手取り20万円は額面・年収だといくら? 生活ぶりや収入向上の方法も解説

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手取り20万円は額面・年収だといくら? 生活ぶりや収入向上の方法も解説

手取りが20万円と聞いても、給与の額面金額や年収を答えられない人は多いものです。

そして、同じ手取り20万円の月収でも、居住エリアや世帯などの状況によって、暮らしぶりは異なります。

まずは手取り20万円がどのような状態かを理解して、必要であれば収入アップを目指すことをおすすめします。

●手取り20万円は月収にして27万円程度
●手取り20万円は平均的な収入に比べると低めの水準
●車やマイホーム購入はギリギリ可能だが、結婚や育児は難しい
●節約や収入アップの方法を実践すれば生活に余裕が出る

この記事では、上記のそれぞれについて詳しく解説します。

順を追って読んだ方が理解しやすい流れになっていますが、気になるところだけを拾い読みしても参考になる内容になっています。

手取り20万円の額面や年収は?

手取り20万円の場合の給与の額面や年収は、いくらぐらいなのかについて、まず解説します。

ボーナスがある場合の年収や、手取り20万円の場合所得の控除額などについてもまとめていますので、参考にしてください。

・「手取り」と「額面」はどう違う?
・額面・手取りの早見表
・【参考】額面と手取りの関係は給与明細からわかる
・ボーナスがある場合の年収
・手取り20万円の控除額の内訳
・正社員とアルバイトの違い

上記について、それぞれ見ていきます。

「手取り」と「額面」はどう違う?

額面とは、給与に交通費や住宅手当などの手当を加え、税金や社会保険料を差し引く前の支給額を指します。

一方、手取りはこの額面から税金や社会保険料などが天引きされた金額で、実際に受け取る金額です。

額面から差し引かれるものには、健康保険料や厚生年金保険料、所得税などが含まれます。月収が額面で30万円の場合、各種保険料や税金が差し引かれることで、実際に受け取る手取りは額面より少なくなります。

手取り額を知ることで、自分の生活に見合った支出計画が立てやすくなるため、額面と手取りの違いを理解しておきたいものです。

額面・手取りの早見表

一般的に手取りは、額面金額の75%~85%程度とされています。

額面(円)手取り(円)
200,000150,000
230,000172,500
250,000187,500
270,000202,500
300,000225,000

手取りが20万円の場合、額面の月収は約25万円~27万円が目安です。年収としては額面300万円~324万円程度になります。これは、額面から健康保険料や厚生年金保険料、所得税などが引かれるためです。

手取りの概算は早見表がなくても可能で、額面の約7~8割を想定するとよいでしょう。手取り額を把握することで、生活費や貯蓄の計画を立てやすくなります。

【参考】額面と手取りの関係は給与明細からわかる

給与明細を見ると、手取り額と額面の両方が確認できます。

明細には、基本給与や各種手当の支給額、社会保険料や税金などの控除額、そして差引額(手取り)がすべて記載されています。

毎月の税金や保険料は大きく変動しないため、これらの金額を把握しておくと、給与明細がなくても額面から手取りの概算ができるようになります。

一方、手取りから額面を計算する場合は、厚生労働省などのデータから保険料や税額を調べて加算することで算出が可能です。

ボーナスがある場合の年収

ボーナスが支給される場合には、月の手取り額が同じでも、ボーナスの制度によって年収は変化します。

ボーナスの有無や支給回数、計算方法など、ボーナス規程は会社ごとに異なります。

ボーナスの金額は「基本月給×〇カ月分」で計算され、夏と冬の年2回に支給される場合が一般的です。

しかし、企業によってはボーナスがない場合や、業績に応じて額が決まる場合もあります。

正確に年収を計算するためには、まず自社のボーナス制度について調べておきましょう。

手取り20万円の控除額の内訳

手取り20万円の控除額の内訳について解説します。
控除額には、税金や社会保険など複数の項目があります。それぞれ、どういった目的で控除されているか説明しているので、参考にしてください。

・健康保険
・厚生年金保険
・介護保険
・雇用保険
・所得税
・住民税

上記について、一つずつ見ていきます。

健康保険

傷病時の治療に充てられる保険料は、本人だけでなく扶養家族の傷病もカバーします。

この保険料は、平均月給に応じて等級が定められ、月収に応じて変動します。保険料は会社と従業員で折半します。

例えば、東京都の場合、月収30万円の場合は30,000円程度です。

勤務地や加入している保険組合によって保険料額が異なるため、自身の条件に合わせて確認することが必要です。

参考: 全国健康保険協会 令和6年3月分からの健康保険・厚生年金保険料額表
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r6/ippan/r60213tokyo.pdf

厚生年金保険

公務員や会社員が加入する公的年金として、厚生年金があります。

これは、平均月給に基づいて等級が決まり、月収に応じて保険料が変動します。

保険料は会社と従業員で折半し、東京都で月収30万円の例で見てみると、月々の厚生年金保険料は約55,000円で、会社と従業員がそれぞれ約27,450円ずつ負担します。健康保険と共通点が多いですが、負担額は厚生年金の方が高めです。

介護保険

介護保険は、介護に備えるための保険で、40歳から加入が義務付けられています。

保険料の支払いは40歳からで、40歳未満は控除対象にはなりません。

また、保険料額は毎年変動するため、固定額として計算できません。例えば、東京都での2023年度の介護保険料率は約1.6%で、月収30万円の場合、月々約5,000円が介護保険料として差し引かれます。

このように、年齢や地域によっても異なるため、最新の保険料率を確認することが大切です。

雇用保険

雇用保険は、休業や失業時に給付を受けるための保険です。給付額は定期的に見直され、事業の種類によっても負担率が異なることがあります。

保険料は事業者と本人の双方で負担しますが、事業者側の負担割合が高く設定されています。

2023年度の一般事業の雇用保険料率は1.55%で、うち従業員負担が0.6%です。
月収30万円の場合、従業員は月々約1,800円を支払います。

参考: 厚生労働省「令和6年度の雇用保険料率」
https://www.mhlw.go.jp/content/001211914.pdf

所得税

年収にかかる税金には所得税があり、給与から差し引かれる「源泉徴収」と、年末に実際の税額と差し引きを調整する「年末調整」で、納税額が調整されます。

源泉徴収は見込みでの税額で、毎月の給与から一定額が差し引かれ、源泉徴収税額表に基づき決定されます(表は毎年更新)。

参考: 国税庁 源泉徴収税額表:
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2023/data/all.pdf

例えば、年収400万円の場合、月収33万円で扶養なしだとしたら、源泉徴収は8,000~9,000円程度です。

年末調整により、1年間の実際の所得税額との差額が精算され、払い過ぎた場合は還付、足りない場合は追加徴収されます。

なお、期限付きの「定額減税」が適用される年もあり、税負担が一時的に軽減される場合があります。

住民税

住民税は、住んでいる地域社会に対する税金で、前年の所得に基づいて額が決まります。ただし、一定の所得基準を満たさない人には支払い義務がありません。

年収400万円の場合、住民税はおおよそ年間15〜20万円程度が目安です。

ただし、住民税にも基礎控除や扶養控除、社会保険料控除などがあり、これらの控除後の課税所得額によって最終的な税額が決まります。

収入や控除の条件によって実際の税額は変動することを知っておきましょう。

正社員とアルバイトの違い

アルバイトと正社員では、月々の手取りが同じであっても年収に差が出る傾向があります。

これは、正社員にはボーナスが支給される場合が多い一方で、アルバイトにはボーナスがないか、支給されても正社員と同額ではないことが多いためです。

また、社会保険に関しては、アルバイトであっても一定の条件を満たせば加入することがあります。

社会保険は、雇用形態に関係なく、勤務期間や労働時間に基づいて加入が決定されるため、結果として正社員と同様の控除が発生します。

そのため、収入面ではボーナス分を含む正社員の方が多くなるケースが多いといえます。

「手取り20万」は多い?少ない?

手取り20万円は、収入として、どのレベルに位置するのかをまとめています。
年代や性別など、属性別に見た場合も紹介していますので、参考にしてください。

・「手取り20万円」の水準
・年代から見る「手取り20万円」の水準
・男性の場合の「手取り20万円」の水準
・女性の場合の「手取り20万円」の水準

上記について、それぞれ見ていきます。

「手取り20万円」の水準

日本の平均年収と比較すると、「手取り20万円」の収入は平均よりも少ない部類に入ります。

月々の手取りが20万円の場合、控除前の年収は約300万円となり、仮に年に2カ月分のボーナスが支給されたとしても年収は約360万円です。

令和5年の厚生労働省のデータによれば、給与所得者の平均年収は約460万円とされており、これには届きません。

そのため、生活費や将来の貯蓄を考慮すると、不安を感じる人も多いでしょう。年収が平均を下回る場合、生活の安定や資産形成にも影響が出るため、自分の収入に見合った生活設計や将来的なキャリアプランの見直しが重要です。

年代から見る「手取り20万円」の水準

データによると、手取り20万円の層が多く分布するのは20代後半です。

この年代では手取り20万円は、平均的な収入であり、あせる必要はあまりないでしょう。

しかし、30代以降になると手取り20万円を超える人が増加し、多くの人が収入アップを果たしています。

30代以降でも手取り20万円に留まる場合は、相対的に年収が低いと感じることが多いかもしれません。

キャリアや収入の伸びが30代で大きくなることが一般的であるため、20代のうちにスキルを磨き、将来的な収入アップを見すえたキャリア設計が重要です。

男性の場合の「手取り20万円」の水準

男性の場合、手取り20万円は20代前半に多い水準です。

20代後半から段階的に収入が伸びてきて、手取り20万円を上回るようになる傾向にあります。

また、男性の場合、30代で昇進、昇給して、年収が大きく伸びるのが一般的です。

したがって、30代以降で手取り20万円に留まる場合、収入は相対的に「低い」といえるでしょう。

女性の場合の「手取り20万円」の水準

女性の場合、手取り20万円は平均的な水準です。

令和5年のデータによると、女性の平均年収は316万円で、男性の平均年収569万円を下回ります。

女性の平均年収が低いのは、ライフステージの変化が影響しています。

男性と同様に、空白期間なくキャリアを積んでいる場合、女性も年代相応の収入を得ることが期待されます。

もし休職などを経ずに働き続けている場合、30代以降で手取り20万円は相対的に少ないといえるでしょう。

「手取り20万円」の生活ぶりは?

手取り20万円の生活は、住居形態や家族構成などの状況によって、変わってきます。
生活費の内訳の例も紹介していますので、参考にしてください。

・独身独り暮らしの生活費内訳
・独身実家住まいの生活費内訳
・パートナーと二人暮らしの生活費内訳
・手取り20万円で貯金は可能?
・手取り20万円で車は購入できる?
・手取り20万円でマイホームは手に入る?
・手取り20万円で結婚はできる?
・手取り20万円で子育てはできる?

上記について、一つずつ見ていきます。

独身独り暮らしの生活費内訳

独身で東京に住む一人暮らしの場合、生活費はさまざまな要因により異なりますが、一般的な内訳は以下のようになります。

一人暮らしの生活費内訳(例)

項目金額(円)
家賃80,000
光熱費15,000
通信費10,000
食費30,000
合計135,000

上記の固定費を合計すると、毎月の生活費は約135,000円となります。
この金額は、独身の一人暮らしをする上で必要な最低限の給与額を概算するための参考例です。
家賃は地域や物件によって異なりますが、東京や大阪など大都市圏はかなり高くなります。

また、光熱費や通信費も含めることで、全体の生活費を把握することができます。これらの費用を考慮し、生活設計を立てることが大切です。

独り暮らしの家賃の目安は?

独り暮らしの家賃の目安は、一般的に月収の25%から30%程度とされています。

手取り20万円の場合、この割合に基づくと家賃の目安は約5万円から6万円程度です。

もしこの金額を下回っていれば、節約できているといえますが、上回っていれば、家賃の負担が重いといえます。

しかしながら、東京都内などの場合、約5~6万円の家賃の物件を見つけることは難しいのが現実です。

家賃が約8万円台の場合、東京都内で暮らせる物件として以下の例があります。ただし、物価や家賃は上昇傾向にあるので、あくまで参考としてご覧ください。

板橋区:1K(約25㎡)の築年数がやや古いアパート
足立区:1R(約20〜25㎡)のバス・トイレ別の部屋
葛飾区:1DK(約30㎡)のリフォーム済み物件
武蔵野市:1LDK(約35㎡)のマンション
立川市:1K(約30㎡)の築浅アパート

家賃は立地や利便性、築年数、広さなどによって変動します。

駅から近い便利な場所では家賃が高くなる傾向がありますが、少し離れた地域や古い物件を選ぶことで、より安価な選択肢を見つけることができます。

また、広さを妥協すれば、同じエリアでも家賃を抑えることが可能です。

このように、さまざまな条件を考慮することが、予算に合った住まいを見つけるためには必要です。

自由に使えるお金はどれくらい?

手取り20万円から前述の固定費を差し引いた金額が、自由に使えるお金になります。

しかし、一般的には固定費以外にもさまざまな費用がかかることを考慮する必要があります。

具体的には、以下のような変動費が挙げられます。

交通費:通勤や外出にかかる費用。一般的には月1万円前後。
娯楽費:趣味や遊びなどに使うお金。平均して月5,000円から1万円程度。
被服費:衣服や靴の購入費用。月3,000円から5,000円が一般的。
医療費:病院や薬局での支出。平均して月5,000円程度。
その他雑費:家庭用品の買い替えや交際費など、不定期の支出。月5,000円から1万円程度。

※不定期な変動費なので、それぞれ、実際の支出金額を1カ月当たりで割って平均の目安を紹介しています。

現在、生活費がギリギリで自由に使えるお金が少ないと感じている場合は、まず何にどれくらいお金がかかっているのかを記録し、削ることのできる費用を探すことをおすすめします。

独身実家住まいの生活費内訳

独身で実家に住んでいる場合の生活費内訳は、固定費が抑えられるため、非常に経済的です。以下は、実家住まいの生活費内訳の一例です(両親が健康で働いていることを前提とします)。

実家住まいの生活費内訳例

項目月額(円)
通信費5,000
食費30,000
合計35,000

実家住まいの場合、家賃や光熱費がゼロになる点が大きなメリットです。仮に家に少しお金を入れるとしても、他の固定費に比べてかなりの余裕を見込めます。

パートナーと二人暮らしの生活費内訳

パートナーと二人暮らしの場合、生活費の固定費は一人暮らしとそれほど変わりませんが、人数が増える分、各項目の費用が増加しがちです。

以下は、パートナーが無収入と仮定した生活費の内訳の例です。

二人暮らしの生活費の内訳例(東京都内を想定)

項目月額(円)
家賃100,000
光熱費15,000
通信費10,000
食費50,000
合計175,000

この内訳から、手取り20万円ではギリギリ生活費を賄えるか、あるいは赤字になるケースも多いことがわかります。

東京都内であれば、かなり家賃が高く、広めの部屋を選ぶと家賃がさらに上昇するため、二人暮らしの経済的負担は大きくなります。

このため、収入に合わせて家賃を抑えるか、食費や光熱費の節約を考慮する必要があるでしょう。

手取り20万円で貯金は可能?

手取り20万円での貯金は、生活環境や家族構成によって大きく異なります。

実家暮らしで独身の場合は、家賃や光熱費がかからず生活費が抑えられるため、毎月十分な貯金が可能です。

独り暮らしの場合は、固定費が増えるため、貯金するには節約の取り組みが必要になってきます。家賃、食費や光熱費を見直すなどの工夫が必要です。

パートナーと二人暮らし、または子どもがいる家庭で収入源が一人だけの場合、生活費が多くかかるため、貯金はほぼ難しいのが現実です。東京都内のように家賃が高い地域では、さらに厳しくなります。

このように、手取り20万円で貯金が可能かどうかは、家族構成や居住地などの条件に大きく左右されます。

手取り20万円で車は購入できる?

手取り20万円で車の購入は可能ですが、いくつかの注意点があります。

一般的に車の購入費用は年収の半分が目安とされ、年収300万円を前提にすると、150万円程度の車が手に入ります。

ただし、ローンを組むと毎月の生活費に余裕がなくなる可能性があります。

また、場合によっては、年収が低いという理由でローン審査に通らないこともあります。

手取り20万円でマイホームは手に入る?

手取り20万円でマイホームの取得は可能ですが、条件次第で変わります。

目安として、マイホームの購入価格は世帯年収の5~7倍が適切とされるため、手取り20万円では1,500万~2,100万円程度の物件が対象になります。ただし、不動産価格は地域によって大きく異なるため、購入可能な物件も変わります。

また、ローンを組むと月々の支払いで生活費に余裕がなくなる可能性が高い点、ローン審査に通らない可能性を考慮する必要があります。

手取り20万円で結婚はできる?

手取り20万円で、パートナーとの二人の生活費を賄うのは厳しく、赤字になる可能性もあります。そのため、共働きが望ましいといえます。

もし、二人とも手取り20万円になると、生活に余裕が生まれる可能性が高くなります。

支出は増えますが、全体の生活費が2倍になるわけではなく、一人当たりの負担は少し軽減されるのが一般的です。

また、共働きの場合、一方の手取りが20万円に満たない場合でも、扶養控除を活用しながら収入を増やすことが可能です。

年間収入が130万円未満であれば配偶者の扶養家族となるため、社会保険料の負担を軽減できます。扶養控除の制度を意識して、節約しながらも効率的に収入を得る手段を検討するとよいでしょう。

手取り20万円で子育てはできる?

手取り20万円で子育てをすることは、住んでいるエリアや同居などの状況によっては可能です。

例えば、実家で同居して住居費や光熱費が抑えられる場合や、子育て支援が手厚い自治体に住んでいる場合には、生活費の一部がカバーされ、余裕が出やすくなります。

自治体によっては児童手当や医療費補助、保育料の助成などの制度があり、こうした支援を活用することで経済的な負担を軽くすることができます。

しかし、子育てには教育費や食費、衣類・医療費などの出費が増えるため、共働きが望ましいといえます。

特に教育費は、子どもの年齢が上がるにつれて増加し、食費なども増えることが一般的です。

また、共働きをする場合でも、妊娠・出産時には女性が仕事を一時的に休むことが多く、その間の収入減を事前に考えて、貯蓄などで備えておくことが必要です。

手取り20万円で節約するポイント

手取り20万円で、生活費をはじめとした支出を節約するポイントをまとめましたので、参考にしてください。

・家計を見直す
・税金を見直す
・保険を見直す
・ボーナスに頼らない

上記について、それぞれ見ていきます。

家計を見直す

節約の手始めとして、家計簿をつけて月々の支出を把握して、どこを減らすことができそうか見つけていきましょう。

節約の順序として、まず固定費を見直して、次に変動費を調整することをおすすめします。

固定費を削減できれば、毎月一定の支出が減るので、節約効果は大きいといえます。

固定費の削減の例を以下に紹介します。

・家賃:現在より家賃の安い場所に引っ越すことを検討しましょう。また、ルームシェアをすることで家賃を分担することも一つの方法です。

・光熱費:電気やガスの契約を見直し、より安いプランに切り替えることができます。また、節電や水の使い方を工夫することで、無駄な支出を減らせます。

・保険料:民間の生命保険や傷害保険の内容を再評価し、必要のない特約を外したり、他の保険会社に乗り換えたりすることで、保険料を削減できます。

変動費については、毎月決まった額以上は使わないように注意が必要です。こちらの例も見ていきましょう。

・食費:計画的に食材を購入し、まとめ買いや特売日を活用することで、無駄な出費を減らします。また、外食の回数や費用を見直します。

・被服費:どのようなアイテムを持っているのかを把握して、必要なものを効率的に買うようにします。不要なものは、買い取ってくれるサービスなどを利用すると、少額でも収入になります。

税金を見直す

税金を見直して、節税するのも選択肢の一つです。

ここでは、ふるさと納税、NISA、iDeCoについて、利用条件、節約できる税金の種類、そして節税以外のメリットを解説します。

  1. ふるさと納税
    利用条件:ふるさと納税は、居住地以外の自治体に寄付をすることで利用できます。寄付金額は、自己負担額2,000円を超える部分が控除対象になります。

節約できる税金の種類:主に住民税や所得税が減額されます。寄付金額に応じて控除されるため、実質的な負担は少なくなります。

メリット:返礼品として特産品やギフトがもらえるため、実質的な負担が軽減されながら地域の支援も行える点が魅力です。返礼品は、お米などの食品や日用品があるので、食費の節約にもなります。

  1. NISA(少額投資非課税制度)
    利用条件:日本に居住する18歳以上の個人が利用でき、年間投資額の上限があります(成長投資枠は年間240万円、つみたて枠は年間120万円)。

節約できる税金の種類:NISA口座で得た配当金や売却益が非課税になるため、通常の税率(約20%)がかからず、実質的な利益が増加します。

メリット:投資を通じて資産形成ができ、非課税期間が設定されているため、長期的な資産運用が可能です。金融知識を深めるきっかけにもなります。

  1. iDeCo(個人型確定拠出年金)
    利用条件:日本に居住する20歳以上の個人が加入可能で、職業に応じた拠出限度額があります。

節約できる税金の種類:拠出金が所得控除の対象となるため、所得税や住民税が減額されます。将来受け取る際にも、税金が優遇される点があります。

メリット:老後資金を準備するための制度であり、資産形成を助けるためのメリットがあります。また、運用益も非課税となるため、長期的な資産運用が期待できます。

制度の内容や特徴を理解して、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

保険を見直す

保険は、よく考えずに加入していると、必要以上の保障が付いて保険料が高くなっている場合があります。見直すことで、不要な保障を省き、固定費の削減につながる可能性があります。

例えば、医療保険や生命保険などでは、自分の生活や家族構成に合わない特約が含まれていることがあり、その分だけ保険料が増えていることも考えられます。見直しをすることで、保険料の引き下げや、より効率的な保障内容を整えることが可能です。

また、自分での見直しが難しい場合は、専門家に相談する方法もあります。具体的には以下の方法があります。

・FP(ファイナンシャルプランナー)への相談:FPは家計全体を考慮し、保険の最適化を提案してくれるため、家計改善にも役立ちます。

・保険相談会社の利用:保険ショップなどでは、複数の保険商品を比較検討でき、幅広い選択肢から自分に合った保険を見つけやすいサービスです。

ボーナスに頼らない

ボーナスがある場合でも、「ボーナスは出ないもの」として生活費を考えるのが効果的な節約方法です。

「ボーナスがあるから大丈夫」という考えがあると、以下のような問題を引き起こしやすくなります。

・無駄遣いが増える:ボーナスを当てにして支出を増やすと、必要以上の買い物や娯楽にお金を使ってしまい、無駄遣いが多くなりがちです。

・ボーナス額が下がった場合のリスク:ボーナスは業績に左右されることが多いため、予想外に支給額が下がってしまった場合、生活費が赤字になるリスクがあります。

ボーナスはすべて貯金するくらいの意識でいると、急な支出にも備えやすくなります。

もし貯金に余裕ができた場合は、旅行や趣味に充てる、家電などの買い替えなど、必要な支出として活用することで、計画的なお金の使い方ができます。

ボーナスを頼らず、普段の収入の範囲でやりくりする習慣を持つことが、安定した家計管理につながります。

手取り20万円から収入アップする方法

節約や家計管理をする一方で、収入をアップしていくことも必要です。
次に、収入を上げていく方法をまとめましたので、参考にしてください。

・昇進・昇給を目指す
・資格取得で給料アップを目指す
・副業を行う
・資産運用を行う
・転職を行う

上記について、それぞれ見ていきます。

昇進・昇給を目指す

昇進によって給料アップを目指す方法は、現職のままで収入を増やせる点がメリットです。

チームリーダーや管理職に昇進すれば、基本給や手当が上がることが期待できます。

しかしながら、昇進には一定の時間がかかるので、長期的な努力が求められる点がデメリットです。

また、昇進のためには成果を出し、上司や組織の上層部に自分の実力をアピールする必要があります。

例えば、プロジェクトを成功させたり、業績を向上させたりといった具体的な結果が求められます。評価されて昇給するまでに時間はかかります。

資格取得で給料アップを目指す

資格取得による給料アップは、社内に資格手当の制度があれば、現職のままで収入増が見込める点がメリットです。

ただ、資格取得には試験料やテキスト代など、金銭的な負担がかかるケースもあります。

また、資格手当の制度がない会社では、この方法が使えない点がデメリットです。

しかしながら、資格取得は、自身のスキルアップにもつながり、仕事の幅が広がることも期待できます。

TOEICのスコアアップや簿記の資格などは、将来転職する際にもアピールできる汎用的なビジネスの資格です。

その他のおすすめ資格には、「ファイナンシャルプランナー」、IT分野での「基本情報技術者試験」、またWeb関連の「ウェブデザイン技能検定」などがあります。

副業を行う

副業による収入アップも有効な方法の一つです。副業は短期間で収入を増やせる点が大きなメリットといえます。

近年では副業解禁の動きが加速し、個人の働き方の幅が広がっています。
この傾向は、副業を始めたい人にとって追い風となっており、IT関連の業務やライティング、デザインなど自分のスキルを生かせる仕事も多く見つかります。

しかし、注意点もあります。副業を禁止している企業も依然として多く、就業規則で制限されている場合は副業ができないことがデメリットです。

また、副業を行う際には、本業に支障が出ないよう自分の体調やスケジュール管理にも配慮が必要です。無理のない範囲での副業に取り組むことが、長く安定して収入を得るためのポイントです。

資産運用を行う

資産運用は、資産を増やすための有効な手段です。

給与そのものが上がるわけではありませんが、上手に運用することで将来的な資産増加が期待できます。

資産運用にはいくつかの方法があり、例えば、株式投資や投資信託、不動産投資などが挙げられます。

これらの方法では、自分が働かなくても資産が増えていくことが大きなメリットです。時間が経つにつれて、投資した資産が複利効果を生むため、資産形成につながります。

しかし、資産運用にはリスクも伴います。市場の変動によっては損失を出すおそれがあるため、慎重に取り組む必要があります。

前述のNISA(少額投資非課税制度)を利用することで税金の負担を軽減しつつ投資を行うことができますが、元本保証はないため、リスクを理解した上で運用を行うことが重要です。資産運用は計画的に行い、リスクを分散させることが必要です。

転職を行う

転職をして、現在よりも給与が高い会社に入るのも一つの方法です。

現在の職場で給与アップの見込みがない場合は、転職を考える良いタイミングとなります。

新しい職場で直接給与がアップしなくても、ボーナスが支給される、住宅手当や資格手当がある場合など、実質的な給与アップと同等の効果が見込めます。

ただし、転職先の企業が本当に自分に合った環境であるかどうかを、見極めることが重要になってきます。

高い給与に魅力を感じて転職した結果、労働環境が劣悪なブラック企業に入ってしまっては意味がありません。

職場の雰囲気や働き方、労働条件をしっかりと確認し、総合的に判断することが求められます。

転職時や求人掲載の給与額は「額面」が一般的

転職時には、求人に掲載されている給与の額について注意が必要です。

多くの場合、求人に記載されている「月給20万円」とは額面のことで、実際の手取り額は17万円程度となることが一般的です。

希望給与を「月給20万円」と伝えると、実際の手取りは本来の希望額よりも下がってしまいます。

もし手取りで20万円を希望するのであれば、額面の月給は27万円程度になります。

給与アップを目指すのであれば、この金額よりもさらに高い額面を希望給与として申し出る必要があります。

手取り25万円を目指す場合、額面では約33万円を希望することになるでしょう。

こうした数字を理解しておくことで、実際の給与交渉でのミスを避けることができます。

手取り20万円以上を目指す人におすすめの仕事

手取り20万円以上の仕事を目指す方におすすめの仕事、職種をまとめました。転職活動を検討する際の参考にしてください。

・社会的ニーズが見込まれる仕事
・成果次第で収入が上げられる仕事
・転職サービスで教えてもらえる仕事
・手取り20万円以上を目指す際の注意点
・可能なら同じ職種で転職する
・未経験の職種に応募する際は年齢に気を付ける

上記について、それぞれ見ていきます。

社会的ニーズが見込まれる仕事

社会的にニーズが高い仕事は、一般的に給与が高水準に設定されているためおすすめです。

現状で人材不足の職種では、企業同士での人材獲得競争があるので、良い待遇を期待できます。

企業が優秀な人材を確保するために、給与や福利厚生を充実させているからです。

さらに、資格を持っていると、採用の際に有利になる場合が多く、よりスムーズに転職活動を進めることができます。

例えば、システムエンジニア(SE)は、IT業界を中心に幅広い業界で、需要が高い職種です。

I T技術の進展に伴い、プログラミングやデータ分析ができる人材が求められおり、技術が高いほど年収が高い傾向にあります。

また、看護師や介護職も人手不足が続いており、これらの職種でも高水準の給与が期待できるでしょう。

成果次第で収入が上げられる仕事

給与が固定ではなく、成果次第で変動する職を選ぶのも一つの方法です。

このような職種では、頑張り次第で給与アップのチャンスがあるため、モチベーションを持って働きやすいのが特徴です。

固定給の仕事では昇進を待つしかないことが多いのですが、成果に応じて報酬が決まる職種では、自分の努力が直接的に給与に反映されるので、達成感を味わえます。

例えば、営業職は成果が給与に大きく影響する職種の一つです。

営業成績に応じてインセンティブやボーナスが支給されるため、売り上げを伸ばすことで直接的に収入を増やすことができます。

ただし、一方でこのような職はプレッシャーが大きいというデメリットもあります。常に成果を求められるため、目標を達成できないと感じるとストレスを抱えることがあります。このような環境で働くことは、やりがいを感じる半面、精神的な負担を伴うこともあるため、自己管理やストレス対策が必要です。

転職サービスで教えてもらえる仕事

転職を考える際、転職エージェントやキャリアアドバイザーを活用するのも効果的な方法です。

高い給与の仕事や企業については、率直に尋ねることをおすすめします。エージェントは市場のトレンドや給与水準に詳しいため、希望に合った求人を紹介してくれる可能性があります。

転職で求める条件が明確になることで、より自分に適したポジションを見つけやすくなります。

さらに、経験がない、スキルがない、年齢的な心配があるなど、転職に伴う悩みも相談できます。キャリアアドバイザーは、これらの不安を解消するための具体的なアドバイスやサポートを提供してくれるため、自信を持って次のステップに進むことができます。

必要なスキルや資格の取得についての提案や、過去の経験を生かせる職種の紹介などが期待できます。

手取り20万円以上を目指す際の注意点

手取り20万円以上の転職を目指す際の注意点をまとめました。

・可能なら同じ職種で転職する
・未経験の職種に応募する際は年齢に気を付ける

上記について、それぞれ解説するので、参考にしてください。

可能なら同じ職種で転職する

転職を考える際、可能であれば同じ職種での転職を選ぶことをおすすめします。

これまでの経験を生かせるため、企業から即戦力として採用されやすいからです。例えば、営業職としての経験がある場合、別の会社でも営業職に応募することで、面接時に具体的な実績をアピールでき、選考において有利になります。

一方で、未経験の職種を選ぶことは慎重に考えるべきです。

前述のように、未経験でも応募できる職種は存在しますが、理由なく最初から未経験の仕事を選ぶのは推奨できません。新しい職種では、全く異なるスキルや知識を求められることが多く、入社後の学習や適応に時間がかかります。

自分の強みを生かせない環境に転職すると、仕事に対する不安やストレスが増す可能性もあります。

未経験の職種に応募する際は年齢に気を付ける

未経験の仕事に応募する際は、早めの転職活動が肝心です。企業側は未経験の人材を採用する場合、育成を見越していることが一般的です。

企業は、若い人材の方が「育てる価値がある」と考えるので採用の可能性が高まります。

迷ったまま年齢を重ねてしまうことを避けるようにします。年齢が上がるにつれ、企業は未経験者の採用を避ける傾向にあります。

自己分析を行い、自分に合った職種や業界について考えて、キャリアの方向性を探っていきましょう。

転職で手取りを増やしたいならジョバディにご相談を

今回は、手取り20万円の場合の暮らしぶりや、20万円以上に手取りを上げていくポイントなどを紹介しました。

就職や転職で収入アップを望む方は、転職エージェントの活用をおすすめします。

ジョバディはキャリアアドバイザーが在籍しているので、業界情報収集やキャリア診断などのサポートをしてくれます。
サポートのタイプにも、「ひかえめ」「ほどよく」「せわやき」と自分の温度感に合ったタイプを選べる機能があります。

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