
仕事を辞めたいと感じる11個の理由|対処法や転職時の注意を解説
仕事がつらいと感じて悩む人は多くいますが、具体的な原因がはっきりしていないケースも少なくありません。そんなときは仕事がつらくなった理由を整理し、適切な対処法を試してみましょう。それでも状況が改善しない場合は、退職や転職を視野に入れて検討することをおすすめします。
【この記事の要約】
●仕事がつらい状況を改善するには、例えば「人間関係がうまくいかない」「業務量が多すぎて心身が疲弊している」といった具体的な原因を明確にする必要がある
●仕事がつらいと感じる理由には、上司とのコミュニケーション不足や長時間労働、適正な給与が支払われないといった問題が挙げられ、それぞれに応じた対処法が存在する
●仕事がつらいと感じ続けると、不眠や食欲不振、パフォーマンスの低下など心身への悪影響が及び、最悪の場合、うつ病や適応障害につながるリスクもある
●例えば、部署異動を願い出ても解決しない場合や業界そのものが合わない場合は、転職して新たな職場環境を探すのも一つの有効な手段となる
会社を辞めたいと感じる理由
会社を辞めたいと感じる理由には、以下のようなものがあります。
● 職場の人間関係が良くない
● 給料が安く昇給が見込めない
● 自分に仕事が合わない
● 正当な評価を受けられない
● 休みが取りにくい
● 労働時間・残業が多い
● 会社の経営状況が良くない
● 社風が自分に合わない
● 単純に働きたくない
● 別でやりたいことができた
● 結婚や出産などの事情
一つずつ見ていきます。
職場の人間関係が良くない
誰とも関わらずに一人だけで完結できるような仕事は存在しません。多かれ少なかれ、必ず自分以外の誰かと関わる必要性が出てきます。
職場の人間関係の悪化は、コミュニケーションの断絶や摩擦を生み、結果として業務効率を下げる原因になります。上司との相性や同僚との派閥争い、いじめなどの問題は、心理的ストレスを大きくし、退職を考える大きな要因となるでしょう。
人間同士のトラブルは自分だけで解決するのは非常に難しく、信頼できる同僚や人事に相談したり、適切なタイミングで退職や転職を視野に入れたりすることが有効です。
給料が安く昇給が見込めない
現在の給与が生活費を下回る、もしくは努力や成果が適切に評価されないことが不満の原因となることも多いでしょう。昇給やボーナスが少ない場合、将来のキャリアビジョンや生活設計が立てられず、不安を感じる人が多くなります。ただしたとえ給与が低くても、他社と比較した場合にほぼ同等の水準だとしたら、不満はあっても辞めたいとまでは感じないかもしれません。「どこも同じ」「仕方ない」と納得できるからです。一方で、他社や業界との賃金差が明確な場合は、不満を抑えるストッパーがないため、転職を考えるきっかけになり得ます。
自分に仕事が合わない
自分の性格や価値観と業務内容が一致せず、仕事にやりがいや満足感を見いだせない場合も仕事を辞めたいと感じることが多くなるでしょう。仕事のペースや求められるスキルが自身の特性や能力と異なると、ストレスが大きくなり、成果の低下にもつながります。「仕事はお金を稼ぐための手段」と割り切れられればよいですが、1日の大半を費やす仕事の時間が不本意なままだと人生を無駄にしている気持ちにもなるかもしれません。業務内容への違和感が積み重なることで、キャリアへの不安が生まれ、退職を考えるきっかけになるでしょう。

正当な評価を受けられない
業務への努力や成果が適切に評価されず、上司にゴマをすってうまく取り入った人ばかりが昇進していくなどの不公平感を覚えると仕事へのモチベーションは低下します。上司や同僚との関係性や評価基準の曖昧さが、不満や不信感を生む原因となり、「頑張っても無駄」「努力する意味がない」と感じるようになっていくでしょう。正当な対価がもらえない職場は、他の面でよほど魅力的なメリットがない限り人が定着しません。評価制度や組織の方針が不透明な企業は自己成長やキャリアアップの見通しが立たず、仕事を辞めたいと感じる人が多くなります。
休みが取りにくい
人手不足や職場の風潮により、有給休暇や長期休暇の取得が難しい職場は、離職率が高くなる傾向があります。企業は従業員に有給休暇を取得させる義務がありますが、実際には誰も取得していないような職場もあるのが実情です。そのような職場で自分だけが有給休暇を取得するのは心情的にもはばかられますし、場合によってはよく思わない人も出てくるかもしれません。休みが取れない環境は、心身の疲労蓄積やプライベートとのバランス崩壊につながるため大変危険です。休暇取得への罪悪感や上司の理解不足は、退職を考える大きな要因となります。
労働時間・残業が多い
長時間労働や過剰な残業が続くと、ストレスや疲労が解消されないまま蓄積されていくようになります。家族や趣味などのプライベートな時間を削って仕事に充てざるを得ず、ワークライフバランスはおろか、心身の健康さえも損なうことにつながりかねません。どの業界にも繁忙期はあり、一時的に残業が発生することはあるでしょう。しかし、そもそもの業務量の多さや慢性的な人手不足などによって労働時間が長くなっている場合は、注意が必要です。労働環境の改善が見込めず、それが長期にわたって続く場合には、退職を決意することになるでしょう。
会社の経営状況が良くない
売り上げの低迷や赤字経営など会社の経営状態が悪化していくと、従業員は会社の将来に不安を持ちます。どれだけ大きな企業でも民間企業である以上、倒産リスクは避けられません。経営の悪化は離職を検討する大きな要因になるでしょう。経営方針の迷走や頻繁なリストラは従業員の不信感を強め、職場の雰囲気を悪化させていきます。やがて資金繰りが悪くなると給与遅配や福利厚生の縮小が起こり、いよいよ従業員の生活に直接的な影響を与え始めます。ここまでくるともはや倒産は秒読みであり、ある日突然仕事がなくなる可能性も覚悟しなければなりません。
社風が自分に合わない
社風とは、経営者の考え方や会社の規模、業務の裁量、教育体制などさまざまな要因から醸成される雰囲気や文化、価値観であり、一個人ではなかなか変えられないものです。会社の価値観や働き方が自分の性格や信念に合わず、居心地の悪さを感じることが多いとすれば、仕事を辞めたくなるのも当然といえるかもしれません。特に組織の文化や風潮が個人の意見を尊重しない場合は、孤立感や不満が蓄積しやすくなるでしょう。保守的な風土、もしくはその逆の過度に競争的な雰囲気は、自分の成長や働きやすさを阻害する要因ともなり得ます。

単純に働きたくない
働くこと自体が苦痛に感じられる場合は、根本的なモチベーションの低下が働く意欲を削ぐ要因になっている可能性があります。仕事へのモチベーションが下がる理由はさまざまですが、過度な疲労や精神的な負担が積み重なると、「働きたくない」という感情を引き起こすことがあります。またそもそもの働く目的や自身のキャリアビジョンが見えない場合も、仕事への意欲を失うケースが多くなるでしょう。自分の能力を試してキャリアアップやスキルアップしていきたいという向上心がなく、楽しく生活できればそれでいいと考える人も増えています。
別でやりたいことができた
別でやりたいことができた場合も離職を考えるきっかけになります。自身の興味や関心が現在の仕事以外の分野に向かい、新たな挑戦をしたい意欲が高まると、今の仕事をしている時間がもったいないと感じ始めるかもしれません。最初は副業や趣味のつもりで始めたことでも、収入ややりがいに結びつくようになれば、いっそそちらを本業にしたいと思うようになる人もいます。現在の仕事に対する情熱や意欲が低下し、やりたいことを追求する妨げになっていると感じることで、転職や独立を検討する方向へ考えがシフトするケースはよくあります。
結婚や出産などの事情
結婚や出産などの生活スタイルに変化があると、仕事が続けられないと感じることが多くなります。特に出産を経て育児をしながら働く場合は、企業側も子育てへの理解が必要です。独身時代のようには働けず、仕事と家庭の両立が困難だと感じるケースも少なくありません。また、配偶者の転勤による引っ越しなども仕事を続けられなくなる要因です。ほかにも、高齢の家族の介護が必要となり、時間や精神的な負担が増えて退職を選ぶ人もいます。
仕事を辞めたいと感じやすい人の特徴
上記で紹介した通り、仕事を辞めたいと感じるきっかけは数多く存在します。多くの人が人生で一度くらいは仕事を辞めたいと感じる場面に遭遇するのではないでしょうか。
ただし、その感じ方や度合いは人によってさまざまです。
仕事を辞めたいと強く感じやすい人には、以下のような特徴があると考えられています。
● 仕事熱心
● 責任感が強い
● コミュニケーションに苦手意識がある
● 他責の傾向がある
● 環境が変わったばかり
● プレッシャーが大きな仕事をしている
一つずつ解説しますので、自分に当てはまるものがないか確認してみてください。
仕事熱心
仕事熱心な人は責任感が強く、全力で仕事に取り組むため、過労や精神的な疲労を抱えやすいといわれています。完璧主義や高い目標を掲げるあまり、自分に厳しくなりすぎる傾向があるのでしょう。責任感や目標に向かって忠実に努力することは非常に大切です。しかし、求めるものと現実との差が大きい場合、いつまでも達成できない自分に思い悩み、結果として仕事自体が嫌になってしまう可能性もあります。また、このようなタイプは他者からの評価や自身の成果に強くこだわる傾向があるため、自分の思うように評価がされないとストレスを感じやすくなります。

責任感が強い
責任感が強い人は、周囲から期待される役割をまっとうしようとするあまり、自分に過度なプレッシャーをかけやすくなります。仕事熱心な人と同様に、意図せず自分で自分をがんじがらめにして苦しむタイプです。トラブルや課題を周囲と共有せずに自分一人で抱え込む傾向があるため、心身の負担が蓄積しやすいでしょう。また、自分の働きが組織全体に大きな影響を与えると考えている人が多く、ミスや失敗を必要以上に恐れるという特徴もあります。始める前からストレスがたまり、「いっそすべて投げ出してしまいたい」という思考に陥りがちです。
コミュニケーションに苦手意識がある
コミュニケーションに苦手意識がある人も仕事を辞めたいと強く感じる可能性が大いにあります。会社という組織で働く以上、人とのコミュニケーションは必要不可欠です。コミュニケーションが苦手な人は人間関係を構築することに不安を感じるため、職場で孤立しやすく、そのことがストレスを抱える原因となります。自分の考えや意見を相手に伝えるのが苦手で、誤解やトラブルが起きやすい傾向があるでしょう。また、職場の人間関係に悩むことで、業務への集中力が低下し、仕事への意欲そのものまで失いやすくなるというデメリットもあります。
他責の傾向がある
何をするにも他人や環境のせいにしがちな人も、仕事が嫌になりやすいでしょう。問題が起きたときに、自分を省みることなく周囲にのみ原因があると考えてしまう傾向があります。心のキャパシティが狭く他人と自分との違いを受け入れられないため、ポリシーや考え方などが相違すると、ますます他責思考が強くなってしまいます。また、このようなタイプは問題を自力で解決していく機会を自ら遠ざけているため、成長できるチャンスを逃しがちです。結果として、同僚とも差が付き、どうにも行き詰まって仕事を辞めたくなることがあります。
環境が変わったばかり
転職や異動などで環境が変わったばかりのときは、新しい職場や部署に適応するまでの過程で不安や孤独を感じることが多くなります。仕事内容や人間関係に慣れる前にプレッシャーを感じ、辞めたい気持ちが高まることは誰にでもあるため、深刻に考え込む必要はありません。しかし、慣れるまでの辛抱と割り切れず、自分がこの先もなじめるかどうか不安で辞めたい気持ちが強くなる人もいます。また、そんなときに以前の環境と現在の環境を比較して、「前の職場の方がよかった」と現状への不満や違和感をより強く意識してしまうこともあります。
プレッシャーが大きな仕事をしている
重要な責任を担うポジションや、失敗が許されない業務に従事している場合は、過度な緊張状態が続くため、精神的な疲労がたまっていきます。人の命を預かる医師や看護師、また顧客の資産を運用するトレーダーなどはその最たる例でしょう。また、そこまで重い仕事ではないとしても、成果を強く求められる仕事の場合は、プレッシャーが心身の負担を増加させて耐えきれなくなる人もいます。ほかにも他者への影響が大きい仕事では、ミスを恐れるあまりに不安が募り、「もう辞めてしまいたい」などという気持ちが強まるかもしれません。

【セルフチェック】ストレスチェックで判断しよう
ではここで、自分のストレス量をチェックしてみましょう。
チェック項目は【仕事に関して】と【心身に関して】です。
【仕事に関して】
□ 仕事量が多すぎる
□ 高度な知識と集中力が必要だ
□ 自分のペースで進められない
□ 職場の方針に自分の意見が反映されることはない
□ スキルを生かす機会がない
□ やりがいがない
□ 上司・同僚・クライアントと気が合わない
【心身に関して】
□ 気分が落ち込みがち
□ 自分を責めることがよくある
□ へとへとだ
□ 常にイライラして怒りを感じる
□ 不安で落ち着かない
□ 突然涙が出ることがある
□ 食欲がない
□ 胃腸の調子が良くない
□ 頭痛や肩こりがひどい
□ めまいや動悸(どうき)がある
いかがでしたでしょうか。
チェックした数が多い場合はストレスが相当たまっている可能性があります。そのままにせず、早急に対処することをおすすめします。
仕事を辞めたいという感情への対処法
「仕事を辞めたい」という感情が湧いたら以下の対処法を試してみましょう。
● 辞めたいと感じた理由を明確にする
● 原因に対する見方を変える
● 限界まで我慢しない
● 疲れやストレスを解消できる方法を見つける
● 信頼できる人に相談してみる
● 業務に優先順位を付けて時間を短くしてみる
● キャリアプランを見直してみる
● 待遇や労働環境を変えられないか考えてみる
一つずつ見ていきます。
辞めたいと感じた理由を明確にする
仕事を辞めたいと感じた理由を具体的に分析することで、感情的に判断してしまうリスクを避けられます。本当に辞めるほどの理由かどうかは、一度冷静になって考えてみないと判断しにくいものです。不満やストレスの原因を洗い出すことで、解決可能な問題かどうかが明らかになります。「人間関係」「給与」「仕事内容」など、自分が辞めたいと感じるに至った明確な理由を把握することで、次に取るべきベストな行動を計画しやすくなるでしょう。
原因に対する見方を変える
不満やストレスの原因に対し、新たな視点を持つことで問題が軽減される場合があります。例えば一見ネガティブに見える状況でも、自分の見方次第で成長やスキルアップにつながるポジティブな部分が見えてくるかもしれません。「違う視点があるかもしれない」と考え、目を向けてみることが重要です。今いる環境や人間関係を完全に変えるのは困難ですが、自身の心構えだけならば考え方一つで状況を改善できる可能性が残されています。
限界まで我慢しない
無理を重ねて働き続けると、心身の健康を損なうリスクが高まります。気合いで乗り切るにも限度があり、特に仕事熱心な人や責任感が強い傾向がある人は注意が必要です。限界を迎えてしまう前に、抱えている不満やストレスを周囲に相談したり、改善策がないか検討したりしましょう。ストレスが蓄積されているのに気付かないふりをして我慢を続けると、視野が狭くなって適切な判断をするタイミングを逃すほか、心身を壊してしまう危険があります。
疲れやストレスを解消できる方法を見つける
趣味や運動など、仕事以外でリフレッシュできる活動を生活に取り入れることで、ストレスの軽減が期待できます。短時間で実践できるリラクゼーション法や気分転換の方法を見つけておけば、心の余裕が生まれ、安心して日々の仕事に取り組めるようになるかもしれません。ささいなことでも大丈夫です。日常の中でストレスを発散できる場所を一つでも確保しておくことで、辞めたいという感情の根本的な原因を見直すきっかけ作りになるでしょう。

信頼できる人に相談してみる
家族や友人、職場の同僚など信頼できる人に気持ちを打ち明けることで、自分にはなかった客観的な意見やアドバイスを得られるでしょう。自分だけで抱え込んでいると、どうしても問題が大きく見えてしまいますが、他の人と話すことで冷静に状況を見直せる場合があります。
転職経験のある人やキャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。実際の経験談や判断のポイントなどを聞くうちに、新たな視点や具体的な解決策が得られるかもしれません。
業務に優先順位を付けて作業時間を短くしてみる
業務量が多すぎて仕事が嫌になっている場合は、仕事のタスクを整理し、重要度や緊急性に応じて優先順位を付けることで効率的に進めていけるようになるでしょう。すべての業務を完璧にこなそうとするのではなく、必要最低限のタスクに集中して取り組むことで、業務に対する負担感を軽減させることができます。業務時間が短縮すると再び仕事とプライベートのバランスが取れるようになり、辞めたい気持ちを和らげられる可能性があります。
キャリアプランを見直してみる
自分が将来的にどのようなキャリアを築きたいのか改めて考えてみることで、現在の状況を冷静に評価できるようになります。現在の仕事が自分のキャリアプランに合致しているかを確認し、必要であれば転職やスキルアップを検討してみるなど先に進んでみましょう。自分がかなえたい長期的な目標を設定し、逆算して必要なステップを考えていけば、現在の仕事に取り組む意義やモチベーションを見いだせるかもしれません。
待遇や労働環境を変えられないか考えてみる
一度退職してしまうと原則として元の会社には戻れません。感情的に退職を考える前に、給与や労働時間、福利厚生など不満の元となっている要因を、現職の中で改善できる待遇や環境がないか検討してみましょう。上司や人事に相談し、部署異動や業務内容の変更を打診することで、自身が感じていた負担感を軽減できるかもしれません。まずは自分にとって働きやすい環境とは何かを明確にし、それに近づけるための具体的な行動を取ってみましょう。
仕事を辞めたいと感じてもやってはいけない行動
仕事を辞めたいと感じているときに、明日も同じ仕事をしなければならないことを考えると、とてもつらくなる気持ちはよく理解できます。
しかし、どれだけつらくても、以下に紹介する3つの行動はしないよう注意が必要です。
● 衝動的に会社を辞める
● 無断欠勤や遅刻をする
● 対処せずにただ我慢し続ける
一つずつ見ていきます。
衝動的に会社を辞める
十分な準備や計画がないまま衝動的に退職してしまうのは大変危険です。収入が途絶えるため、経済的に支えてくれる家族などがいない場合は、貯金を切り崩して生活せざるを得ません。収入がない状態での転職活動は精神的にも追い詰められる可能性が高く、今よりさらに悪い条件の会社に転職してしまうリスクもあります。
このように一時的な感情に左右されて辞めると、後悔したり再就職するときに困難に直面したりする可能性があります。退職を決意する前に、辞めたい理由や今後のキャリアを冷静に整理し、具体的な行動計画を立てておくことが重要です。

無断欠勤や遅刻をする
仕事に行きたくない、もしくは行こうとしても体が動かない状態の日もあるでしょう。しかし、どんな状態であっても無断欠勤や遅刻は厳禁です。職場での信頼を大きく損ない、円満退職の妨げになってしまいます。無断欠勤や遅刻は雇用契約に違反する行為であり、最悪の場合、懲戒解雇や損害賠償請求を受ける可能性もあります。もし職場に電話をするのがつらければメールでも構いません。正当な理由をつけて連絡を入れておきましょう。退職を考えていても、所属する会社の規律は守り、職場に対する最低限の責任を果たすことが重要です。
対処せずにただ我慢し続ける
仕事を辞めたい気持ちを放置して働き続けると、いずれ限界を超えて心身の健康を損ない、深刻な精神状態や病気を引き起こす可能性があります。問題を放置するのは状況が改善しないだけでなく、自分のキャリアや人生全体にもダメージを与えるリスクがあり危険です。ストレスの放置期間が長くなればなるほど、回復にも時間がかかってしまいます。
大切なのはつらさを感じた時点で適切な相手に相談して状況を打開する対策を講じることです。これにより心身にかかる負荷をストップし、適切な判断と今後に必要な行動を取る余裕を確保できるでしょう。
仕事を辞める前に考えるべき7つのポイント
仕事を辞めて後悔しないために、あらかじめ以下の7つのポイントについて考えておきましょう。
● 「辞める」ことで起きるリスクを考える
● 辞めたい理由を書き出してみる
● 退職に踏み切れない理由を書き出す
● 現職を続けるメリット・デメリットを考える
● 辞めたい理由の解決策を考える
● 仕事を辞めた経験がある人から体験談を聞く
● 絶対に辞めないと解決できないのかを考える
一つずつ見ていきます。
「辞める」ことで起きるリスクを考える
辞めるという行為だけでなく、その後の収入減少や失業期間中の生活費など、経済的なリスクについても事前に考慮しておく必要があります。特に次の職場を探す際や住宅ローンを考えている場合は注意が必要です。退職すると社会的な信用が低下します。住宅ローンが通りにくくなったり、履歴書に仕事をしていない空白期間ができて選考で不利になったりするかもしれません。
今の仕事がつらいとしても辞めた後の環境が必ずしも理想的でない場合も多分にあります。後悔しないためにも、辞めてしまう前にデメリットも踏まえて慎重な判断をしてください。
辞めたい理由を書き出してみる
辞めたいと感じる理由を考える際は、頭の中だけでなく、紙などを使って具体的に書き出しましょう。可視化することで感情的な判断を防ぎ、冷静に状況を分析できるようになります。書き出した理由を一つずつ整理していけば、現職のままでも解決可能な問題か、それとも転職や退職が適切な選択肢かが見えてきます。辞めたい理由が明確になったら、改めて自身のキャリアや働き方について再評価し、次に必要な行動につなげましょう。
退職に踏み切れない理由を書き出す
辞めたい理由の次は退職に踏み切れない理由について考えてみましょう。辞めたい理由と同じく、紙などに思い付く限り具体的に書き出していくことで、不安や迷いの正体を明らかにできます。経済的な不安だったり、次の職場への適応だったりとさまざまに考えられるリスクを順番に整理することで解決策を見つけやすくなります。踏み切れない理由を可視化できれば、客観的に状況を捉え、必要な準備や行動を計画できるようになるでしょう。

現職を続けるメリット・デメリットを考える
仕事を辞めたいと感じている人は、どうしても現職のマイナス面ばかりに考えが及びがちです。しかし、現職にもメリットはあります。いったんマイナス面は脇に置き、現職を続けることで得られる安定した収入やスキル向上の機会について考えてみましょう。その後改めてストレスの原因やキャリアの停滞などのデメリットを考えます。重要な決断をする前にはメリットとデメリットの双方をしっかり把握し、冷静に判断することが大切です。
辞めたい理由の解決策を考える
辞めたい理由が改善可能な問題かを検討し、必要に応じて上司や同僚に相談するなど、現職で解決する手段がないか探ってみましょう。例えば、人間関係の問題であれば異動の打診、業務負担の重さであればタスク調整、給与や待遇であれば評価制度を確認して昇給や昇進を狙ってみるなどの具体策を考えます。いったん解決策を試した上で、それでも状況が変わらない場合に、いよいよ退職や転職を選択肢として考えるのが最善の方法です。
仕事を辞めた経験がある人から体験談を聞く
実際に仕事を辞めた経験がある人からのリアルな体験談を聞くことで、辞めることのメリットやデメリットを具体的に把握できるようになります。特に退職後のキャリアや生活についての実例はとても良い参考材料になるでしょう。例えば収入が途絶えた後の生活がどうなるのかなどは文字で想像するよりも経験者から教えてもらうべきです。他人の成功例や苦労話を知ることで、自分の状況に合った退職や転職のタイミングを見極めやすくなります。
絶対に辞めないと解決できないのかを考える
仕事を辞めたい気持ちが大きければ大きいときほど、現職に対してマイナスな気持ちでいっぱいになっているため、辞める以外の選択肢は考えられない場合が多いでしょう。しかし、現職を続けている以上、辞めるのはいつだってできます。まずは現職の問題が、本当に転職や退職以外の方法では解決できないのか冷静になって検討することが大切です。職場の環境改善や業務内容の変更、スキルアップなど、他の手段で状況を改善できる可能性もあります。辞める以外の選択肢を試しても解決しない場合に、退職の決断をすれば後悔するリスクを減らせるでしょう。
退職に踏み切る4つのポイント
ここからは逆に、現職にとどまるべきではないポイントについて解説します。
以下に紹介する4つのうち、いずれかに当てはまる場合は退職に向けて検討を始めた方がよいかもしれません。
● 職場全体の環境が悪い
● 会社の将来が不安で、改善の見込みが薄い
● 既にストレスで心身に影響が出ている
● 環境やライフスタイルの変化を負担に感じている
一つずつ見ていきます。
職場全体の環境が悪い
パワハラやセクハラ、同僚間のトラブルなど、組織全体に問題がある場合は、残念ながら改善が難しいケースが多いのが現実です。「労働条件が守られていない」「業務量が過剰で長時間労働が常態化している」「給与が未払い」などがある環境では、心身の健康を損なうリスクがあります。職場全体の雰囲気が悪い場合は、個人で解決するのは困難なため、退職を検討しましょう。上司が退職に応じない場合はしかるべき機関へ相談をおすすめします。

会社の将来が不安で、改善の見込みが薄い
売り上げの低迷や経営方針の迷走など、会社の存続が危ぶまれる状況では、将来のキャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。業績悪化が続き、給与や福利厚生のカットなど従業員への対価にまで手を付け始めたら、いよいよ倒産のサインです。ほとんどの人が危機を感じるでしょう。もちろん従業員のモチベーションは下がり、職場環境は悪化します。有効な改善策が見られない場合や経営陣の対応が不透明な場合は、早めに転職を検討するのが安全です。
既にストレスで心身に影響が出ている
長期間のストレスが原因で、不眠や食欲不振、集中力の低下など、身体的・精神的な症状が現れる場合があります。このように具体的な症状が出てきた場合は、心身からのSOSと捉えて早急に対処をしてください。そのまま放置してさらにメンタルヘルスが悪化すると、うつ病や適応障害といった深刻な健康問題につながる可能性が高くなります。心身の健康が損なわれる前に、退職や休職を選択することが自身を守るための重要な手段となります。
環境やライフスタイルの変化を負担に感じている
結婚や出産、介護などのライフイベントによって、従来の働き方が負担に感じられる場合があります。また、異動による通勤時間の長さや業務内容の変化など、環境の変化がストレスを引き起こす要因となることも多いでしょう。自身のライフスタイルに合わない職場環境では、仕事と家庭や個人生活と両立させることが難しくなります。上司に相談しても無理なく働ける部署に異動させてもらえなければ、退職を検討した方がよいかもしれません。
仕事がつらいという理由で退職する際の流れと注意点
仕事がつらいという理由で退職する際の手続きの流れについて見ていきます。
一般的には以下の順番で進めていくことが多いでしょう。
● 就業規則などを確認する
● 退職したいことを上司に伝える
● 退職届を提出する
● 引き継ぎや社内外へあいさつする
● 最終出社日まで仕事をまっとうする
それぞれ注意点とともに詳しく見ていきます。
就業規則などを確認する
退職手続きに入る前に、退職申告の期限や手続き方法など退職に関する会社のルールを就業規則で確認しておきましょう。民法上は退職希望日の2週間前までに申し出ればよいことになっていますが、実際は会社によって別途期限が決められているケースがほとんどです。退職金や有給休暇の消化に関する規定も事前に把握し、スムーズな退職準備を進めましょう。会社によっては引き継ぎ期間や特定の手続きが必要な場合もあるため、早めの確認が重要です。
退職したいことを上司に伝える
退職の意思は、職場の規定に従い、適切なタイミングと方法で直属の上司に伝えます。退職を希望する1~2カ月前くらいに上司にアポを取り、周囲の目や耳に入らないスペースで個別に伝えるのが一般的です。上司との話し合いの場では、退職理由を冷静かつ簡潔に説明し、感情的にならないよう心掛けてください。なお、ネガティブな理由をそのまま伝えると引き留められる可能性があるため、なるべくポジティブな理由に変換して伝えるのがポイントです。引き継ぎ期間や後任の準備についても具体的に相談する姿勢を示し、円満退職になるよう努めましょう。
退職届を提出する
口頭で退職の申し出をした後に、退職の意思を正式に伝えるため、会社の規定に従って退職届を提出します。退職届には、退職理由や退職希望日を簡潔かつ丁寧に記載することが重要です。なお、事前に上司と話し合いをする際に、退職届に記載する内容についても確認を取っておくことで認識相違などのトラブルを回避できます。万が一、退職届を受け取らないなどの引き留めにあっても、既に意思が固まっているのであれば跳ね除けて構いません。

引き継ぎや社内外へあいさつする
退職前には業務の引き継ぎをしっかり行い、後任者やチームがスムーズに業務を継続できるように努めましょう。退職のタイミングではこれまでお世話になった社内外の関係者に感謝の意を伝え、ポジティブな印象を残すことが重要です。
なお、顧客や取引先に退職を伝えるのは、後任者への引き継ぎが完了するか今後の体制が整ってからとなるため、上司と相談の上で決定してください。後任者が決まらないうちに退職のあいさつをしてしまうと、顧客や取引先に不安を与えてしまいます。適切なタイミングであいさつを行い、信頼関係の維持に努めることが大切です。
最終出社日まで仕事をまっとうする
最終出社日は感情が高ぶり、普段の業務が手に付かなくなりがちです。しかし、あくまでも退職日まではその会社の社員であることを忘れてはなりません。退職日当日まで責任を持って業務を遂行し、最後まで職場への貢献姿勢を示すことが重要です。後任者への引き継ぎを完了させるのはもちろんのこと、日々の業務にもこれまで同様に真摯(しんし)に取り組むことで、円満退職につなげることができるでしょう。退職時に与える印象は、今後のキャリアや人間関係にも影響を与えます。「どうせ辞めるのだから」などと手を抜かずに、誠実で丁寧な対応を心掛けてください。
仕事を辞めて新環境へチャレンジするならジョバディに相談を
仕事を辞めたいと感じている場合は、原因を突き止め、現職で解決できる問題かどうかを判断することが大切です。
現職を辞めて新たな環境でチャレンジしたい人は、ジョバディに相談するのがおすすめです。利用者一人ひとりのスキルや希望に合った求人紹介はもちろん、キャリア相談や条件交渉、面接対策など多岐にわたるサポートを提供してくれます。
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