仕事を辞めたい……人間関係で悩んだとき辞めた方がいいかどうか判断する方法

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仕事を辞めたい……人間関係で悩んだとき辞めた方がいいかどうか判断する方法

「人間関係の悩みで仕事を辞めたいが、このまま辞めてしまってもよいのか?」
この記事にたどり着いたあなたは、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。

働く上で、どうしても付いてくる悩みの一つに「人間関係でのトラブル」があります。ハラスメントやいじめなど深刻な問題に発展しているにも関わらず、心身に影響が及ぶまで自分一人で問題を抱えてしまうケースも少なくありません。

職場の人間関係が毎日の悩みの種になっている場合には、「とにかく退職したい」と思うのは無理もないのですが、まずはいったん冷静になって状況を整理してから「今、退職するか」「退職せずに様子を見るか」を再度検討することをおすすめします。

この記事の要点は、以下の通りです。

●継続的な人間関係と、叱られたなど単発のできごとは区別すべき
●まず理由を整理して対処法を実践し、解決する努力をする
●辞めない方がよいケースもあり辞めずに続ける場合も対処の選択肢がある
●ハラスメントやいじめ、職場の雰囲気が悪いなどの場合は辞めた方がよい
●辞める場合は前向きな理由を伝え、できるだけ退職する前に転職先を見つける

上記について、詳しく解説していきます。初めから順に読んだ方がもちろん理解しやすいですが、気になるところだけ拾い読みでもOKです。

人間関係は仕事を辞めたい理由の上位に入る問題

「人間関係」は、いろいろなアンケートなどを見ても仕事を辞めたい理由の上位に入る主な理由の一つです。
厚生労働省の「令和4年 雇用動向調査結果の概要」によると、男女とも約10%前後が前職を辞めた理由として挙げています。さらに退職理由の割合を比べてみると、1位の「労働条件」とほぼ同じ割合で「人間関係」は2位となっています。
つまり「人間関係」で辞めたいという悩みは、多くの人が抱える問題であるようです。人と人とが関わり合いながら働く会社においては、切っても切り離せない問題なのかもしれませんね。

主な辞めたい理由

上記の「令和4年 雇用動向調査結果の概要」を見ると、「個人的理由」で挙げられている退職理由のうち、割合の高いものは次の通りです。

・労働時間、休日等の労働条件が悪かった
・給料等収入が少なかった
・会社の将来が不安だった
・仕事の内容に興味を持てなかった
・能力・個性・資格を生かせなかった

こちらのデータによると、「その他の個人的理由」を除けば上記がほとんどです。男女で若干の差があるものの、ともに人間関係での悩みは「その他の個人的理由」に含まれます。

辞めたい理由になる人間関係のトラブル例

辞めたい理由として、よく挙げられるトラブル例は以下の通りです。トラブルの大小はあっても、人間関係の問題のほとんどがこれらの理由に分類できます。

・上司と相性が よくない
・同僚との関係がうまくいかない
・取引先や顧客に苦手な人がいる
・ハラスメントを受けている

順に詳しく見ていきます。

上司と相性がよくない

人間関係での悩みとして多く見受けられるのが、上司が「理不尽」「自己中心的」などの理由です。会社においては、一般的に部下が上司の指示に従いながら日々の仕事をこなしていきます。その中で、上司の仕事の振り方や接し方に思い悩むシーンがどうしても増えてしまうようです。
特に若い世代へのイメージとしては「厳しい上司が嫌いになるのでは?」と思われがちですが、一概に厳しいだけでは不満につながらない場合の方が多いです。「上司自身がきっちり仕事をしていて尊敬できる」などの信頼関係があればこそで、不信感が募った結果が上司との溝を生んでしまっていると考えられます。

  ###同僚との関係がうまくいかない

同僚とのトラブルも退職に向かう悩みとして多く挙げられます。理由としては、上司より近い存在で接する機会も多いため、関係がうまくいかないとストレスになりやすいという点にあります。ほとんどの仕事は一人で完結することはあまりなく、苦手だからと離れられないのが難しいところです。
また、上司のような上下関係ではなく対等な関係なので、役割がはっきりするわけでなく相手に応じた関係を築かなくてはなりません。これまでは良好な関係であったとしても、一つのトラブルが原因でギクシャクしてしまうケースも十分に考えられます。

  ###取引先や顧客に苦手な人がいる

退職したい理由は社内だけに限りません。例えば取引先や顧客で苦手な人がいる場合は、自分一人では解決しにくくストレスが大きくなりがちです。合う/合わないならまだしも、理不尽だったり強引だったりするとさらに心理的負担がかかる難しい問題です。
商品やサービスを買ってもらう立場であれば、なおさら意見したり手を打ったりすることが困難になるでしょう。我慢をし続けてしまい、深刻な心のダメージへとつながった結果が退職という選択になる場合もあるようです。

  ###ハラスメントを受けている

ハラスメントを細かく分けると多種多様にわたります。上司からの「パワハラ」、上司・同僚からの「セクハラ」などはよく耳にするのではないでしょうか。そのほか場合により、妊娠・出産の際に退職を迫るなど不当な扱いをする「マタハラ」や男性が育休などを取得することを阻害する言動などを行う「パタハラ」などもあります。
ハラスメントの問題に対しては扱いが難しく、当事者同士が一対一で話してハラスメントをやめてもらうよう対処するのは難しいことが多いようです。

「人間関係」と「できごと」は区別しよう

なお、継続的な「人間関係」と単発の「できごと」は区別が必要です。例えば一度上司に厳しく叱られたとしても、それ以降は元の態度で接することができれば、人間関係の問題ではありません。問題の本質を考えるコツとしては、叱られたことを人間関係だとすり替えてはいけないということです。これは同僚とのケンカなども同様です。
参考に、パワハラがどのように判断されるか見てみるとわかりやすいです。もちろん極端に強い苦痛を与える言動は一度でもパワハラ認定されますが、普通は繰り返されるかどうかが判断材料になります。

職場の人間関係を悪くする理由とは?

人間関係を悪化させる理由として、代表的なものは以下の通りです。どれもどんな職場でも起こりうる身近な理由であるといえます。

・社員間のコミュニケーション不足
・仕事自体のストレスなど
・接する時間が長いことによるストレス

順に詳しく見ていきます。

  ###社員間のコミュニケーション不足

人間関係の基本として、最も大切なのがコミュニケーションといえるでしょう。コミュニケーションが足りないと、誤解や不信感などの原因になり得ます。
またコミュニケーション不足は、相手の情報不足にもつながります。その場合、相手を正しく理解する材料が少なくなり、親近感を抱きにくくなることにもつながります。結果として、イメージだけの人物像が悪影響を及ぼして、正しく理解しようとする意識がなくなったり、憶測で考えたりするようになる危険性もあります。そうして誤解や不信感を引き起こし、人間関係が悪化してしまうこともあるでしょう。

  ###仕事自体のストレスなど

職場環境の問題ともいえますが、仕事の量が多かったりプレッシャーが大きかったりして、仕事自体にストレスを感じている場合に人間関係がギスギスしてしまうこともあります。誰しもストレスの下では、心の余裕がなくなりイライラしがちです。ストレスのコントロールがうまくできない人が職場にいる場合には「いつもイライラしているので話しかけにくい」「八つ当たりされてしまった」など一人のイライラがだんだんと周りにも影響していくものです。その結果、職場全体の雰囲気が悪くなり、人間関係が悪くなることにつながります。

  ###接する時間が長いことによるストレス

接する時間が長いと一緒に働く人の仕事中のしぐさなど、嫌なところがどうしても目に付いてしまうものです。(例:キーボードをたたく音が人より大きいなど)
また、仕事に関係ないところでも気になりだすと止まらなくなりがちです。(例:食事を食べる音など)
一つひとつを見るとささやかなことかもでも、毎日顔を突き合わせて仕事をしていることで気になってくることがあるでしょう。そういった嫌なところや気になることのせいで、次第に接することにストレスを感じるようになり、人間関係が悪化する要因にもなり得ます。

人間関係で悩んだらまず解決する努力をする

誰しも悩みは解決しようと思ってはいるはずですが、「どこから着手すればいいか」「解決の道筋を知りたい」と考えている方は以下を参考にしてみてください。

・問題の原因を整理する
・解決方法を実践する
・上司・相談窓口などに申し出る
・問題が解決できない場合は転職を検討する

順に詳しく見ていきます。

問題の原因を整理する

解決を目指す取っ掛かりとして、原因を「客観的」に整理することから始めましょう。相手に原因があると思って悩んでいたのに突き詰めたら自分が原因になっていたなど、客観的な目線で整理してみると誤解に気付く場合もあります。
順序としては、まずは自分に問題がないかを振り返ります。その後で相手の問題点を考えるとよいでしょう。また、どちらに原因があるとも言い切れない両者の間の関係性や相性が原因の場合があることも頭に入れておいてください。

解決方法を実践する

原因がわかったら、解決方法を考えて実践します。自分に原因がある場合は、真摯に改めることです。相手に原因がある場合は、言い方に気を付けつつ注意を促すことを試みましょう。人は自分が責められていると感じると、どうしても意見を受け入れにくくなるものです。伝えることだけに固執するのではなく、意識的に相手の言い分を聞くことが大切です。
お互い納得した状態で改善を約束したら、それ以降は引きずらないように友好的な態度を心掛けるようにしましょう。

上司・相談窓口などに相談する

人間関係の原因が「ハラスメント」など自力で解決できないような問題の場合は、無理せず相談することが先決です。
相談先は、信頼できる上司、人事などの第三者、設定されている相談窓口など勤め先の組織体制によって選択しましょう。場合によっては、労働局の相談窓口などへの相談も検討します。
なおハラスメントは、証拠や記録を残すことが必要です。記録の取り方は、メモでも録音でも構いませんが、5W1H(いつ・誰が・どこで・何を・なぜ・どのように)を意識して第三者から見ても状況がわかりやすくしておきます。

問題解決ができない場合は転職を検討する

これまでに述べた対処方法を実践しても改善されなければ、退職も選択肢に入れてもよいでしょう。その際に、辞めてもいい場合/辞めない方がいい場合を判断してほしいのですが、具体的な内容は後で説明します。
感情的に愚痴を言う、もめるだけでは何も解決しないので、第三者的な視点で前向きなアクションを起こすことが大切です。もし辞めることになっても、そうした問題改善のために手を打った実績は転職活動で好意的に評価されることでしょう。

人間関係で悩みがあっても仕事を辞めない場合の選択肢

「退職」は最終手段として、極力辞めない方向で考える場合は以下のような選択肢があります。ご自身の悩みの段階によって、考え方の参考にしてみてください。

・仕事だからと割り切る
・最低限の関係に抑える
・部署の異動を申請する
・いったん休職する

順に詳しく見ていきます。

仕事だからと割り切る

自分のマインドを保つ方法として、普段から「職場の人間関係は仕事の一部と割り切る」ことをおすすめします。仕事は人間関係に限らず、好きなことばかりとは限らないものであるということを前提としましょう。
業務は業務として行い、相手の性格や自分との相性は仕方ないと考えるとストレスが軽減されるのではないでしょうか。著しく嫌がらせを受けている場合などは別の対処が必要なので、苦手な人と接するときの気持ちの作り方の一つとして日々意識しておくとよいでしょう。

最低限の関係に抑える

うまくいかない相手とは必要最低限のやりとりに抑えることも一つの方法です。すでに苦手意識がある人とは、萎縮してうまく話せなかったり苦手な気持ちが態度に出てしまったりして、悪循環に陥りがちです。
やりとりが必要な場合は、対面でなくメールやチャットなどを使うのも有効です。接触を最低限にすることで、トラブルを予防することにもつながります。

部署の異動を申請する

所属の部署に苦手な人がいる場合は、異動を申請するのはいかがでしょうか。ただし、部署移動は会社の組織運営に直接響くもので、必ず思い通りになるわけではありません。
部署異動が難しい場合には、チームやプロジェクトなどの変更を頼んでみるのも手です。相談をする際には、苦手な相手を悪者にして話すのではなく「◯◯の知識を身に付けたい」などと仕事内容にフォーカスして伝える方が納得感が出ます。先述したように、なるべく最低限の関わりに抑えてストレスの軽減を図りましょう。

いったん休職する

基本的に「退職」は最後の手段なので、すぐに解決できなさそうな場合は「休職」も良い方法です。ストレスを強く感じている場合は、余裕がなく極端にネガティブ思考に偏りがちです。いったん落ち着ける時間を確保すると、俯瞰(ふかん)して状況を整理しやすくなるでしょう。
相手も不仲だと自覚している場合は、お互いにとって冷却期間になる可能性があります。また、仕事の忙しさが原因でイライラしてしまっている場合などにも、抱えている仕事を手放すことで正常な思考に戻るきっかけにもなり得ます。

人間関係で仕事を辞めない方がよい場合

次に、仕事を辞めない方がよい場合についての解説です。以下のいずれかに当てはまる場合はまずは続けてみることをおすすめします。最終的に辞めるかどうかは、その後で判断してもよいでしょう。

・自分に原因で自分に改善すべき点がある
・入社して日が浅い
・仕事自体にやりがいを感じている
・相談できる同僚がいる
・気持ちを割り切ることができる

順に詳しく見ていきます。

自分に原因があり、自分に改善すべき点がある

自分の勤務態度やコミュニケーションなどに問題があり、そのせいで人間関係が悪化している場合は、退職を考えるよりも先にできることがあるはずです。まず改めるべきは自分であることを自覚し、これまでの言動を振り返りましょう。
誰からも好かれる必要はありませんが、「あいさつ」や「受け答え」を明るく意識するなど誰もが気持ちよく働くための基本的なコミュニケーションは外せません。コミュニケーションの質は仕事のパフォーマンスにも影響し、ゆくゆくは自分に返ってきます。

入社して日が浅い

職場でのコミュニケーションの取り方に不慣れな間は、相手のリアクションなど細かなことが気になりがちです。もし入社して日が浅いうちから人間関係が心配であれば、それはコミュニケーションが足りず、まだ相手のことを正しく理解していない段階である可能性があります。
また先述の通り、叱られるなど嫌なことがあったとしてもまだ継続的な人間関係ではなく単発的なできごとレベルが多いはずです。
人間関係を理由に辞めるにはまだ判断できる時期ではないので、「あいさつをしっかりする」などの基本的な礼儀やマナーは気を付けつつ、様子を見ることをおすすめします。

仕事自体にやりがいを感じている

百人百様で仕事への向き合い方は違いますが、仕事自体にやりがいがあることはとても幸せなことです。人間関係で悩んだときは、その仕事を手放しても後悔がないかを判断基準の一つとして考えてみてください。
もし続けたいと思える仕事であれば、人間関係を理由に辞めるより、問題を解決して続ける方向で考えた方が長い目で見るとおすすめです。

相談できる同僚がいる

同じ会社の中で自分を理解してくれる人がいるなら、まずは仕事を続ける方向で考えてもよいでしょう。一人でモヤモヤを抱えるのと比べ、誰かに話を聞いてもらえることは圧倒的にストレス発散になります。

家族や友達へ相談するのもよいのですが、事情がわかっている同僚であれば話が早く、温度感も伝わりやすいはずです。さらに第三者の目線でアドバイスが聞けると問題解決の糸口にもなります。大切なのは、悩みを打ち明けられる人がいるかどうかです。

気持ちを割り切ることができる

辞めない場合の選択肢の項で解説したように、仕事の一部だからと割り切ることができるなら辞めない方がおすすめです。
そもそも人間関係の悩みは、どのような職場でも起こりうることです。いい意味で深刻に考えないようにすれば、ストレスコントロールにもなります。どうしても割り切れない場合は、不眠症になるなど日常生活に支障をきたす場合があるので、自分の心や体と相談しながら退職するかの決断をするよいでしょう。

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人間関係で仕事を辞めてよい場合

今度は、仕事を辞めてよい場合についての解説です。以下のいずれかに当てはまる場合は、退職を検討してもよいでしょう。

・ハラスメントを受けている
・いじめや陰口などがある
・職場の雰囲気が悪い
・心身に大きなストレスがかかっている

順に詳しく見ていきます。

ハラスメントを受けている

ハラスメントを受けている場合は、退職も仕方がありません。特に会社での権力を利用したハラスメントは表面化しにくい問題ですが、人間として一切のハラスメントは許されていない行為です。
ただし、ハラスメントを受ける側に問題があるのではなく、ハラスメントする側に問題があるということを忘れないようにしましょう。人事や相談窓口に申し出て、相手の処遇を検討してもらうのが本来のあるべき対処です。それが実現しない場合は退職するのに十分な理由になります。

いじめや陰口などがある

退職に相当する理由として、いじめなどの問題があります。特に集団によるいじめや陰口は、個人で解決できないケースがほとんどです。
ただしハラスメントと同様、問題があるのはいじめをする側の人間です。何か自分に原因があった場合は自分が改善する必要がありますが、大抵は「自分が悪いのではないか」と自尊心が低くなり正常な判断ができなくなりがちです。自分が態度などを改めてもいじめが継続する場合は個人での対処は難しいでしょう。やはり人事や相談窓口で訴えても解決しない場合は、十分な退職理由になるといえます。

職場の雰囲気が悪い

雰囲気が悪い場所では、自分の強みなどをのびのびと生かすことができません。不機嫌やイライラは周囲に伝染してしまい、萎縮して発言・会話ができなくなるなどの深刻なコミュニケーション不足を招きます。その結果、うまく連携が取れずにますます職場の雰囲気が悪化してしまうことが考えられます。
雰囲気が悪くなる根本的な理由としては、会社の待遇が悪いことや上司への不満が多く、個人で対処しきれないことも少なくありません。その場合は、新しい環境を求めての転職を視野に入れてみてもよいでしょう。

心身に大きなストレスがかかっている

理由はなんであれ、明らかにストレスを抱えているケースも少なくありません。仕事を続けることで健康に支障をきたすほどのストレスを感じている場合は、退職もやむを得ません。
まずは休職をして仕事と距離を置いてから判断する方がよいでしょう。心身が不調のときは冷静な判断ができなくなっていることも多いからです。
体が資本とよくいわれますが健康が第一なのは間違いなく、冷静に考えても改善の見込みがない場合などは退職するのに十分な理由となるでしょう。

人間関係で仕事を辞めたいときの主な悩み・不安

実際に辞める選択をした場合に、よくある悩みや不安について解説します。不安はなるべく解消してから次のステップへ進みましょう。

・すぐに辞められるのかどうか
・転職しても同じではないか
・転職活動で不利にならないか

順に詳しく見ていきます。

すぐに辞められるのかどうか

法律上は最短で退職日の「2週間前」に申し出れば退職できることになっています。
ただし、就業規則に決まりがある場合も多く、一般的には「1カ月前」が目安です。企業によっては、「3カ月前」という場合もありますので事前に確認しておきましょう。
どうしても出勤が難しい場合は、有給休暇を消化して出勤日を減らす方法もありますが、基本的には引き継ぎ期間を考慮した就業規則になっているはずです。ハラスメントや健康上の問題があるような緊急の場合を除いて、引き継ぎなどしっかり行って辞めるようにしましょう。

転職しても同じではないか

今の職場環境が、滅多にないほどひどい状況であれば、転職で改善できる可能性が高いはずです。
ただし「転職をしても同じではないか」という危惧はその通り、転職先も同じような人間関係の問題が発生している/同じ状況に陥る可能性はあります。人間関係はどんな職場においても問題になる可能性はあります。そのため、退職したからといって必ず解決するとは限りません。
少なくとも転職先の離職率はどうなのか、転職活動時には社員の勤続年数などを確認するなど積極的に情報を聞き出すようにしましょう。

転職活動で不利にならないか

ハラスメントなどやむを得ない場合を除き、人間関係が退職理由だと伝えるのはマイナス要素となります。たとえ自分が原因ではないとしても、そのまま伝えるのは控えましょう。
転職活動で不利にならないためには、前向きな表現に変えるのがコツです。例えば「現職ではトップダウンでの業務指示を守ることが重要視されているが、個人や仲間と意見を出し合ってより良いサービスを創造できる環境で働きたいと思った」など、転職で達成したいことに焦点を当てます。

仕事を辞めたいと思ったときもNGの行動

いくら仕事を辞めたいと思ったとしても社会人としてのルールを守ることが大前提です。また、かえって自身を大事にしない行動もNGです。具体的には、以下に挙げた例を確認してみてください。

・衝動的に辞めてしまう
・無断で会社を休んでしまう
・つらいまま無理して働き続ける
・人間関係で仕事を辞める場合も別の理由を伝える

順に詳しく見ていきます。

衝動的に辞めてしまう

「もう行きたくない」と思っても、衝動的に辞めるのはNGです。会社に迷惑がかかるほか、もし職歴が短くなってしまうと履歴書の情報から自分の評価にもマイナスの影響が及びます。
また、金銭面のことを考慮しないままでの退職は、その後の生活が成り立たなくなる可能性があります。
衝動的に辞めた直後はスッキリとした気分になるかもしれませんが、自分自身を守るためにも計画的に退職への動きを進めましょう。そもそも人間関係での悩みは深刻になりがちなので、耐えきれなくなる前に対処することが大切です。

無断で会社を休んでしまう

衝動的に辞めるほど影響が大きくないにせよ、無断で休むのもNGです。やはり会社や取引先に迷惑がかかることは言うまでもありません。予定していた業務が滞るだけでなく、会社側の責任として「社員の安否確認が取れるまで連絡を続ける」という無駄な作業が発生します。そうなると自分の評価も下がり、一度失った信用を取り戻すのは容易ではありません。
いくら会社に足が向かなくても、休む場合は必ず連絡を入れるようにしましょう。連絡さえ入れておけば、会社側もその日は出社しないことを前提にした動きが取れるので突発的に休んだ影響は軽減できます。

つらいまま無理して働き続ける

自覚がなくても、知らないうちにストレスがたまっていくものです。真面目な人ほど自分の気持ちは後回しに無理をしてしまい、突然心身の不調として表れる可能性があります。気持ちがつらい状態が続くと、うつ病/適応障害などの深刻な精神疾患を発症する場合もあります。
また、辞める以外の選択肢を提示した項で述べた「割り切ること」と「我慢すること」は違いますので、無理はしないように自分の気持ちに目を向けるようにしましょう。

人間関係で仕事を辞める場合も別の理由を伝える

退職を決意して会社に伝える場合は、人間関係が退職理由だと言わない方がよいでしょう。
退職までの間、居づらくなる可能性があるほか、「改善するから」と引き止められる可能性があります。本当に改善されるならまだしも、口だけで結局改善されないことも多々あります。
実際とかけ離れた理由は後々発覚する可能性がありますので、前向きな理由に言い換えて伝えるべきです。(例:新しい業務にチャレンジしたいなど)
転職活動において、応募企業に対しても同様のことがいえます。好印象を与えるためにも前向きな理由に言い換えて伝えるようにしましょう。

退職すると決めてからの流れ

退職する場合には、どのようなステップを踏むことになるのか解説します。一部前後する項目もあるかと思いますが、一般的な流れとしては以下の通りです。

・STEP① 直属の上司へ退職を申し出る
・STEP② 退職願・退職届を提出する
・STEP③ 後任者への引き継ぎ・あいさつ回りをする
・STEP④ 有給休暇を消化する
・STEP⑤ 事務的な手続きなどを行う

順に詳しく見ていきます。

STEP① 直属の上司へ退職を申し出る

退職の申し出は、必ず「直属の上司」にその旨を伝えましょう。注意すべき点は、直属の上司を飛び越えてさらに上の上司や、話しやすいからといってほかの部署の上司に伝えたりはしないようにします。たとえ辞める原因が直属の上司だったとしても、ほかの人に最初に伝えるのはNGです。上司にはあらかじめ相談したい旨を伝え、しっかりと話ができるようにスケジュールを押さえておきましょう。
また、詳しくは後で述べますが、会社に申し出るより先に転職先を見つけておくのが基本です。退職してから転職活動をする場合は金銭的に困窮しないように貯金などの対策をしましょう。

STEP② 退職願・退職届を提出する

退職時に必要な書類として一般的なのは「退職願」「退職届」の二つです。ただし、退職したい意思を示す「退職願」は口頭でもよいとされています。
退職が確定後に、退職する旨を申告する「退職届」は企業によって書式が決まっている場合がありますのであらかじめ確認してください。
退職届は言った言わないを防ぐための書類でもあるので、一度提出をして受理されると一定期間を経たのちは取り消しができません。出す前には、決心が固いかどうかよく考えましょう。

STEP③ 後任者への引き継ぎ・あいさつ回りをする

職場にて退職の告知がなされたら、後任者への引き継ぎと、取引先や社内のお世話になった人にあいさつ回りをしましょう。
引き継ぎの際は、事前にマニュアルなど作っておくとスムーズです。定期業務や対応途中になっている業務など抜けがないようにリスト化することをおすすめします。
あいさつ回りはできれば対面で行いましょう。対面が難しい相手にはメールなどであいさつするのでも大丈夫です。対面でのあいさつは、有給休暇やシフトなどの兼ね合いで相手の都合を見てタイミングを考えましょう。
また、次のSTEP④と順序が前後する場合もあるので併せてご確認ください。

STEP④ 有給休暇を消化する

退職日をいつにするかにも影響しますが、有給休暇が残っている場合は退職前に消化するようにしましょう。
在籍期間や消化した分などによりそれぞれ残りの有給休暇日数は違いますが、退職が決まってからでも、残った有給休暇はすべて取得できるので事前に総務などに確認が必要です。
先述の引き継ぎ業務は、有休消化を考慮した上で退職日までに必ず間に合うように行いましょう。

⑤ 事務的な手続きなどを行う

退職時の手続きには、健康保険証や借りていた備品の返却、離職証明書などの書類手続きなどがあります。人間関係での退職理由の場合は、極力退社後は関わりたくないなどの希望があるかもしれませんが、会社から受け取る書類が抜けていた場合は改めて連絡を取らざるを得ないので、退職日までになるべく自分自身でも必要な書類のチェックを行いましょう。
また、転職先が決まっている場合は入社の手続き、退職後すぐに働き始めない場合は国民健康保険への切り替えなどを忘れないようにしましょう。

人間関係を理由に転職する際の注意点

退職と転職するにあたって、注意すべきことは以下の通りです。つい目の前の悩みに翻弄されがちですが、冷静かつ計画的に行動することがポイントです。

・退職の前に転職先を見つける
・「人間関係のリセット」だけを転職の目的にしない
・転職先でも人間関係は問題になり得る
・円満退職を目指すよう努力する

順に詳しく見ていきます。

退職の前に転職先を見つける

収入源が絶たれないよう、よほどの原因がない限りは転職先を見つけてから退職しましょう。すぐに辞めたいと思っても、すでに述べたように勢いで辞めるのはNGです。生きるために必要な生活費などを確保できなくなるリスクが大きいからです。
また、生活に困っている状態で転職活動をするのと、まだ勤めていて収入があるうちに転職活動をするのとでは、心の余裕に雲泥の差があります。余裕がない状態での転職活動では、思わぬ結果を招く可能性があります。

「人間関係のリセット」だけを転職の目的にしない

転職先に求める条件を、人間関係の良さ優先にしてはいけません。自身のキャリアプランについても十分に自己分析し、仕事の内容や将来性、待遇なども同じように考慮すべきです。人間関係だけで選ぶとそのほかの点で不満になる可能性があるので注意しましょう。
退職直後はこれまでの悩みからの解放にばかりに目が行きがちですが、せっかく転職するのであればいい機会と捉えて自分の良さを伸ばす転職活動にしてください。

転職先でも人間関係は問題になり得る

人間関係は、どんな職場においてもついて回る悩みです。たとえば独立してフリーランスになったとしても、仕事というものが人からお金をもらうことである以上、人と一切接しないことは不可能です。もちろんリモートワークも同様のことがいえます。
人と接しない仕事はないと理解した上で、「一定のライン以上は踏み込まない」など自分なりの関わり方を身に付けていく方がずっと建設的です。
また、人間関係を理由に退職して、辞めグセを付けないように「どこでも人間関係は問題になり得る」ことは念頭に置いておいてください。

円満退職を目指すよう努力する

いざ、退職の運びになったら、円満退職を目指すよう努力しましょう。たとえば、引き継ぎに協力する、退職日をいつにするかタイミングに配慮するなどです。
特に相手に非があるような場合は、復讐(ふくしゅう)心から懲らしめたいという気持ちになるかもしれませんが、さらなるトラブルを生む可能性があるのでやめましょう。
過去のできごとに時間を使うのはもったいないので、未来のことに目を向けましょう。それよりもスムーズに退職・転職して、新しい会社で再スタートを切る方が大切です。

職場の人間関係で悩んだら、ジョバディで客観的な意見をもらおう

今回の記事では、退職理由としての人間関係で悩みについて、また退職してもよいか判断の方法とともに解説しました。
どのような職場でも人間関係のトラブルは付きもので、まずは解決に向けて動いた方がよいのですが、自分の心身の状況を考慮しながら、場合によっては退職を選択するのもアリです。

退職する場合は衝動的にならないように、なるべく在籍中から転職活動をスタートしましょう。転職活動に不安を抱える方は、まずは転職エージェントに登録してみるのがおすすめです。

ジョバディにはキャリアアドバイザーも多数在籍しています。キャリアアドバイザーに相談すれば、今回のテーマのような「職場の人間関係で悩んだときに、辞めた方がよいのか」についてもアドバイスがもらえます。もちろん転職活動について、一からアドバイスを受けることも、必要なポイントだけサポートしてもらうことも可能です。客観的な立場から、面接時の受け答え、マナーにいたるまで必要なアドバイスをもらえます。

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