退職を切り出す勇気が出ない…。気まずい理由をなくして緊張せずに伝えよう!

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退職を切り出す勇気が出ない…。気まずい理由をなくして緊張せずに伝えよう!

この記事にたどり着いたあなたは、「今の会社を退職する決心をしたけれど、退職を切り出す勇気が出ない」といった悩みを抱えているのではないでしょうか? この記事では、退職を切り出す勇気を出すための準備や、会社を辞めるときに知っておくべき情報を紹介します。
項目別に解説しますので、退職から次のステップに進むための参考にしてください。

●切り出す勇気が出ないときは、まず理由を整理して考える
●勇気を出す妨げになっている要素を減らす、なくす
●勇気を出すきっかけになる要素を増やす、作る
●切り出すタイミングも重要
●よい転職先が決まっていると、切り出す勇気も出やすく会社にも受け入れられやすい

退職を切り出す勇気を出す方法は?

職場の上司に退職を切り出すとき、上手く伝えらえるどうか不安を感じる方が多いようです。そのためここでは、退職を切り出す勇気を出す方法を紹介します。次のSTEPで考えを整理して、勇気を出して前に進みましょう。
    
STEP(1)退職を切り出す勇気が出ない理由を考える
STEP(2)勇気が出ない理由を減らす、なくす
STEP(3)勇気が出る理由を増やす

順を追って、ひとつずつ見ていきましょう。

STEP(1)退職を切り出す勇気が出ない理由を考える

最初に、なぜ退職を切り出す勇気が出ないのかを考えてみましょう。勇気が出ない理由は人それぞれだと思いますが、対処するために、自分の場合はどのような理由なのか考えてみます。勇気の出ない理由への対処については後述するので、こちらではあまり触れていません。

退職を切り出す勇気が出ない理由には、次のような例が考えられるでしょう。

・引き止められたときの対応に不安
・周囲や同僚に迷惑がかかりそう
・会社を辞めることは、良くないという気持ちがある

STEP(2)勇気が出ない理由を減らす、なくす

勇気が出ない理由がリストアップできたら、理由のなかでの強弱を整理してみます。また、対処することで解決できそうな理由と、割り切るしかない理由に分けるなどして、勇気が出ない理由を減らしていくのが大切です。

退職を伝えるときの不安を一つひとつ取り除いて準備をすると、退職後の次のステップに目を向けることができます。

STEP(3)勇気が出る理由を増やす

次に、退職を切り出す勇気が出る、プラスの理由を増やします。
転職先が決まっている場合は、次のステップに進めることがモチベーションになり、退職を切り出す大きな勇気になるのです。例えば、現在よりも収入や待遇が良い、自分の成長につながる仕事につけるなど、次への期待が、退職に関する不安を払拭することにつながるのです。
また、退職してから転職活動をするより、転職先を見つけてからの方が、退職を切り出しやすくなります。これについては、後ほどくわしくまとめています。

退職を切り出すのが気まずいのはなぜ?

ここからは上記の3つのSTEPのそれぞれを深掘りしていきます。
退職を切り出すのが、気まずいのはなぜでしょうか?
退職時に職場で気まずい理由として主にあげられるのが、周囲への気づかいや引き止めへの対応などです。これらにどのように対処していくのか、それぞれ紹介していきます。

・引き止められたときのやり取りが面倒、怖い
・辞めるのはよくないことだと思っている
・辞めると周りに負担がかかる、周りに悪い気がする
・お世話になったのに申し訳ない
・辞めた後やっていけるかどうか不安
・今の仕事を辞めるのがもったいない気がする

ひとつずつ見ていきましょう。

引き止められたときのやり取りが面倒、怖い

引き止められたときの対応は、事前に対策を立てておきます。特に人手不足で、残業が多い職場では、引き止められる可能性があります。退職者が出ることで、一人あたりの負担が増え、新たな採用や教育にもコストがかかるからです。 場合によっては、上司が強い態度で引き止めることもあります。

退職の意思と理由をしっかりと伝える準備をして、可能なかぎりスムーズに退職して次の職場に移れるようにしましょう。
   

辞めるのはよくないことだと思っている

会社を辞めることはよくないこと、最低3年は同じ場所で働くべきという考えを持っていたのに、自分が退職しようとしていることに漠然とした罪悪感をもつ人がいます。人間関係や職場の雰囲気が合わなかったなどの悩みが退職理由の場合に、そのように感じることが多いようです。

現在は、転職してステップアップする働き方が珍しくないので、辞めることはよくないという認識を変えてみましょう。退職理由が「新たな挑戦」などプラスの方向の場合は、辞めるのがよくないとは思わないようですので、自分なりにプラスの退職理由を増やすようにします。

辞めると周りに負担がかかる、周りに悪い気がする

自分が辞めると、周りの同僚の業務負担が増える、負担増が一時的なものであっても周囲に悪い気がするというのも、退職を切り出す勇気が出ない主な理由のひとつです。
忙しい職場で、良い関係で一緒に仕事をしてきた人は、このように感じるようです。性格的に気を使うタイプの人が、このように感じてしまいがちです。繁忙期などを避けて、引き継ぎを準備して、このような懸念を消しましょう。

お世話になったのに申し訳ない

上司や先輩に仕事を教えてもらった、会社がスキル習得のために研修やO J Tなど手厚く支援してくれたなど、よくしてもらったという場合、お世話になったのに申し訳ないと感じてしまうものです。

ただ、退職しようと思う場合には、自分の仕事についての希望や考えと、今の職場との間にずれやミスマッチがあるはずです。お世話になったことには感謝しつつ、新たな一歩を進めることに集中しましょう。

辞めた後やっていけるかどうか不安

辞めた後の不安も、退職を切り出す勇気に影響をおよぼします。転職先が決まっていても、新しい職場でうまくやっていけるかどうか、労働環境はどうなのかと考え出すと、不安になってきます。そういった不安にかられないように、転職活動では、待遇や職場環境、仕事内容など、事前に確認しておきたいものです。

退職後に転職活動をする場合は、転職先が見つかるかどうか、本当に大丈夫なのかと不安になるようです。

今の仕事を辞めるのがもったいない気がする

次の仕事が決まっていないと、正社員の待遇や福利厚生がなくなるので、不安がともないます。転職先が決まっていても、仕事の内容重視で、現在の職場より規模の小さいベンチャーを選んだ場合、労働環境や福利厚生について心配になるものです。
転職先を決めずに退職するときには、一定期間、収入がなくても大丈夫な貯金などの備えが必要です。

また、仕事内容に加えて、待遇や福利厚生も生活していくために、大切なことですので、希望を満たす条件の職場を選ぶようにしましょう。

退職を切り出せない理由を減らす、なくすには?

ここまでは退職を切り出せない理由への対処についてまとめてきましたが、ここからは退職を切り出せない理由を減らす、なくす方法について具体的に紹介していきます。
退職を切り出せない理由を減らして、自分の意思を固めていきましょう。切り出しにくい理由、それぞれについて、どう対処するかを考え、決めておきます。 

・引き止められない退職理由を考える
・転職者のデータを見て罪悪感をなくす
・忙しい時期を避ける
・引継ぎの準備をしっかりしておく
・先に転職活動をして転職先を決めてしまう
・続ける場合と辞めて転職する場合を比べてみる

それぞれについて紹介します。ひとつずつ見ていきましょう。

引き止められない退職理由を考える

部下の退職が続く場合、管理職は会社の人事考課で評価が下がったり、管理職としての資質を問われたりします。退職理由が職場の不満などネガティブな場合、そのように評価が下がる対象になります。引き止められないためには、新しいチャレンジ、現在とは違う方向性の仕事へ進むことにしたなど、前向きな方向転換やプラス思考の退職理由を考えておくことが重要です。
  
また、転居や結婚、家業の手伝いなどの場合は、ライフステージやプライベートの都合上、やむを得ないということで、引き止められにくい理由です。退職を切り出した場合、一旦は引き止められるかもしれませんが、何度も止められることがないような退職理由を伝えるようにしてみましょう。

転職者のデータを見て罪悪感をなくす

近年、転職は珍しいことではなくなってきました。今の職場でも一定数の退職者が毎年いるのではないでしょうか。
ビジネス環境の変化が、以前よりもかなり速くなっています。人材も流動的に移動しています。一度データなどを見て、既成概念や罪悪感をなくすようにしてみましょう。

厚生労働省によると、企業の離職率は約15.0%。過去10年間、ほぼ同程度を推移しています。新卒採用の約30%が3年以内に退職するというデータもあります。

参考:
厚生労働省「令和4年 雇用動向調査結果の概要」(令和4年)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/kekka_gaiyo-01.pdf

厚生労働省「新規学卒者の離職状況(令和2年3月卒業者)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00006.html

忙しい時期を避ける

「周囲に負担をかけてしまいそう」という理由から、退職を切り出す勇気が出ない場合、忙しい時期を避けると、勇気が出やすくなります。

業界や自社が忙しい時期を把握して、退職時期を計画します。繁忙期は、自分自身も忙しくて、転職に向けた活動も活発にはしづらいので、おのずとその時期とずれていることもよくあるようです。

また、時期による忙しさの変動が少ない業界や職種もあります。今の仕事に繁忙期がある場合には、できるだけ避けるようにします。

引継ぎの準備をしっかりしておく

周囲への負担が気になるケースの対処として、引き継ぎの準備をしておくことが大切です。担当していたプロジェクトや取引先の情報を簡潔にまとめて共有できるようにします。余裕があれば、後任者向けに仕事の進め方やポイントを書いたマニュアルを準備するなどの対応をすることで、周囲の負担も少なくなります。

先に転職活動して転職先を決めてしまう

会社を辞めても大丈夫だろうか、やっていけるのかという不安をなくすためには、転職活動をして、退職を切り出す前に転職先を決めておくのが何よりの方法です。現在の仕事をしながら転職活動をするのは大変ですが、収入の空白期間を作らないためにも、在職中に転職活動をしておきます。そうすることで、退職後の不安なく、今の職場に退職を切り出すことができます。

次が決まっている方が引き止められにくく、上司からも受け入れられやすくなります。自分自身も後回しにできず、退職を切り出す勇気が出やすくなります。

続ける場合と辞めて転職する場合を比べてみる

次の職場でやっていけるだろうか、こういった不安があるのも当然です。
今の仕事を続ける場合と、辞めて転職する場合を比べて考えてみます。

・仕事の内容
・会社の企業風土
・将来性
・給与、待遇、福利厚生

具体的に、今の職場と転職先を比べましょう。特に、現在仕事を選ぶ際に、ご自分が優先すること、譲れない項目について、どちらが良いか考えます。そのうえで、今の職場で働き続けるか、転職するかを選択します。今の職場で働きながら、さらに納得できる転職先を探す活動を行なう選択肢もあります。

転職した方がいいと言える理由を考える

転職した方がいいと言える理由を考えるSTEPを紹介します。
次のSTEPで、今の仕事を選んだ時のことや、実際に働いてみてどう感じたかなど、振り返りましょう。
その後の変化や、現在のあなたの仕事に関する考えにいたったプロセスを振り返ります。

STEP(1)入社時にその会社を選んだ理由を思い出す
STEP(2)実際はどうだったか客観的に考える
STEP(3)今大切にしたいことをリスト化する
STEP(4)転職するメリットをリスト化する
STEP(5)転職してメリットやいいことの方が多いか考える

STEP(1)入社時にその会社を選んだ理由を思い出す

今の会社を選んだ理由を具体的に思い出します。
仕事の内容、将来性、会社の事業内容、給与や待遇など、会社選びのときに何を重視して就職活動をしていたか思い返してみましょう。

当時はどのような条件が自分の希望に合っていると感じていたのか振り返ったり、入社前に期待していた職場や仕事のイメージを思い出しましょう。

STEP(2)実際はどうだったか客観的に考える

現在の会社に入ってみて、実際はどうだったか客観的に考えてみましょう。入社前の想像と実際の仕事や職場にどのくらいギャップがあったのか、といった事を挙げてみましょう。

そして入社する決め手になった、当時の自分が大切にしていた条件を今の職場は満たしていたのか考えてみます。当時は思い通りだったのであれば、自分が仕事に対して求めるものが変化してきたのだと、改めて気づくと思います。

入社前に大切にした条件が、実際には期待はずれだった場合には、事前に会社の実情を把握しきれていなかったことになります。

STEP(3)今大切にしたいことをリスト化する

今、仕事や職場選びで、大切にしたいことをリストにします。以前はどうだったかとは関係なく、今大切にしたいことを思いつくだけリストにしてみましょう。

STEP2で気づいた自分の変化や、変わらず持っている希望も反映します。 
 
全て書き出したら、やはり優先順位をつけて譲れない条件と、現実的に妥協する点があるとしたら、どの程度までは妥協できるかをイメージしておきます。 
  

STEP(4)転職するメリットをリスト化する  

転職することで得られるメリットをリスト化します。
例えば、次のような内容です。  

・残業が減る
・収入が増える
・自分の得意なことを生かせる
・昇進の可能性が上がる
・将来性がある
・成長の機会がある
・無理なノルマなどがない
・プレッシャーがない
・通勤に便利
・リモート可能
・ストレスが減る
・プライベートと仕事のバランスがとれる など

リスト化した項目に、自分にとっての大切さ、重要な順位をつけます。そして、必ず条件を満たしたい項目、できれば満たしておきたい程度、条件に合わなくても許容範囲な条件はあるかなど、考えて分類しておきます。 

STEP(5)転職してメリットやいいことの方が多いか考える  

転職することで、実際に得られるメリットが今よりも増えるかどうかも考えてみます。STEP4で作ったリストの中で優先順位の高いものが実現できそうか、妥協する点は許容範囲なのか検討します。

転職先が決まり、入社の条件が提示されている場合は、具体的な内容をしっかりと検討しながら、転職のメリットが多いかどうかを考えます。考えた結果、今より状況がよくなるならば、転職した方が良いと決心できて、退職を切り出す勇気が出るでしょう。  
  
転職してもメリットがあまり多くないことに気づくケースもあるかもしれません。もしかしたら、むしろデメリットが見つかることもありえます。そのような場合は、退職をすぐには切り出さずに、もっと条件に合った転職先を探す活動を続けます。

転職することで得られるメリットのリストは、これからの転職活動に活用していきます。

勇気が出る理由を増やすには?

退職への勇気が出る理由を、できるだけ増やすための方法を紹介します。勇気が出る理由を増やすための項目、それぞれについて次の項で解説します。 
  
・転職先を決めておく
・相談できる味方を作っておく
・切り出すタイミングを工夫する
・引き止められた時の対処を準備しておく
・トラブルになりそうなことの対処を準備しておく

ひとつずつ見ていきましょう。

転職先を決めておく

やはり、転職先を決めておくと、退職を切り出しやすいものです。転職先と相談した入社時期があるので、後回しにすることもなくなり行動しやすくなります。 

転職することで現在の仕事環境や人間関係などの悩みから解放されると思うと、退職を切り出すことに前向きになり、後ろめたさも減るでしょう。次が決まっていると慰留の働きかけも強くない傾向にあるので、退職を切り出すときの悩みごとが減っていきます。 
  

相談できる味方を作っておく

相談できる人を作っておくと、退職を切り出す勇気を増やすのに効果的です。ただし、社外の人の方が相談相手としては適しています。
社内で信頼できる相手であっても、退職を考えていることが思わぬところで上司などに知られてしまう危険性があります。

誰かに悩みを相談することには、自分の考えが整理されて気持ちがすっきりする効果があります。自分とは違う視点のフラットな意見を聞いて新たな気づきがあるかもしれません。
また、自分の考えに共感してくれる家族や友人に相談することも、勇気が出て退職を切り出すモチベーションにつながります。 
 
その他、キャリアアドバイザーなど就職や転職のプロの意見を参考にするのも有効な選択肢のひとつです。 

切り出すタイミングを工夫する 

退職を切り出すタイミングを工夫することも重要です。 
受け入れられやすいタイミングを考えてみます。すでにご紹介した通り、まずは繁忙期を避けることがおすすめです。 
その他、定期的な人事異動の少し前に伝えることで会社側が後任のメンバーの異動を検討しやすくなるかもしれません。 

さらに詳しく後の項でも紹介しますので、そちらも参考にしてください。

引き止められた時の対処を準備しておく

引き止められた時の対処として、想定できる引き止めの仕方にどのように対処するか準備をしておくと心強く、退職を切り出しやすくなります。 
会社が引き止めるときには、ある程度パターンがあるので、主なパターンに対して準備しておくと、安心することができます。

こちらも後で詳しく紹介します。 
  

トラブルになりそうなことの対処を準備しておく

退職を切り出したときに起きるトラブルについて、対処を準備しておきます。 
有給休暇の消化や退職日までの待遇など、発生しやすいトラブルを想定して、対処を準備します。希望の時期に退職させてくれないなど、嫌がらせ的なトラブルもたまに起こるようです。  
  
トラブルなく過ごせるのがベストですが、問題が起きたときの対応を準備しておくことをおすすめします。    
  
  

おすすめの切り出すタイミング

退職を切り出すのにはタイミングが大切です。おすすめのタイミングとその理由について、項目別に紹介します。

・前提として、繁忙期を避けて閑散期に転職する
・食事の後
・休みの前日
・上司の手が空いているとき  
  
また、法律では社員が会社に退職を申し出る時には、2週間前までに申し出れば良いことになっています。ただし、会社の就業規則で別に1ヵ月以上前に申し出るなど規定されている場合もあります。一般的には、1〜3ヵ月前に退職の意向を伝えるのが基本とされています。有休消化なども考慮して、よいタイミングで切り出すようにします。
良いタイミングについて、ひとつずつ見ていきましょう。

前提として、繁忙期を避けて閑散期に転職する

くり返しの紹介になりますが、繁忙期を避けて閑散期に転職することで、現職の退職がスムーズになり、トラブルも発生しにくくなります。繁忙期に転職すると、上司がネガティブに捉えて印象が悪くなり、引き止めや退職までに起きやすいトラブルの原因になることがあるからです。   
 
繁忙期に退職して欠員が出ると、同僚や周囲の負担が増えるので、否定的にみられるようになります。繁忙期が落ち着いた時期に、退職を切り出して閑散期に退職できるのがおすすめです。

食事の後

上司と食事をする機会がある場合、食事の後のリラックスしたタイミングも、退職を切り出すのに良いタイミングのひとつです。 
 
二人で食事をして周囲に同僚などがいないのもプラス要素です。 

上司の心理的な状態が良いときが、退職を切り出すのに良いタイミングです。

休みの前日  

休みの前日に、退職を切り出すのもひとつの方法です。
休日という、短いですが冷却期間を置くことで、上司が冷静に落ち着いて受けとめることができます。

退職を切り出した翌日の気まずい雰囲気を避けることもできます。また、話がこじれた場合にも、双方にとって冷静になる時間を作ることができます。

上司の手が空いているとき

上司の手が空いているとき、時間的な余裕があるときに、退職は切り出すようにします。忙しいと、きちんと話を聞いてくれないこともあります。時間をとってくれたとしても、ピリピリしていて、話がこじれるかもしれません。 
また、忙しいからと、何の対応もなく放置されてしまう危険性もあります。 

よくある引き止めの言葉と対処法

引き止めにはある一定のパターンがあります。よくある引き止めの言葉と、対処法を考えて準備しておきます。

主な引き止めのパターンと、それぞれへの対処を紹介します。 
  
・何を言われても辞めるという気持ちを変えないのが前提
・「人が見つかるまで待ってほしい」
・「ここで続けられないならどこに行っても通用しない」
・「不満があるなら改善するから残ってほしい」
・「君は会社に必要な人材だ」

ひとつずつ見ていきましょう。

何を言われても辞めるという気持ちを変えないのが前提

転職先が決まっていて、転職のメリットも確認できている場合は、何を言われても止めるという気持ちを変えないことが前提になります。   
  
会社としては、退職を一度は引き止めるのが原則です。
採用や教育コスト、欠員補充にかかる新たなコストなど、退職者を出したくないのが会社側の事情です。
  
こちら側が交渉の余地ある態度を見せると、そこを突かれる可能性がありますので、退職の意思が固まっていることを伝えます。 
  
引き止めを避けるには、よく考えて退職の決心をしておく必要があります。
  

「人が見つかるまで待ってほしい」

「人が見つかるまで待ってほしい」というのも、引き止めの定番パターンです。

単なる引き止めの言葉の場合も多く、本腰を入れて後任を探さないケースも見られます。 

基本的には応じない方がよい引き止めパターンです。

会社側が明確な時期や期間を提示してきた場合、転職先への入社に間に合う、有休消化できるなどの条件が合うかどうかを確認します。
  
本当に後任がいなくて困るのであれば、あなたが会社をやめる前に本腰を入れて後任を探すはずです。

「ここで続けられないならどこに行っても通用しない」

「ここで続けられないならどこに行っても通用しない」は、退職を切り出した人を不安にさせて引き止めようとする言葉です。あるいは、他の人が良い職場へいくのを邪魔したいだけの言葉だったりします。

真に受けることはせずに「そうですか」などの返答をします。
定番の引き止めを行なっているだけなので、このような言葉に耳を傾ける必要はありません。そもそも上司は転職先の状況を知らずに発言していて裏付けがなく、もし上司が転職経験がない場合にはなおさらで、気にかけなくて良いでしょう。
  
このような言葉を上司が言っても揺らがないよう、不満の原因を解決するように努力して、これまでの努力に自信を持つようにします。  
  

「不満があるなら改善するから残ってほしい」

退職を切り出したタイミングで、「不満があるなら改善する」というのは信頼できる言葉ではなく、機械的に断るようにします。 

その場限りの口約束で、改善は期待できないのがほとんどです。そう言っている上司に改善の権限があるのかも考えてみると、意味のない言葉だとわかります。 

過去に退職を申し出た人が、引き止めを受けて残って改善された前例があるのかを思い返してみます。
もし万が一そういった例があっても、自分の状況が変わる可能性があるか客観的に考えます。 
  
自分がいなくなると困るほどならば、退職を申し出る前に待遇の改善や仕事内容など改善されていたはずです。 
  
会社への不満を退職理由にすると、こういった言葉で引き留められるので、自分個人の前向きな方向転換など、プラスの自己都合を理由にするのが良いのはこのためです。

「君は会社に必要な人材だ」

「君は会社に必要な人材だ」と言われた場合も、お礼を言いつつ応じないのが基本です。 もし退職せずに、今の会社に残ったとしても、一度退職を切り出したことは消えません。そのことを気にしない会社もあるかもしれませんが、やはり、昇進の機会などにそのことが、後々影響する可能性があります。 

また、他の言葉と同様に、引き止めを目的とした常套句の場合もありますので、職場のこれまでの状況を考えて、冷静に受けとめます。 
  
気持ちが揺らぐ場合もあるかもしれませんが、その場で即答せずに、冷静に考えて結論を出しましょう。

あり得るトラブルと対処法

退職するときにあり得るトラブルと対処法について紹介します。  
  
・有休の消化をさせてもらえない場合
・引継ぎがスムーズにできない場合
・上司や同僚の態度が変わる場合
・賞与を減額された場合

このように不利益が伴うトラブルにどう対処するか、それぞれ紹介します。ひとつずつ見ていきましょう。  

有休の消化をさせてもらえない場合

有給休暇の消化は、退職時によく起こるトラブルです。退職予定者だからといって、有休取得の権利をおざなりにするケースがあります。人事部門など退職プロセスに関わる管理部門や、コンプライアンス窓口を活用しましょう。ひどい場合は、労働基準監督署に相談することをおすすめします。
  
ただし、退職時期を繁忙期にしない、退職をある程度事前に申し出ておくなどのタイミングの工夫も必要です。無理なスケジュールを押し通そうとすると、こじれる原因になります。

引継ぎがスムーズにできない場合  

欠員補充がなく、引き継ぐ相手が現状の仕事と兼務する場合や、自分が辞めるまでに後任者が決まらないケースがあります。そのような場合、引き継ぎに困ってしまいます。
  
誰が後任になるか決まっていない場合、担当の仕事のプロセスや情報を簡潔にまとめて、マニュアルなどの準備をしておきます。

一旦、上司が引き継ぐ場合もあるので、準備した資料を渡すようにします。

退職を切り出すタイミングや余裕を持ったスケジュールとして1〜3ヵ月前に伝えて進めるようにしましょう。

退職が受け入れられたら、上司に引き継ぎのプロセスを相談して、無理な指示でなければ、その指示に従うのがトラブルを避ける方法です。

上司や同僚の態度が変わる場合

退職が決まると上司や同僚の態度が変わる場合があります。多少の変化はやむを得ないと割り切って、退職日まで過ごしましょう。 

ただし、あまりにもひどい場合、例えばコンプライアンスに抵触するような嫌がらせがあった場合は、社内の窓口に相談するようにしましょう。さらに問題が続いて解決しない場合には、労働基準監督署に相談も考えられるでしょう。録音などで、ハラスメントや嫌がらせの証拠をとっておくことで、相談に備えます。 

退職代行サービスなどもあるので、信頼できるサービスであれば利用を検討してもよいでしょう。

賞与を減額された場合  

賞与は会社によって基準が異なりますが、賞与の支給に必要な在職期間を満たしている場合には、きちんと受け取りたいものです。 
将来への期待値などが、賞与の査定に含まれるケースもあり、そのような場合はマイナス査定になり一定の割合で減額になるのはやむを得ないようです。 
営業職で目標数値を達成していたり、他の職種でも実績を上げていたりと、賞与の査定で正当に評価される項目があれば、人事や上司に伝えるようにします。
査定前の評価のフィードバックがあれば、その場で伝えられると良いでしょう。
  

勇気が出やすいように、いい転職先を見つけるには?

退職を切り出す勇気が出やすいようにするには、転職先を見つけること、希望の条件にあった職場を探すことが大切です。自分にとって、良い転職先を見つけるためのコツや方法を紹介します。
  
・転職活動の初めに、自己分析をしっかりする
・転職エージェントを活用する
・求人が多い時期に転職活動する
・希望する条件の優先順位をはっきり決める
  
単に転職先が決まっているだけでなく、自分にとって良い職場が見つかっていることで、勇気が出やすくなります。ひとつずつ見ていきましょう。

転職活動の初めに、自己分析をしっかりする

転職活動の初めに自己分析をして、どのような職場を希望するかを考えます。 
  
・自分のこれまでのキャリア
・これからのキャリアの希望
・持っているスキル
・身につけたいスキル
・得意なこと、強み
・苦手なこと

どのような仕事ができる、どのような仕事をしたいかがイメージできたら、それも具体的に書いておきます。また、やりたくないということも具体的にしておきます。どのような仕事のためなら、自分は努力できるのかも考えておきましょう。

転職エージェントを活用する

転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するのも選択肢のひとつです。キャリアアドバイザーが自己分析やどのような職種や業界が向いているなどの適性についてアドバイスをくれるので、求人情報の探し方や条件の確認などもスムーズになるなどのメリットがあります。
自分にあった良い企業探しだけでなく、退職についての留意点や対処など、転職支援のプロの知識を参考にしましょう。

求人が多い時期に転職活動する

求人が多い時期を知って活動するのも効果的です。一般的に10月と3月に求人数が増えると言われています。その1〜2ヵ月前から、自己分析や希望の業界のリサーチ、応募書類の準備などを始めておくとよいでしょう。 
 

希望する条件の優先順位をはっきり決める

次の職場を選ぶ際に希望する条件の優先順位をはっきり決めておきます。 転職することで得たいメリット、仕事選びで大切にしたいことを、これまで作った希望のリストの優先順位をはっきりさせます。

・給与や待遇
・休日
・仕事の内容
・労働時間
・職場の雰囲気
・将来性
・勤務地
・勤務形態  
  
大切な希望をかなえるために、優先順位が低いものや妥協できるものも把握しておきます。

受け入れられやすい最強の退職理由の例

受け入れられやすい退職理由の例を紹介します。
会社への不満を理由にすると、引き止めにあったり、受け入れられなかったりするケースが多いのでそれ以外の理由になります。自分のキャリア転換や、プライベートの理由などが、自己都合が受け入れられやすい退職理由です。 

これらの理由が、実際とは異なっていたとしても、退職後に事情が変わったといえば良いので法的に問題はありませんが、そのことが会社に伝わることでのデメリットもあるので注意しましょう。

次のような理由が退職理由の場合は、会社に受け入れられやすいので、余裕のあるスケジュールで退職を切り出すようにします。  

・転職することになった
・新しいことにチャレンジしたい
・結婚、引っ越しなど家庭環境の変化
・体調不良のため  

ひとつずつ見ていきましょう。

転職することになった

次が決まっていると、会社も引き止めにくくなります。そのためにも、転職活動を先に行なっておくことが、退職時にメリットとなるのです。 
今の仕事の不満や批判は言葉に出さず、自分自身のキャリアアップや将来に向けた挑戦として、転職することになったと伝えてみましょう。ポジティブな言い回しで伝えることで、受け入れられやすくなります。

新しいことにチャレンジしたい  

今の仕事とは違う新しいことにチャレンジすることになったというのも、受け入れられやすい理由のひとつです。会社を否定せずに、自分の将来や事情だと伝えられます。 
現在の会社では、新たなチャレンジは実現できないので、引き止められにくくなります。

新たなチャレンジにはスキル習得など大変だから、今の会社に在籍しておいた方が良いのでは、などと引き止められる可能性はありますが、真に受ける必要はありません。勉強中であることや資格習得なども説明できれば、退職理由としての説得力が高まります。

結婚、引っ越しなど家庭環境の変化

結婚、家族の転居、家業を継ぐ、家族の看病や介護などの、家庭環境の変化は、受け入れられやすい理由です。
会社の管理職は、退職者が出た場合に評価が下がったりする場合もありますが、家庭環境の変化が理由の場合、例外になるケースもあるようです。  
  
また、家庭環境の変化は、会社にはどうすることもできないので、やむを得ない理由ということで、ある意味最強の退職理由です。稀なケースですが、家族の病気など家庭の状況を根掘り葉掘り聞かれることがあります。そのような場合には、「家庭の事情なので、察してください」と伝えます。

体調不良のため

体調不良も受け入れられやすい退職理由です。健康経営は会社が負う義務ですので、労働環境など会社も責任を問われることがあって、強く引き止めることが難しくなります。 
このような場合、診断書などもあった方が、説得力が増します。
さらに、残業時間など、長時間労働の事実があれば、その記録も整理しておきます。

切り出すには、決意と勢いも必要

この記事では、退職を切り出す勇気が出ないことへの対処を紹介してきました。
切り出せない理由をなくす減らす方法を紹介してきましたが、最終的には決意や勢いも必要になります。なによりも、退職の意思を固めることが重要です。退職を切り出すために、準備した材料や状況が整ったら、最後の一押しは自分の決意です。

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