人的理由」を抜粋して作成
自己都合退職のうち「その他の個人的理由」を除くと、男女ともに「職場の人間関係が好ましくなかった」が30代以降どの年代においても目立ちます。また20代の若年層では「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が多いようです。男性は年代によって「仕事の内容に興味を持てなかった」や「給料等収入が少なかった」という仕事やキャリアそのものとの不一致が多くなっているのも特徴的です。
転職できる転職理由を作る最短ステップ
転職できる転職理由を作る最短ステップは、以下の通りです。
ステップ① 本音の退職の理由を明確にする
ステップ② 転職先で解決できることを書き出す
ステップ③ 本音の理由を前向きに言い換える
ステップ④ 短くまとめる
一つずつ解説します。
ステップ① 本音の退職理由を明確にする
まず、本音の退職理由を明確にします。それがたとえ言いにくい理由だったとしても、後ほど述べるように、全く事実と違う嘘の理由は面接官にバレてしまうので絶対にNGです。面接官も、あなたが前職で何かしら不満を抱えていただろうことは当然承知していますので安心してください。
退職の理由は、実際の理由をベースに、許容してもらえる言い方に直すのが基本になります。前職で何が嫌だったのか、など掘り下げて考えていきます。
ステップ② 転職先で解決できることを書き出す
退職したい理由、もしくは今の会社を辞めたい理由を書き出します。今の会社で嫌と感じるポイントがはっきりしたら、次にそのポイントを転職先ならどう解決できるかを考えて書き出してください。この作業により、退職したい理由と志望動機がつながります。両者をつなげることは、一貫性・説得力をもたせるために必須です。また、これを考えるためには応募先企業の強みや弱み、働く環境や給与、勤務時間、仕事の内容などの研究も必要になります。
ステップ③ 本音の理由を前向きに言い換える
本音の理由と転職先での解決方法をつなげるように前向きに言い換えます。問題の解消というより、転職で実現したいことを表現するとまとめやすいです。
<言い換えの例>
本音の理由 | 前向きな言い換え |
「上司が嫌い」 | 「意見やアイデアを積極的に発信したい」 |
「給料が上がらない」 | 「頑張りや実績が正当に評価される会社で働きたい」 |
「残業が多い」 | 「ワークライフバランスを意識して効率的に働きたい」 |
「スキルアップができない」 | 「自身の持つスキルを生かして御社の〇〇に貢献したい」 |
文章の長さはまだ考えなくていいです。長くてOK、むしろ長い方がいいぐらいです。
退職するに至る説明では、問題に対して解決する努力をした説明は必須になります。
ステップ④ 短くまとめる
最後に、言い換えた内容を短くまとめます。だいたい3~4文程度を目安にしてください。内容を見ながら、不要な部分や優先順位の低い部分をカットしたり、コンパクトな言い方に変えたりしていきます。簡潔で論理的に書くことがポイントです。また、ステップ③でも触れましたが、文は長かったものを短くする方が、面接で追加の質問をされたときに答えやすいのでおすすめです。カットした部分がまさに質問の答えになることもあります。

転職理由が思いつかない場合もOK! まとめ方のポイント
選考に通るには、転職理由と志望動機の「一貫性」がポイントです。
どうしても転職理由はネガティブに、志望動機はポジティブになりがちなため、意識して一貫性を持たせる必要があります。
ポイント|嘘の理由を面接で言わない・履歴書に書かない
ポイント|ネガティブを避けポジティブに
ポイント|言わない範囲や内容を決める
ポイント|退職理由と転職理由・志望動機をつなげる
ポイント|問題解決のために努力したことに触れる
一つずつ解説します。
ポイント|嘘の理由を面接で言わない・履歴書に書かない
転職理由はネガティブな内容が多いため、悪い印象を残さないように嘘の理由を作ってしまう人がいますが、嘘の理由はNGです。実際の理由がネガティブな理由だったとしても、伝え方に気を付ければ問題ありません。むしろ、嘘の理由で仮に入社できたとしても、後の苦労は容易に想像できます。実際の理由をもとに、理解されやすい形にまとめる方がいいです。ただしそのまま言うのはNGで、面接官が納得できるよう言い換えることが大切です。
ポイント|ネガティブを避けポジティブに
実際の理由がネガティブだったとしても、愚痴で終わらせずポジティブに回答するように心がけましょう。そもそも不満や問題がなければ辞めるはずはないので、不満や問題に触れること自体はOKです。ただし、漠然とした不満を述べるのではなく、数値で説明するなどして、客観的に問題点が伝わるように言い方を工夫しましょう。(例:「残業が毎日4時間行われていた」など)
最終的に、退職・転職が前向きな理由であると分かるようにすればOKです。
ポイント|言わない範囲や内容を決める
転職理由で嘘はつかないと言っても、転職先でも同様に発生し得るような不満や問題については、面接官にマイナスの印象しか与えませんので言う必要はありません。特に人間関係の不満は、どこの企業でも起こり得ることですので、実際の理由だったとしても言わない方が無難です。
言わない範囲や内容は、準備の時点で明確に決めておくことをおすすめします。履歴書は時間をかけて何度も見直しすることができますが、面接ではそれができないためです。
ポイント|退職理由と転職理由・志望動機をつなげる
前向きさの話に関係しますが、今の会社を辞めて志望している会社に入社することにつながりを持たせてください。退職と転職・入社によって今の問題を解決することができると分かるようにまとめます。それには自分のキャリアプランや将来像を明確にし、転職先企業で実現可能かどうかを考える必要があります。キャリアプランと転職理由、志望動機に一貫性があり、整合性が取れているならば、おのずと面接官を納得させることができるでしょう。
ポイント|問題解決のために努力したことに触れる
今の会社の問題点について、解決しようと努力したことを説明します。退職・転職を考える前に、まずは今いる環境で問題が解決するように努力をする、それでも解決しないから転職をするという説明が必要です。それがないと受け身で単に逃げたいだけと思われてしまいます。解決のために努力をした内容はささいなことでも構いませんので、自分が問題解決のために自主的に動き、働きかけることができる人間であることを証明しましょう。
応募先企業を持ち上げすぎるのは逆効果?
好印象を持ってもらうために、応募先企業を持ち上げる人がいますが、「やりすぎ」には注意です。あまりに持ち上げすぎると単なるリップサービスと取られるリスクがあります。入社を希望する会社に対して、期待値を高く持つのは理解できますが、やりすぎると「どの会社にも同じことを言っているのでは?」と疑われかねません。

面接で転職理由を聞かれる理由
面接官が転職理由を聞く理由には以下があります。理由・意図を理解することで転職理由をまとめる際にも役立ちます。
自社をすぐ退職しないか見るため
自社にマッチするか見るため
自社への本気度を見るため
一つずつ解説します。
自社をすぐ退職しないか見るため
企業も採用する人には長く働き続けてほしいと思っています。そのため、前職を辞めた理由が人間関係など、どこにでもあり得ることが理由だと採用を避けられがちです。人間関係は実際の転職理由では多いのですが、言わない方が無難です。面接では、前の会社の退職理由は転職を希望する会社では起こり得ないことをしっかりと説明しましょう。完璧な会社はないので、同じ理由で自社も辞めてしまうようなことがないかを採用担当者はチェックしています。
自社にマッチするか見るため
採用担当者は転職志望者本人のキャリアプラン、スキルなどを見て自社にマッチするかを見ます。たとえ優秀だったとしても、自社で活躍できるかどうかは別の問題になるからです。例えば、外注が多いデザイン系の会社に、自分でデザインをしたいという理由で志望するのはミスマッチです。自身のキャリアプランや希望する働き方を見直すとともに、志望する企業の事業内容や方針、働き方などの研究をして、志望動機につなげる必要があります。
自社への本気度を見るため
企業は自社に対し、高い入社意欲を持っている志望者を採用したいと考えます。それは、入社後の貢献度を測る尺度になるためです。採用担当者は志望者が自社の研究をしているかどうかなどをチェックして、自社への本気度を見ます。また、志望者にとって自社が多数ある応募先の一つに過ぎないのかどうかの確認もします。その他、志望者が待遇面だけを見ている場合などは貢献してもらえない可能性もあるため、採用を見送られる可能性が高くなります。

OK理由とNG理由の違い
採用担当者に好印象を与えられる転職理由とそうでない理由の違いは、自社で働き続けられそうか、自社で活躍できそうかが採用担当者に伝わるかどうかがポイントです。すでに述べたポイント、嘘を言わない、前向きにまとめる、努力したことに触れるなどの点を守ればOKの理由になるはずです。そこに数字やデータを盛り込んで、客観的・ロジカルにまとめてください。最後に全体を通して、転職理由と志望動機に一貫性があるかを確認してください。また、転職理由は一つではなく複数あったり、複合的な理由であったりするものですが、すべてに志望動機までの一貫性を持たせるのは大変ですし、何よりアピールしたい点がぼんやりしてしまいます。漠然とした転職理由は、面接官にマイナスの印象を与えます。そのため理由が多い場合は、メインの理由に絞って伝わりやすくしましょう。
ネガティブ要素がある、どうすればいい?
転職にあたって以下のようなネガティブ要素がある場合はどうすればいいか心配な人もいるでしょう。
● 空白期間、ブランクがある
● 未経験の業種や職種に挑戦したい
● 転職回数が多い、前職をすぐに辞めている
それぞれの対処法について説明します。
空白期間、ブランクがある
履歴書の職務経歴に1カ月などの空白期間や、数カ月から年単位のブランクがある場合、面接官はほぼ確実に離職期間中に何をしていたか質問してくるでしょう。しかし、問い詰めて困らせる意図はありません。応募者に健康上の問題や特別な事情がないか確認するのが目的ですので安心してください。
人によって空白期間やブランクがある理由はさまざまですが、育児や介護、体調を崩した場合など何か働けない事情があったのであれば正直に答えてかまいません。ただし、現在問題は解消していて他の社員と同様に働ける状態にあることは必ず伝える必要があります。
一方、特別な理由はなく旅行や趣味に費やしていたのなら、転職に向けてリフレッシュしていたと伝えるとよいでしょう。さらにそこで得た学びや経験を次の仕事に生かしたいとつなげられればより効果的です。
ほかにも資格取得の勉強など離職期間中に意欲的に取り組んでいたことがあれば、積極的にアピールしてください。
未経験の業種や職種に挑戦したい
新卒と異なり中途採用では即戦力が求められるのが一般的です。もちろん未経験者でもOKな求人はありますが、もし同程度のポテンシャルを持つ応募者が複数人応募してきたとしたら、企業はきっと経験がある応募者を選ぶでしょう。このような事情から、転職において未経験の業種や職種に挑戦するのはハードルが高いと言われています。
一方で、とりあえず働いてみることでミスマッチに気付くことややりたい方向性がわかってくることもあります。現職での目標を達成したら別の景色が見たくなったとか、価値観の変わる出来事が起きてやりたいことが見つかったなど、きっかけはさまざまでしょう。
未経験の仕事に応募する際は、このような厳しい採用事情を理解した上でそれでも挑戦したいという強い熱意を伝えることが重要です。その上で、生かせるスキルや経験はしっかりとアピールしてください。例えばコミュニケーション力などはどのような企業でも重宝されるためおすすめです。
転職回数が多い、前職をすぐに辞めている
転職回数が多い場合や前職をすぐに辞めている場合は、「嫌なことがあるとすぐに投げ出すのでは?」というマイナスイメージを持たれやすくなります。まずはこの悪いイメージを払拭しましょう。
会社の経営悪化や体調不良、家族の事情などやむを得ない事情なら面接官も納得できます。キャリアプランの実現に向けたスキルアップも、いっときの感情に任せて無計画に転職を繰り返しているわけではないことが伝わるでしょう。むしろ一貫性があって向上心がある人物と判断されるかもしれません。
そして自分の持つスキルや経験を応募先でどう生かしていくか、どんな貢献ができるかを明確に伝えられれば、採用した後の活躍がイメージでき面接官の印象もよくなるはずです。
転職回数が多いのはデメリットばかりではありません。基本的なビジネスマナーや社会人マナーが身に付いていることや、豊富な実務経験があることで即戦力になれるなどのメリットもあります。覚えておきましょう。
退職理由・転職理由|将来性が疑問の場合の例文
現在の会社や業界の将来性に疑問を感じている場合は、それが個人的な思い込みではないことを面接官に分かるように説明しなければなりません。将来性がなさそうなことの妥当性を客観的に表現することで、面接官を納得させることができるでしょう。また、自分のキャリア形成を考えた結果として転職を選んだなどの前向きな印象を与えるように、改善のために努力してきたことにも触れて、より将来性がある企業で働きたいと思うに至ったという風にまとめましょう。
将来性が疑問の場合|OK例
【例文】
現在私は営業職で勤務しており、お客さまから商品の改善要望を多く受けています。上司に改善提案を出していますが、コストの問題から難しいとの回答が続いています。商品企画部への異動願も出していますが、こちらも人員配置の都合上難しいとの回答でした。御社はお客さまの声を生かした商品開発に力を入れていらっしゃるため、営業職で得た顧客ニーズを反映した商品開発・企画に貢献したいと考えております。
【解説】
新しいことへの挑戦に後ろ向きな会社にいても、改善のためのあらゆる努力をしていることが伝わります。またその結果により、顧客ニーズに沿った商品開発ができる会社への転職を希望するに至る経緯にも納得感があります。
将来性が疑問の場合|NG例
【例文】
私はエンジニアとして新規プロジェクトのシステム開発に携わっていましたが、会社の業績不振により事業規模が縮小され、新規プロジェクトも中止となってしまいました。熱意を持って取り組んできたために非常に残念でした。ここで修得した知識や技術を、今まさに事業拡大を進めている御社にて生かしたく思い、志望しました。
【解説】
会社の事業規模縮小に伴って不安になったことしか述べられていません。採用する側としては、会社にどのような貢献をしてくれるかが重要ですので、受け身ではなく、積極的に行動してくれる人を求めます。プロジェクトの中止という局面において、業績改善のためにどのような努力をしたのか、どのような打開策を考え実行したのか、という具体的な努力の内容が必要です。

退職理由・転職理由|年収・給与が低い場合の例文
年収や給与が低いことが転職理由の場合は、今給与が低い理由(例:評価制度など)を愚痴にならないように説明しつつ、転職がそれを解決する方法と分かるように組み立てましょう。「(自分があげた)実績に対して給与が見合っていなかった」という表現をすれば、実績を残す能力があることのアピールにもなりますし、現在・将来の家庭生活や仕事上の夢・目標につなげれば、給与アップを希望する理由に納得感があり面接官の理解もスムーズです。
年収・給与が低い場合|OK例
【例文】
私が勤務する会社では、年功序列制が基本であり、若手社員が大きな成果をあげても昇進や昇給は困難です。私自身、近い将来に家族を持つ予定があり、今の会社ではキャリアアップは難しいと判断しました。能力重視の成果主義をベースにインセンティブ制も採り入れられている御社に入社し、将来のキャリアアップを実現させたいと考えています。
【解説】
今の会社が年功序列制度を採用していること、近い将来に家族を持つ予定があることから、転職が必要であることが理解できます。家族を持つことは責任感を持って働くことにつながりますので、長く勤務してくれることが期待できます。また、成果主義の自社にて、自身のキャリアプランの実現に向けて積極的に貢献してくれることも期待できます。
年収・給与が低い場合|NG例
【例文】
今の会社では未だに年功序列制度が色濃く残っており、若手社員がいくら成果をあげても昇給や昇進はありません。御社には年齢や社歴によらない成果主義を導入されており、能力に応じたインセンティブもあると伺いました。社員の働きぶりを正当に評価してくれる御社にて、私の持つ営業スキルを生かして、御社に貢献したいと考えています。
【解説】
能力が給与に反映されないことへの愚痴に終始しているように感じます。年次によらず能力で評価してくれる会社へ転職したいという希望は伝わりますが、具体的にどのような貢献をしてくれるのか不明のため、入社後の活躍イメージが浮かびません。採用するメリットが乏しく、給与面でしか会社を見ていないように感じます。
退職理由・転職理由|キャリアチェンジしたい場合の例文
転職業界は新卒採用と違って実務経験が重視されます。そのため、今までの業種・職種から別の方向に変えたい場合は、「成長したい」という自分の希望よりも、企業が自分を採用することのメリットを伝えるようにしましょう。実務経験がないこと以上にメリットがあることを伝える必要がありますので、今の仕事で得た経験を、新しい仕事でどのように生かせるかを具体的にアピールします。あわせて志望する業界への理解があることも伝えてください。
キャリアチェンジしたい場合|OK例
【例文】
私は損保のコールセンターで勤務してきましたが、損保商品に関する照会応答を行ううちに、突発的な事故による損失を補填する損保だけではなく、お客さまの人生に寄り添い、トータルでサポートしたいと考えるようになりました。それぞれの人生におけるターニングポイントに保険という形で支援したいという思いから、生保募集人への転職を決めました。
【解説】
損保商品に限定した照会応答業務から損保生保の枠を超えてお客さまをサポートしたいと思うようになった過程に納得感があります。また、前職と同じコールセンターではなく、自らが保険募集人となってお客さまの人生に積極的に関わっていきたいという前向きな姿勢も生保募集人に必要なマインドアピールになっています。
キャリアチェンジしたい場合|NG例
【例文】
前職は営業職で訪問営業をメインに担当していましたが、お客さまと直に話をすることがあまり得意ではなく、帰社後に事務作業をしている時間の方が楽しいと感じていました。事務作業も得意なため、営業事務への転職を決意しました。営業部員の苦労を私自身が経験しているからこそ、営業事務として適格なサポートができると自信を持っています。
【解説】
営業が嫌だから事務に転職したいというネガティブな理由に聞こえます。その場合、営業事務に転職したとしても嫌になればすぐに辞めるのではないかと思われてしまいます。「事務作業をしていて楽しいと感じた」とありますが、具体的に営業事務のどういった業務に対して興味を持ち、得意と感じたかについて触れられていません。
退職理由・転職理由|キャリアアップ・スキルアップしたい場合の例文
キャリアアップ・スキルアップが目的の場合も、自分が「成長したい」よりも企業が自分を採用するメリットを伝えるようにしましょう。不満が強調されたり傲慢な印象を与えたりしないように前向きさや謙虚さ、勉強していることなどをアピールしてください。また、キャリアアップやスキルアップという言葉は人によって解釈が異なりますので、現在担当している業務や持っているスキルをどう成長させたいのか、具体的に伝えるようにしてください。
キャリアアップ・スキルアップしたい場合|OK例
【例文】
人事部で社員の労務管理を担当していました。専門性を高めるために社会保険労務士の資格も取得しましたが、ジョブローテーションが多く、3年ごとに異動が決定しています。私は多様な部署で経験を積むゼネラリストより、労務のスペシャリストになることを目指しています。御社に入社後は、高度な労務スキルを生かして働きたい所存です。
【解説】
「社会保険労務士の資格を取得した」と資格名を出すことで、応募先企業でどのような活躍が期待できるか具体的に想像ができる内容になっています。希望の働き方も明確で分かりやすいです。前職がゼネラリストを育成する方針を取っていたことについても、愚痴ではなく方向性の違いとして述べられており、マイナスの印象を与えません。
キャリアアップ・スキルアップしたい場合|NG例
【例文】
前職では一般事務としてデータ入力や書類の作成・処理などの業務をしていました。OA業務は一通りできますが、より重要な業務を担当したいと思うようになり、キャリアアップのため転職を決意いたしました。御社では年次に関係なく企画の立案から業務に携われると伺いましたので、これまでの事務経験を生かして、貢献したいと考えています。
【解説】
転職理由が「より重要な業務をしたい」と「キャリアアップのため」としか述べられておらず、漠然としています。目指すキャリアや身に付けたいスキルが先にあり、その目標のために転職が必要であるという構成にしなければ説得力がありません。新しい業務にこれまでのどのような事務経験が役に立つのか、具体的に述べる必要もあります。
退職理由・転職理由|残業が多い場合の例文
残業が多いことを転職理由にする場合は、具体的な数字(月〇時間、1日〇時間)などを入れて漠然とした不満にならないようにします。残業が多いか否かの判断基準は、主観が影響する部分が大きいため、客観的に判断できる数字を入れることで、採用担当者は志望者の希望の働き方が自社のスタイルにマッチするかを判断しやすくなります。最終的に、残業が多いことで通常業務、家庭生活や勉強時間などにどのような影響を及ぼしたかという結果につなげます。
残業が多い場合|OK例
【例文】
前職では、日中のほぼ全ての時間が会議で埋められており、通常業務は始業前か終業後に残業で行う以外にありませんでした。不要な会議の洗い出しを行い、情報共有のみならばメールや共有シートで代用するなどの改善案を出してきましたが、会議中心の文化は変わらなかったため、業務の効率化を推し進める御社に転職を決意いたしました。
【解説】
残業が多いという転職理由を、仕事の効率化を進めたいという前向きな理由に置き換えています。
「日中はすべて会議」「通常業務の時間が始業前か終業後にしか取れない」ことから、残業の多さに本人の能力は関係していないことがわかります。効率化するための具体的な提案内容も述べられており、採用後の働き方に期待が持てます。
残業が多い場合|NG例
【例文】
5人いたチームのメンバーが退職や長期休暇で抜けたことで2人で担当することになり、毎日終電まで残業をしても仕事が終わらない状況が続きました。人事へ欠員分の補充を働きかけましたが受け入れられず、自己研鑽の時間も取れないまま日々が過ぎていき、このままではスキルアップも望めないと思い転職を決意いたしました。
【解説】
突然の欠員という状況は不可抗力ですが、そこから残業を減らす努力をしなかったのか疑問を感じる内容です。人事への欠員補充を働きかけたとありますが、他人任せで主体的な改善努力が見られません。急な欠員に人員補充が追いつかないことはどこの企業でもよくあることですので、採用しても同じことが起きて辞めてしまうのではないかと思われてしまいます。

退職理由・転職理由|経営方針が合わなかった場合の例文
目指すビジョンや働き方、企業文化など経営方針が合わなかった場合の伝え方です。経営方針や社風は抽象的になりやすいので、より具体的な仕事の進め方などに置き換えましょう。例えば自分はどんな風にコミュニケーションをとりながら仕事を進めていきたいのか、という観点で具体例を挙げてまとめていくと伝わりやすいです。自分の働き方のスタイルに合っている志望先の社風に惹かれているという面にも触れると、より良い印象が得られます。
経営方針が合わなかった場合|OK例
【例文】
現職では社員同士の競争が重視されており、アイデアなどが共有されない状況です。しかし私は各自の経験から得た成功体験を共有したり、個人よりも会社として成長していけるように積極的にコミュニケーションを取ったりして仕事を進めたいと考えています。チームワークを大事にする御社の成長に貢献したいと思い、転職を決意しました。
【解説】
自身の希望する仕事の進め方が具体的に述べられており、現在の会社の社風、方針と合わないことが伝わります。前職と対照的なチームワークを大切にする志望先企業の社風に魅力を感じて転職を希望する、という流れにも一貫性があり納得できます。前職の企業風土に対しても事実のみを述べており、ネガティブになっていない点も好印象です。
経営方針が合わなかった場合|NG例
【例文】
前職では経理を担当していましたが、領収証の管理など昔ながらの仕事のやり方を変えない社風に私のキャリア目標や価値観が合わないと感じたため、転職を決意しました。業務管理の方法などに新しいツールを導入されている御社であれば、私のこれまでの経験から学んだスキルを生かして、自身のポテンシャルを最大限に発揮できると考えました。
【解説】
「領収証の管理など」とせっかく具体例を挙げていますので、どういう管理方法を取る会社だったのかまで触れるようにしましょう。その社風が自身のどのような価値観に合わないのか、どのように仕事を進めていきたいのかまで説明することができるといいです。また、持っているスキルの内容や志望先企業の方針の内容も具体的に述べてください。
退職理由・転職理由|人間関係が不満だった場合の例文
人間関係が不満だった場合の伝え方です。ただしすでに述べたように、上司や同僚が嫌といった人間関係に関することは、組織である以上どこの企業にいても起こり得ることなので、できれば理由にするのは避けたいです。どうしても人間関係を転職理由にするのであれば、パワハラ・セクハラなど客観的に見ても納得できるケースに限定した方が無難です。非合理さ・理不尽さを客観的に述べつつ、対処の努力をしたことをアピールしてください。
人間関係が不満だった場合|OK例
【例文】
前職ではチーム内のコミュニケーション不足により、成績は常に最下位でした。そのため定期的にチームミーティングを行ったり、アイスブレイクやイベントを採り入れたりして相互理解の改善を試みましたが、解消されませんでした。御社ではお互いの意見を尊重し、オープンなコミュニケーションを行いながら成長に貢献したいと考えています。
【解説】
人間関係の不満に焦点をあてずに、あくまでもチーム目標の達成を阻害する要因として人間関係の問題が述べられています。このように、たとえチーム内の人間関係の不仲が転職の理由であったとしても、そのまま伝えるのではなく、人間関係がよくないことが自身の働き方にどのような影響を与えているかをメインに伝えるようにしましょう。
人間関係が不満だった場合|NG例
【例文】
以前の職場は、分からないことがあっても質問させてもらえる環境ではなかったため、すべて自分一人で調べて処理するしかありませんでした。その結果、仕事がなかなか進まず残業が続きましたが、誰も手伝ってはくれませんでした。しかし一方で、私の仕事内容についてダメ出しばかりされるため、もう働けないと思い、転職を決めました。
【解説】
環境や周囲のせいにしており、コミュニケーション能力に問題があると捉えられてしまいます。状況の改善に向けてどのような努力をしたのか説明が必要です。忙しい職場であれば手が回らないことも充分に想定されることですので、このような理由だけだと採用しても同じような状況が起きたらすぐに辞めるだろうと思われてしまいます。
退職理由・転職理由|転勤が問題の場合の例文
近年はワークライフバランスや個人のライフプランに配慮した働き方が認められる時代のため、転勤ができないことが理由の場合は、率直に伝えてOKです。もちろん企業によっては今後の事業展開上転勤の可否が採用に関わるところもありますが、勤務地限定社員の制度やテレワーク(リモートワーク)が可能な企業も多くありますので、希望に合う企業を選びましょう。ただし、その場合でもできればキャリア形成への思いとつなげましょう。
転勤が問題の場合|OK例
【例文】
〇〇エリアへの転勤を命じられましたが、家族で話し合った結果、子どももまだ幼く、妻も仕事をしているため、転職を決意しました。私は長年、〇〇エリアで営業してきましたのでエリアの特性は熟知しています。築き上げた顧客ネットワークを生かし、私の得意とするエリアで御社の市場拡大および成功に貢献したいと考えています。
【解説】
転勤ができない理由として、「子どもが幼い」「妻も仕事をしている」という理由は、現代では受け入れやすい事情です。こういった事情は正直に話して問題ありません。その上で、「築き上げた顧客ネットワークで企業の成長に貢献したい」と自身の得意なエリアにおけるキャリア形成の意欲が述べられており、前向きな印象を与えます。
転勤が問題の場合|NG例
【例文】
現在私が勤務する会社は全国に支店があり、必ず一度は地方へ転勤することが通例になっています。私は世界中から様々なビジネスが集まる東京という都市で自身のキャリアプランを実現することを希望しているため、御社のエリア限定職への転職を志望しました。勤務地が東京であれば、どのような職種でも一から経験を積んでいく所存です。
【解説】
どのようなキャリアプランを持っているのか、なぜ東京でないと実現できないのかについて理由の説明がありません。個人のライフプランも尊重される一方で、やはり企業に忠実かどうかも採用する側としては重要な要素です。東京であれば職種を問わないというのもマイナス要素です。志望先企業への入社意欲が低いと判断されます。
退職理由・転職理由|業績悪化・リストラの場合の例文
業績悪化やリストラされたことが理由の場合は、業績改善など努力したことについて触れましょう。会社の業績悪化やリストラは、確かに自分の努力だけでは防ぎようがない部分もありますが、全くの無関係ではありません。営利企業の一員として働いている以上、会社の業績が上がるように貢献する責任があります。他責にしないことが重要です。また志望先企業において、これまでの経験をどう生かせるかについてもアピールしてください。
業績悪化・リストラの場合|OK例
【例文】
飲食チェーンを展開する会社で〇〇店の店長をしていましたが、業績悪化により店舗の閉鎖が相次ぎました。少しでも業績回復に貢献しようと私の〇〇店ではコスト削減、集客アップの施策を行った結果、最後の1店舗まで持ちこたえることができましたが、倒産は防げませんでした。この経験を生かして御社の店舗売上拡大に貢献したく存じます。
【解説】
「店舗閉鎖が相次いだ」と業績悪化の内容が具体的に述べられているので、転職理由が妥当であることが伝わります。会社全体の業績悪化という抗えない状況に対しても、自身の担当店舗において改善のためにできることを行っており、自社で採用後も一緒に苦難を乗り越えてくれるのではないかと期待してもらえる可能性が高いです。
業績悪化・リストラの場合|NG例
【例文】
会社の業績は悪化していましたが、経営陣は全く的確な方針を立てることができず、最終的に挽回不可能な状態まで追い込まれ倒産しました。この教訓から、優れた経営陣がいる会社に転職したいと強く考えるようになりました。かつての不況から会社を再建した素晴らしい功績を持つ御社にて、事業の発展に貢献したいと思います。
【解説】
倒産したことを経営陣のせいにしており、社員としての責任感に欠けます。会社は、業績アップや会社の発展に対し責任をもつ人を欲していますが、この内容からは何かあればすぐに会社や経営陣のせいにする人という印象しか伝わりません。自身の培った経験についても触れられていませんので、どのような貢献ができるのかも伝わりません。
転職理由を答える際の注意点~年代別~
本音の転職理由は、前述の「年代別調査 本音の転職理由」で説明した通りです。ここからは実際に面接官から転職理由を聞かれた場合にどのように答えればよいかについて、20代、30代、40~50代の3つの年代に分けてポイントを解説します。
労働条件の不満が理由になりやすい20代
20代の転職理由では、労働時間や休日等労働条件への不満が高い傾向がありました。転職理由を答える際は、労働時間の多さや休日の少なさを具体的な数字や頻度がわかる内容を入れて説明すると説得力が出ます。例えば「毎日深夜12時までの残業が常態化していた」「休日は毎週取引先との接待があった」などと言えば、休む時間が取れない状況であったことが十分に伝わります。
また、20代後半では仕事内容の不一致も多い転職理由でしたが、この場合はスキルや経験を積むために早めにやり直したいと説明すれば理解を得やすくなるでしょう。
30代は生活環境の変化を理由にまとめるとスムーズ
30代の転職理由では、職場の人間関係や給料等収入の少なさが多くなりました。ただし、人間関係の問題はどこの職場でも起こり得るため、他にも転職理由があるのであれば伝えない方が無難です。どうしても人間関係の理由を説明する必要がある場合は、「チームワークを大切にしている企業で働きたい」など伝え方を工夫しましょう。
また、30代は結婚、出産などのライフイベントが発生する年代であり、家族を支える責任感からより高い年収を求めて転職に踏み切る傾向があります。給料等収入の低さはこの年代の特徴的な転職理由でありそのまま伝えて問題ありません。
40代、50代の転職はいわゆる「ハイクラス転職」
40代、50代は人間関係や労働時間、休日等の労働条件への不満、そして仕事内容を理由として転職する人が多くなりました。ただし、この年代における「仕事内容の不一致」とは、20代が持つ理由とは事情が異なります。
40代、50代ともなればたいてい何らかの役職についている場合が多く、いわゆる「ハイクラス」での転職になります。ハイクラス転職では自分の持つ能力や実力に見合う、より高いポストを用意してくれる企業へ転職するのが一般的です。これまでの実績をまとめ、志望する仕事に自分が適していることをアピールしましょう。

履歴書と面接で理由に一貫性を持たせよう
履歴書は納得がいくまで書き直せますが、面接は言い直しができない上に回答を待ってもらえません。履歴書に書いた理由をしっかり頭に入れておかないと、面接で違う理由を話してしまって面接官を混乱させる危険もあります。面接官は履歴書と面接での話に整合性があるかを見ています。履歴書は時間を使ってまとめられるほか、面接より先に用意するので、履歴書を書くときに転職理由をまとめ、面接はそれをベースに話すようにするといいでしょう。
転職エージェントなら転職理由も添削OK
転職エージェントは、あらゆる面で転職活動をサポートします。履歴書作成についても多くの転職事例を知っているキャリアアドバイザーがアドバイスをくれますので、実際の転職理由を正直に話すと、一緒に考えながらうまくまとめてくれます。企業が魅力を感じる経験やスキルを持っているにも関わらず、自分では気付いていないケースは意外に多く、そういった見逃しもキャリアアドバイザーは防いでくれます。また企業が求める人物像について求人票には書かれていない情報を持っており、それをもとに履歴書に書く理由・面接の質問の受け答えの両方をサポートするので、履歴書と違う理由を面接で答えてしまうといったリスクも減らせ、選考に通過する確率が高まります。
転職なら転職サイトと転職エージェントのいいとこどり、ジョバディにお任せを
いかがでしたでしょうか。今回は採用される転職理由の作り方を転職理由別に紹介しました。よくある転職理由でOK例、NG例を紹介していますので参考にしてみてください。
ただし、就職や転職が初めての方にとっては、このような失敗しない履歴書作成から面接対策までを自分だけで行うことは大変かもしれません。
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