転職は難しい?成功につなげるポイントや業界別の難易度を解説
「転職活動って本当にできるのかな?」
転職を考えていると、転職の難易度の高さが気になるのは自然なことです。
実際には転職自体の難易度はそれほど高くないため、懸念が杞憂(きゆう)に終わることも少なくありません。
ただし、大手企業に入りたいなど転職先に強い希望がある場合は、入念に対策を立てて転職活動に臨む必要があります。
以下は本記事の大まかな内容となっています。
●経験と実績があれば転職も難しくない
●比較的転職難易度が低く転職しやすい業界:金融・コンサルティング、医療業界、教育業界、美容業界、観光業界、クリエイティブ業界、インフラ業界
●比較的転職難易度が高く転職しにくい業界:建築業界、IT業界、運輸業界、製造業界、接客業界、専門商社業界、自動車産業、メーカー、外食や小売業界、サービス業界、介護業界、不動産業界
●転職難易度を下げる方法:自己分析の徹底、計画的な転職活動、企業研究と求められる人材イメージ、長期的なキャリア設計、転職エージェントやキャリアアドバイザーの活用
転職活動中に気をつけるべきポイントや、ぜひ知っておきたい転職活動の難易度を下げる方法などを順次説明していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
転職を成功させるのは難しい?
転職を成功させるのが難しいという懸念について、一概にそうとは言い切れないでしょう。
そのポイントは2つあります。
・ 転職(中途採用)者に求められるのは経験と実績
・ 転職入職者数は緩やかに増加傾向
以降、詳しく解説していきます。
転職(中途採用)者に求められるのは経験と実績
転職をしたい場合は、企業の中途採用に応募することになります。
中途採用の市場では転職希望者が即戦力になれるかどうかやスキルの有無を見られるなど、社会人としての経験が非常に重視されています。就職希望先の業界や企業で活躍できるスキルや経験のない人が多い新卒採用に比べると、難易度が高い傾向にあるのは当然といえます。
その一方で、実績を重視するコンサルティングや外資系企業へ入るときは、新卒時と違い転職時の方がより確かな実績やスキルを示すことができるため、有利になるケースも少なくありません。
新卒では入るのが難しいとされている大手企業なども、同じ業界で経験や実績を積んで転職すれば入社できる可能性がある点は転職の大きなメリットです。
転職入職者数は緩やかに増加傾向
転職入職者数とは、文字通り転職活動で実際にどこかの企業に就職が決まった人数を指しています。
令和元年に公表された厚生労働省の調査「中途採用に係る現状等について(資料4)」を確認すると、転職入職者数は緩やかに増加していることがわかります。労働人口の大きな変動は特にないため、転職市場全体を通して転職成功者が増加傾向にあると考えられるはずです。
そのため転職自体はそれほど難しくはなく、むしろ社会的にはやや易化しているともいえるでしょう。
転職の難易度が高くなるパターン
以下は、転職を成功させるための難易度が比較的高くなるケースです。
・ 35歳以上であり早期のキャリア形成が難しい
・ 30代かつ仕事の経験・スキルに乏しい
・ 第二新卒かつ転職の理由が不明瞭である
・ 未経験の職種・業界を目指している
・ 前職より上のポジションが目的である
・ 大企業への転職を目指している
転職活動では社会人としての経験が重視されており、転職入職者数も増えている一方、なぜ転職の難易度が上がってしまうのでしょうか。
以降詳しく説明します。
35歳以上であり早期のキャリア形成が難しい
中途採用する企業にとって、キャリア形成は早期に行われるのが望ましいとされています。そのため中途採用とはいっても年齢を20代から30代前半までの募集に限定している会社は少なくありません。
35歳以上になると、ある程度キャリアが固まってきていることや企業の用意できるポストが空いていないことからそもそもの採用ニーズが少ないといえます。
特に未経験者を採用する場合は、教育コストの観点から可能なら第二新卒といった20代の採用を目指すことが多くなるため、間口が狭くなるということは頭に入れておきましょう。
30代かつ仕事の経験・スキルに乏しい
30代は、社会人としてベテランの位置づけになります。30代であっても仕事に対する経験がない、薄いと判断された人も採用ニーズが低くなります。
新卒や20代での転職であれば社会人経験はまだ薄く、採用後の育成にも猶予があるためポテンシャルが期待できます。ある程度のスキル不足や知識についてはリカバリーしやすいでしょう。
しかし、30代の転職者に対してはマネジメントなどチームをリードする役目を任せるため、業界経験を積んでおり、即戦力になりえる人材が求められます。
スキルや経験が足りておらず、企業の求めている人材像にマッチしていないと判断されてしまう場合には、30代での転職は厳しくなるでしょう。
第二新卒かつ転職の理由が不明瞭である
第二新卒とは20代で社会人経験3年未満の転職希望者の総称です。
第二新卒での転職市場では新卒時と同様に、社会人としての経験よりも熱意やポテンシャルを重視した採用が増えています。
しかし一方で転職の理由がはっきりしていないと、企業側は早期退職の不安を持ちやすいというネガティブな面もあります。
対策としては転職理由を明確にして、採用担当者に納得してもらえるよう準備しておきましょう。
未経験の職種・業界を目指している
現在働いている職場や職種とは全く無関係の職種・業界への転職は同職種・同業種への転職に比べて難しくなります。中途採用は即戦力を求めて求人を出している企業が多くを占めており、未経験者は企業側としてはスキルがないと予想されるため、育成コストやキャリアに対する懸念が出てきます。特に、職種を変えるのか不明瞭なままで転職活動を始めると、自分にマッチした企業となかなか出合えないでしょう。
転職したい理由を明確に説明できるよう準備が必要です。また、例えば営業職で培ったコミュニケーション能力をもとに接客業で活躍するなど、未経験であっても前職で身に付けたスキルを生かすこともできます。
自分のスキルや経験についてしっかりと振り返ることが大切です。
前職より上のポジションが目的である
前職より職場でのポジションを上げる目的での転職は難しくなるといわれています。
転職の結果、ポジションが以前よりも上になるということは珍しくないはずです。
ただ、企業にとっては、転職希望者のスキルや実績をもとに、まず即戦力としての採用ができるかどうかを判断しなければなりません。そのため、最初から昇進目的の転職は企業側に歓迎されないでしょう。
昇進目的で転職を希望する場合は、現職で確かな実績を得て、自分がいかに上のポジションにふさわしいか説明し、納得してもらう必要性があることを理解しておきましょう。
大企業への転職を目指している
転職の目的が大企業へ就職するというものである場合にも、注意が必要です。大企業でも中途採用の間口は広がっています。ただ、それでも実績やスキルが求めている人材の水準まで達していないと判断されることが多いのか、採用率は低めです。
また、大企業であれば中途採用だけでなく新卒からも人気が高く、多数のライバルを相手にすることになる点でも難易度が高くなっています。
転職先に大企業を狙うのであれば、これまでの実績や資格などを生かして周りと差別化を図るのが重要です。
転職難易度が高い業種・業界
以下、転職難易度が高い業種・業界を紹介します。
・ 金融・コンサルティング業界
・ 医療業界
・ 教育業界
・ 美容業界
・ 観光業界
・ クリエイティブ業界
・ インフラ業界
それぞれ見ていきましょう。
まず医療、教育、美容業界では資格を求められるため、資格がない人の転職難易度は必然と高くなります。とはいえ必須の資格が必要ではない職種も多くあるため、勉強次第で転職は可能です。
金融、観光業界では学歴が重視される傾向にあり、ほかの業界や職種から未経験での転職難易度が高めです。
クリエイティブ業界では資格や学歴は重視されず、人柄やポテンシャルをもとに評価されることも珍しくありません。ただ、そもそもの募集人数自体が少なく求人が見つかりにくい職種も多いため、転職先としては間口が狭いでしょう。
インフラ業界は新卒の社員を大事にする風潮が強く、中途採用の募集人数が少ないため求人が出ていないこともあります。
ただし、上記の業界への転職はあくまで難易度が高いだけであり、可能性がゼロというわけではありません。業界内での転職は活発なこともあります。
入念に準備したり専門性の高い資格を取ったりするなどの対策を打てば、転職のチャンスは十分にあるでしょう。
未経験でも転職を目指せる業種・業界
未経験でも転職を目指せる業種・業界を紹介します。
未経験でも転職をしやすい業種・業界は以下の通りです。
・ 建築業界
・ IT業界
・ 運輸業界
・ 製造業界
・ 接客業界
・ 専門商社業界
・ 自動車業界
・ 外食・小売業界
・ サービス業界
・ 介護業界
・ 不動産業界
建築、IT、運輸、外食、小売、介護業界は少子高齢化問題やニーズに対して供給が間に合っていないなど人手不足が顕著となっています。そのため未経験者でも積極的に採用し、研修制度や資格取得支援制度を充実させている傾向にあります。
製造、接客、サービス業界は特殊な資格や技術などが不要である職種が多くあります。一方で社会人として身に付けてきたビジネスマナーやコミュニケーション能力などで活躍することも可能で、未経験でも目指しやすい業界です。
専門商社は営業職としての採用が幅広く行われており、他業界からの転職者を積極的に受け入れています。実績とスキルがあれば、あとの専門的な知識は入社後に学べるため未経験からでもすぐ活躍できるでしょう。
自動車業界はITスキルがあれば、他業界からの転職でも目指しやすいはずです。
不動産業界は成果主義の風潮があり、未経験でも結果を出せると見込まれれば即採用につながります。もともと営業職であった方が不動産業界で生かせる資格を取得して転職することも珍しくありません。
どれも資格が特別に必要なく、前職の知識やスキルを生かしやすい業界となっています。
転職先としておすすめの企業・業界の特徴
以下の特徴を持つ企業や業界は、転職先としておすすめです。
・ 業績が良く経営が安定している
・ 新規事業・成長中の事業を行っており将来性がある
・ 大企業もしくは大企業の関連会社である
・ 労働環境が自分に合っている
・ 離職率が低い
・ 業界の有効求人倍率が高い
・ 業界が未経験者を歓迎している
・ 企業に長い歴史がある
すべてを満たしている必要性はありません。
自身の転職理由にマッチした特徴はどれか、ぜひ確認してみてください。
業績が良く経営が安定している
業績が良く経営が安定している企業は、倒産や経営難などの不安がなく転職できます。転職が決まってから入社後に経営難で賃金未払いだった、とならないよう企業分析をしっかりと行うことが求められます。逆に業績が良い企業であれば、新規事業への人材を求めて中途採用を行っていることも少なくありません。
また、経営が安定している企業では未経験から入社した場合も研修制度が充実している傾向にあり、転職後も安心して業務に取り組めるという点もメリットの一つです。
新規事業・成長中の事業を行っており将来性がある
業績が右肩上がりで特に成長中の事業は、事業の拡大などで人手不足になりやすいという特徴があります。
大企業であっても現行事業がうまくいって拠点数が大幅に増えていたり、業界自体の景気が伸びていたりすると、より事業の拡大を安定させるためにも大規模な中途採用を実施することがあります。
また、メガベンチャーや大手企業などで新規事業の立ち上げ時には、その規模を大きくするためにも数多くの人材が必要となります。既存の社員だけでは手が足りないため、即戦力を求めて中途採用への間口が広がりやすくなっています。
成長中の企業や業界の動向について、常に目を向けることが大切です。
大企業もしくは大企業の関連会社である
前述したように、大企業の求人は倍率が高いなどのデメリットがあるものの、一方で会社の安定性や、中途採用の社員に対する研修がしっかりしている可能性が高いという点で転職先としては非常に魅力的です。
ただ、大企業の倍率の高さや求人が見つからない点から応募が難しいという場合、大手企業の関連会社(グループ会社)へ応募するのも一つの方法として考えてみてください。
大手企業の関連会社は、給与や住宅手当などの福利厚生が親元の大手企業と同じ内容で受けられるケースも少なくありません。業績を残すことができれば将来親会社に出向できる可能性もあり、キャリアの将来性についても期待できます。
こういったメリットがある一方で、関連会社は親会社ほど競争率が高くない傾向にあるため、転職の可能性は高く、狙い目です。
労働環境が自分に合っている
働く上で譲れないポイントをあらかじめ洗い出しておき、それを満たしている企業なのかを確認することは転職活動において非常に重要です。
例えば「結婚を機にワークライフバランスをより重視した働き方をしたい」「家からの距離が大きく離れていない、通勤ラッシュを避けられるフレックス制の企業」といったように、譲れないポイントを満たしていれば働きやすく、転職後の満足度も高くなると考えられます。
特に、今の職場環境に不満を持って転職する場合は、転職した先で同じ目に遭って後悔しないよう慎重に確認しましょう。
離職率が低い
離職率が高い場合、入社しても早期に退職していく人が多い可能性が高いでしょう。
労働環境や賃金、福利厚生など企業の働きやすさは外から見ているだけではわかりにくいため、判断材料の一つとして業界や企業の離職率を確認することが大切です。
実際には離職率が高いだけで、企業の働きやすさや事業内容に問題がない可能性もあります。ただ、接客業などの入職率と離職率がともに高い場合には注意すべきでしょう。
業界全体の離職率と、希望する企業の離職率を比較して確認するのもおすすめです。
業界の有効求人倍率が高い
業界選びの際に、業界全体での有効求人倍率の高さを確認するのも一つの方法です。
有効求人倍率とは、転職希望者一人あたりの求人数です。例えば100人の転職希望者がいて求人が150人であれば、有効求人倍率は1.5倍となります。
有効求人倍率が高いということは転職希望者に対しより多くの求人があるということです。
有効求人倍率が高ければ求人が見つけやすく転職のハードルが下がり、転職が成功する可能性が高くなります。
業界が未経験者を歓迎している
未経験者を広く受け入れている業界は、スキルや資格を問われないため比較的転職しやすいとされています。例えばIT業界であればエンジニアとしての研修制度が充実しています。小売業などの販売職といった職種は特別なスキルを必要としておらず人手不足のため積極的に人材を受け入れています。
もし転職が難しい業界にチャレンジする場合は、企業が育成コストと早期のキャリア形成を考えてできるだけ若い人材を求めていることからも、20代での決断がベストでしょう。
また、有効求人倍率の高さと併せて考えると、若い未経験者を積極的に求めている業界なら、さらに転職成功率が高まります。
企業に長い歴史がある
歴史が長い企業の場合、多くはマニュアルが完備され、ノウハウも確立されており、転職者への対応がスムーズとなっています。業績を出し続けている企業として考えると、転職先としても安定しています。
未経験で入った場合もマニュアルやノウハウをもとにしっかりしたフォローが期待できるため、未経験の業界を選ぶ場合や、第二新卒などで社会人経験自体が浅い場合は特におすすめです。
未経験からの転職の難易度について知っておきたいこと
前述してきたように、基本的に企業は中途採用では即戦力を求めています。
ただ、近年はキャリアの多様化や人材不足が進み、中途採用でも未経験者を積極的に受け入れる企業も出てきています。
実際のところ、企業にも未経験者を採用するメリットはあります。
例えば応募者が増えてポテンシャルの高い人材に出会いやすくなります。
また、未経験でも応募してくる人にはその職種や業界を諦めきれずにいる人も含まれるので、モチベーションが高い人が多い傾向にあるでしょう。
もちろん経験がないことは企業も募集をかけた段階で理解しているため、未経験での転職を希望する場合は熱意とパーソナルスキルをもとにしたポテンシャルをアピールすることが難易度を下げるポイントとなります。
では、転職者側には未経験で転職するメリット・デメリットはどのようなものがあるか、それぞれ見ていきましょう。
未経験で転職するメリット
未経験での転職で最も大きなメリットは、現職や前職とは全く異なる新しいスキルを身に付けられ、自己成長・スキルアップにつながる点です。
また、業界や職種を変えることで知識やスキルに幅ができ、新しい視点やアイデアが得られるなど、自分の視野が広がる点も挙げられます。
ほかにも、転職をきっかけにやりたいと思っていた新しいことにチャレンジできて達成感を得られるため、働くモチベーションにつながります。そうすると業績を出しやすくなるでしょう。
全体として新しい経験や知識、スキルをもとにキャリアの展望や人間性が広がるというメリットがあります。
未経験で転職するデメリット
未経験での転職を行った場合、次の職場では業務内容や働き方がガラッと変わり、新しいスキルの習得に時間・労力が必要となります。
労働環境も変化する場合、それに慣れるまで時間・労力が必要になる点については理解や覚悟が必要です。
入社してから柔軟に業務へ取り組めなければ、「こんな仕事だと思っていなかった」「労働環境の違いについていけない」と、転職を後悔する結果になってしまうかもしれません。
また、未経験での転職は初めは業績をほとんど出せないでしょう。今までの実績や社会人経験が無駄になるわけではありませんが、それでも同年代と比べて昇給・昇進が遅れるリスクがある点にも注意が必要です。
第二新卒の転職の難易度について知っておきたいこと
現在、終身雇用の時代が終わりを迎え、中途採用や転職が珍しくない社会となってきています。第二新卒についても、大企業をはじめとした多くの企業が積極的に採用を始めています。
第二新卒は、入社研修でビジネスマナーを身に付けており、同時に新卒並みに若く柔軟性があると企業は考えているため、教育コストなしに柔軟な社員が得られるのが企業にとってメリットとなっています。
新卒採用と同じ枠組みで転職することも、そもそも第二新卒のみの採用を行う企業も出てきています。そのため、第二新卒での転職活動は難しくはないでしょう。
第二新卒で転職するメリット・デメリットも解説していきます。
ぜひご参考にしてみてください。
第二新卒で転職するメリット
社会人としての経験が少ないため、第二新卒での転職の多くはポテンシャル採用をしてもらえます。中には第二新卒の枠組みのみで中途採用を行う企業も出てきています。
未経験だったとしても転職難易度が比較的低いという点は、第二新卒で転職活動を行うメリットといえるでしょう。
また、第二新卒向けの研修が充実している企業もあります。第二新卒は、以前の企業でのやり方に染まっておらず、若く柔軟性があると評価されることも少なくありません。こういった理由から未経験で新しい業種・職種にチャレンジしやすい第二新卒での転職は、転職市場においてキャリアチェンジしやすい非常に大きなメリットを持っています。
第二新卒で転職するデメリット
第二新卒は新卒3年未満の転職希望者層を指します。
「転職するにしろ3年間は我慢した方がよい」という考えを持っている方には早期退職のリスクを疑われるというデメリットがあります。
また、第二新卒はビジネスマナーが身に付いている前提扱いで、もし研修内容を覚えきれていない場合や新卒入社した企業を数週間~数カ月で離職している場合、ビジネスマナーもないと企業側に思われてしまうリスクもあります。第二新卒の強みは「若く柔軟性がありつつ、ビジネスマナーなど最低限の研修を終えておりビジネスについて常識を有している」という点です。
そのため「実績ができた」「労働環境が悪く辞めても仕方ないと納得してもらえる」などの状況になければ、入社後1年は離職を控えた方がよいでしょう。
大企業への転職の難易度について知っておきたいこと
転職を考えた際、大企業を目指したいと思った方も少なくないでしょう。
大企業は転職の求人数自体が少ないのに対し人気が高いため、競争率が高くなっています。
ただし大企業も、例えば新規事業のためであったり、既存事業の拡大のためであったりという理由から中小企業ほどではないものの転職入職者が増加傾向にあります。
大企業への転職を目指す人向けに、特に覚えておくべきポイントを解説していきます。
メリットとデメリットに分けて考えていきましょう。
大企業に転職するメリット
大企業に勤めるメリットとしてよく挙げられるのが、企業年金や保険などはもちろん、リフレッシュ休暇などの制度や社宅完備など福利厚生が充実していることです。
大企業は会社の規模が大きく安定していることから、給与やボーナスが高い傾向にあります。ここに、住宅手当などが上乗せされる企業もあるため、生活に安定感が増します。
基本的に何をしている会社なのか知っている人が多く、社会的信用度が高い傾向がある点も非常に大きなメリットです。ローンの審査が通りやすくなり、人生設計をより一層組み立てやすくなるでしょう。
また、働き方についてフレックス制やテレワークの活用などを推進している企業も少なくありません。企業によってはライフワークバランスを重視した働き方を実現することも可能です。
大企業に転職するデメリット
大企業は従業員の数が多いため社内でのライバルの数も多くなるという点はデメリットといえるかもしれません。
転職であれば同年代に限らず、年下の後輩も昇進争いに加わってきます。
キャリアアップを狙うのであれば、相当の努力が求められるでしょう。
また、大企業は従業員数が多いため意見が通りにくい可能性があります。
何かしら改革を推し進めようとしても手続きが必要で、意見が実際に反映されるまで長い期間がかかると思われます。
特に社風や企業理念を大切にしている企業では、社風に沿わない意見を言いだしにくいでしょう。
異業種への転職の難易度について知っておきたいこと
異業種への転職を考えるときは、職種と組み合わせて分析することが大切です。
異業種への転職をさらに分ければ、異業種×経験職種、異業種×未経験職種の2種となります。なお同業種も同じように、同業種×経験職種、同業種×未経験職種があります。
異業種×未経験職種の難易度が高いのは、業界についての知識もなければ業務内容もガラリと変わってしまい、何もかも完全な未経験からのスタートとなってしまうためです。
例えばメーカーの経理職からサービス業の経理職といったように、異業種×経験職種の方が転職しやすく、その後活躍できる可能性が高いでしょう。
ただ、いろいろな調査を見ても転職者の半数以上が異業種転職となっており、決して難易度は高くないともいえます。
そのほか、パーソナルスキルや業種を問わず役立つスキルを棚卸ししてアピールできれば、転職の難易度は下がります。
では、実際に異業種への転職はどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
異業種に転職するメリット
異業種への転職で最も大きなメリットとしては、やりたいことにチャレンジできるという点が挙げられます。業務内容により集中でき、モチベーションが上がるため業績を残しやすく仕事へのやりがいも得られます。
また業種が新しくなれば業務をこなしながら新しいスキルや知識などを習得でき、スキルアップにつながります。次の転職のときにも自身の価値を高められる点でもメリットといえるでしょう。
給与水準が現職より高い業種に就くと待遇が良くなることもあります。
異業種に転職するデメリット
異業種への転職のデメリットは、採用枠が少なく採用される可能性が低くなることです。
現在の業種で得た専門的な知識を生かすことが難しくなり、新しい業界の知識を初めから勉強する必要があります。前職で得た知識やスキルをどれほどアピールをしても効果が出ないことも少なくありません。
同業種同職種の転職希望者に比べると、どうしても即戦力としての見込みが薄くなる点には注意が必要です。
また、メリットの面でも記述したように、現在の業種の方が転職先の業種より給与や福利厚生などが高水準の場合は給与など待遇が悪くなることも考えられます。
ほかにも、実際に働いてみてから「イメージと違った」「即戦力になれず活躍できない」といった後悔や不満を抱くかもしれません。
転職の難易度を下げて成功させるコツ
ここからは転職の難易度を下げ、転職を成功させるコツを解説していきます。
・ 自己分析を徹底する
・ 計画的に転職活動を行う
・ 企業研究を行い求められる人材をイメージする
・ キャリア設計に長期的な目線を持つ
・ 転職エージェントやキャリアアドバイザーなどの力を借りる
上記のコツを意識して、転職活動を進めていくのがおすすめです。
一つずつ解説していきます。
自己分析を徹底する
まずは転職の理由や転職先で実現したいことを明確にするため、自己分析から始めます。
自己分析すると、「今より残業の少ない職場がよい」「より人と関わる職に就きたい」といったように、自然と転職先に求める条件が定まっていきます。
自己分析をしない場合、なぜ転職をしたいのかという本来の目的を見失ってしまったり、自身と合わない社風の企業に転職してしまったりするリスクが高まるため、必ず自己分析をしましょう。
特に大企業などの転職難易度の高い企業に就職するには、志望動機の明確化が重要です。
給与や福利厚生などの条件面だけの志望理由では「内定を出してもほかにもっといい待遇を出す企業に行ってしまうのでは」と考えられてしまい、内定をもらうのは厳しいため、なぜその企業で働きたいのか、どのように活躍したいかをはっきり話し、実際にその企業に貢献できることをアピールするようにしましょう。
計画的に転職活動を行う
転職活動を始める前に、おおよその期間を決めてスケジュールを立てるのも大切です。
まず転職先への仮入社日を決め、そこからリサーチ期間や応募期間を逆算していくことでスケジュールを組み立てやすくなります。
また、退職日も見えてきて、辞表提出のタイミングや引き継ぎのタイミングなども決めやすくなります。
転職活動の期間は人それぞれではあるものの、目安としては1~3カ月程度です。
計画的に転職活動を行わなければ転職活動が長期化するリスクがあります。在職中での転職活動であれば負担が増え続けますし、退職してからでは生活面に不安が出てきてしまうため、しっかりとスケジュールを立ててください。
企業研究を行い求められる人材をイメージする
実際に企業の募集へ応募して採用試験を受ける前に、その企業が求めている人物像をよく理解しておくために企業研究を行います。
企業研究を念入りにすると、社風や労働環境、企業の求めている人材像が明確になり自分とのマッチング具合や求められている強みがわかるようになります。すると自身のスキルや経験でどの部分をアピールすればよいかを把握できます。
求人の各項目をよく読み込むと、「未経験歓迎」といったように求められているスキルレベルや役割がつかめるはずです。
特に大手企業の選考は経験やスキルのアピールが重要になるため、必ずその企業が求めている人材像と自身の強みとのマッチしているポイントを探しましょう。
キャリア設計に長期的な目線を持つ
転職は何度も行うことが可能です。
一つの転職活動期間中に志望度の高い企業から内定をもらえなかった場合には、一度別の企業に転職して経験を積んだり資格を取ったりしてから、あらためて希望企業を目指すというのも一つの方法です。マネジメントや事業の立ち上げなどを経験し、他の人材との差別化を狙うことも可能です。
目の前のことだけでなく、あらかじめ長期的なキャリアプランを設計しておくと、迷ったときに決断しやすいでしょう。
また、実際にキャリアの長期的な目線があるかどうかを面接でも質問されるため、その準備にもなります。
転職エージェントやキャリアアドバイザーなどの力を借りる
転職エージェントは、転職活動をサポートしてくれるサービスです。具体的には企業へ提出する履歴書の添削や面接対策などだけでなく、自分に合った求人を紹介してもらえます。
キャリアの棚卸しでも、自身が思ってもいなかった強みを見いだしやすくなりますし、企業や業界の詳細な情報を把握しているため選考の具体的な対策を練ることができます。また、自己分析で明確にした企業に求める条件を転職エージェントに伝えることで、その条件に沿った求人探しの手伝いをしてくれます。
一人での転職が難しいと思ったら、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
特に、第二新卒など社会人経験が浅く、転職活動に自信が持てないケースでは、ぜひ活用してみてください。
転職難易度が上がる原因
以下は転職活動で難易度が上がってしまう原因です。
・ ネガティブな退職理由を面接で話してしまう
・ 退職してしまってから転職活動を始める
・ 企業ごとの選考対策がおろそかである
・ 待遇や条件だけで企業選びを行っている
上記の詳細と対策をそれぞれ一つずつ見ていきましょう。
ネガティブな退職理由を面接で話してしまう
「前の職場での人間関係が合わなかった」「仕事にやりがいを持てなかった」など、面接でネガティブな退職理由をそのまま話すことは、採用担当者に「また辞めてしまうのでは?」と思われるリスクが高まってしまいます。
前職の退職理由はポジティブに変換して伝えるのが得策です。
例えば「仕事にやりがいを持てなかった」という理由は「社会人として経験を積む中でより自分が挑戦したい仕事を見つけた」といった形に言い換えられます。
中途採用を募集している以上、転職希望者が現職に何か問題があって応募していることは、企業もわかっています。
面接官が知りたいのは退職理由だけではなく、退職に至った経験を自社でどう生かすつもりなのかという点です。
どんなに前の職場が客観的に見て悪い環境でも、あくまで自分に至らないところがあったという姿勢を見せるとよいでしょう。
退職してしまってから転職活動を始める
退職後に転職活動を始めると、収入面の不安から早く転職先を決めなければ、という無用の焦りを生み出してしまう可能性があります。すると、結果として「条件は望んでいたものではなかったけれど」「本当にやりたい仕事ではないけれど」と、妥協して転職先を選んでしまうリスクが高まります。
また、「前職の方が良い待遇だった」と前職の良さに気づいても、一度退職してしまっていると戻るのは難しいでしょう。
また、退職してからの転職活動は、応募先にも計画性や仕事への熱意といった面に欠けているのではと、ネガティブな印象を抱かせるリスクがあります。
可能であれば退職してからではなく、在職中に転職活動を行いましょう。
企業ごとの選考対策がおろそかである
企業に合わせた選考対策は、その企業へ入りたいという意欲や熱意を伝えるためにも必要です。自己PRや志望動機の使い回しは、採用担当者にすぐ見抜かれてしまいます。
その業種・職種、その企業でなければならない理由を伝えられなければ、採用担当者には響きません。
企業ごとに異なっている特徴があるため、その企業がどのような人材を求めているのかを把握し、自分の強みでどの部分をアピールすればよいかをしっかりと認識しましょう。
その上で、自身が面接で何を話すかをあらかじめ用意することが大切です。
待遇や条件だけで企業選びを行っている
前述してきたように、選考で待遇や条件のことばかり話していると、「より良い条件を提示しているほかの会社でもよいのでは」とネガティブな印象を持たれる可能性が高くなります。
もちろん、待遇面や条件面が転職理由になることもあります。しかし、それだけを志望理由とせずに、ほかの企業ではなくどうしてもそこでないといけないと感じられるような志望動機を準備しておきましょう。
また、企業選びの際にも条件や待遇のみで企業を選んでしまうと、自身に合わない成果主義の企業へ入社してしまったり、業務内容がハードで自身の生活や精神に影響を及ぼしてしまったりという可能性も考えられます。
企業の条件や待遇を大切にしつつ、どの企業が自分と最もマッチしているかを探しましょう。
転職の成功確率を上げるならジョバディを利用しよう
転職はそこまで難易度の高いものではありません。
自己分析と企業研究をもとに、応募した企業に合わせて自身の転職理由や志望動機のアピールポイントを変えることが大切です。
また、異業種といった未経験での転職はなるべく早い動き出しが理想です。
転職活動に不安がある方はジョバディをご活用してみてください。
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働きながらの転職活動となると時間が足りないかと思われます。専属のキャリアアドバイザーが付き、転職理由の相談や実際の求人紹介など、必要に応じた部分的なサポートを得意としているジョバディをぜひ活用してみてください。
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