転職活動は何から始めるのが正解? 進め方や流れを徹底解説
就職してから勤めていた企業を離れることになり、初めての転職。そんな折に何から始めればよいのかわからないという人も少なくありません。
初めての転職活動では、転職希望先への選考前の準備をどこまで行うかが非常に重要となっています。
以下はこの記事に記載している大まかな内容です。
・ 転職はまず準備に時間をかけることが重要
・ 転職活動は企業への応募、選考を経て決定される
・ 転職活動における準備では4つのコツを意識すること
・ 年代によって転職活動で評価されることは変わる
高校や大学卒業時の就職活動とは異なって、社会人になってからの転職活動は今までの経験や現在保有しているスキルなどの内容も評価の対象となり、事前準備の内容も少し変わってきます。
さらに第二新卒と呼ばれる20代前半の方から30代でのキャリアアップを狙った方、異業種へのキャリアチェンジを目的とした方など、現状に応じて備えなくてはいけないポイントも異なってきます。
重要なポイントやその理由について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
転職活動の前にしておくこと
以下の内容は、初めて転職活動をする前に必ず準備しておかなければなりません。
・目的を明確にする
・スケジュールを立てる
・自己分析を行う
・業界・企業研究を行う
・応募に必要な書類を作る
・ビジネスマナーを学ぶ
・面接対策を繰り返す
転職活動について、新卒時の就職活動と混同せずに社会人としての経験やスキルを見られるという意識を持ち、そのための準備を欠かさないことが重要です。
上記のポイントについて、一つずつ詳しく見ていきましょう。
目的を明確にする
転職活動を行う際、最初にやらなければならないことが目的の明確化です。
例えば現状の職場に対して何か不満を感じているのであれば、転職を通じてどのような社風の企業で働きたいのか、キャリアの展望がうまく見通せないのであれば、実際にどんな将来像を持ってそのためにどのような仕事をしたいのかといった、転職活動における具体的な目標の言語化が重要となっています。
もし転職の目的が明確でなければ、転職希望先の企業をうまく見つけられなくなり、転職活動が長引く恐れがあるかもしれません。ほかにも、せっかく内定した企業にミスマッチを感じてしまい、また転職をする羽目になることも考えられます。
転職は現在の職場を辞める、転職先の企業を探すなど、時間やコストがかかるほか、リスクもあります。まずは目的を明確にして本当に転職するべきか考えましょう。
内容としては、「きちんと土日休みを取れる」といった希望条件を紙に書き出してみることや、「企業全体としてやる気がない」などの現状の不満を「スキルアップや資格取得に積極的な社風で活躍したい」といった目的に言い換えることが大切です。
こうして目的を明確にしていった後は、全部の条件を達成しようとするのではなく、優先順位を付けるようにしましょう。
スケジュールを立てる
初めての転職活動では、転職活動全体のスケジュールを立てることも重要です。
転職活動は短くても一般的に1~3カ月の準備期間を要することになるため、その期間内での計画を立てます。スケジュールを立てる上では、主に転職希望先の企業への応募書類作成、面接日時や退職するタイミングを調整することになります。
内定通知が来てからの回答期限は、転職の場合1週間程度が目安です。就職活動に比べると短いため、第一志望と第二志望の内定通知の来るタイミングはうまくスケジュールを組みましょう。
また、収入面の不安をなくすため、働きながら転職活動をする方は少なくありません。その場合は、退職を繁忙期とずらすことや余裕を持った引き継ぎなど、転職活動で現職に支障が出ないように注意することも心がけましょう。
自己分析を行う
就職活動でも行った自己分析は、転職においても同様に最も重要な準備です。
しかし、就職活動とは異なる点として、キャリアの棚卸しを行う点が挙げられます。
転職活動における選考では、企業側の採用担当者から将来のキャリアビジョンや経験によって培ったスキルなど、希望先の企業にどの程度在籍し、活躍できるのかを見られます。こういった自分の特性をよく理解し答えられるようにするためにも、自己分析は欠かせません。
ほかにも自己分析を通じて、転職活動の目的や条件を具体的にすることで自分に合った仕事を見つけやすくなったり、転職後の企業とのミスマッチを防いだりできます。
まずは仕事上のやりがいや特性、技術や能力を洗い出すとよいでしょう。
業界・企業研究を行う
転職活動の準備として、自己分析の次は業界・企業の研究を行いましょう。
業界・企業研究は面接で自分の強みを業界や企業に合わせてアピールするために必要となります。具体的には企業の募集している人材像に合致するか、自分との共通点を探すことになります。
基本的な情報収集は公式サイトや採用情報に目を通すなど、簡単なものから始めます。その後、事業内容や業界全体での動向、業界内での立ち位置などについて自信を持てるレベルまで研究するとよいでしょう。
また、転職エージェントは特定分野の企業や業界に深い造詣を持っています。
研究の仕方がうまくわからない方や不安の残る方は、転職エージェントを活用してみてください。
応募に必要な書類を作る
応募書類は初めて会社と接触するものであり、第一印象を決める重要な書類となっています。職務経歴書や履歴書を提出する前に、使用する写真の写りや誤字脱字などの細かな部分は欠かさずチェックしておきましょう。
記載する志望動機は企業研究をした上で自身の強みを語ることになります。企業の求める人材像がどのようなものか理解し、自分自身の強みとどうマッチしているのかを前職での経験や今持っているスキルを踏まえて、空欄のないよう記入しましょう。このとき、冗長にならずに簡潔にまとめることができれば採用される可能性は高まります。
自身の熱意だけではなく、企業の採用担当者からの目線を意識して応募書類を作成しましょう。
ビジネスマナーを学ぶ
転職活動を本格的に始める前に、基本的なビジネスマナーを学び直しておきましょう。
前述したように、転職活動は少なくとも20代前半の第二新卒と呼ばれる以降の層は基礎的なビジネスマナーは習得済みというのが前提であり、そこから社会人としての経験・スキルを踏まえてどこから育成するべきか、どういった活躍ができそうかを評価されます。
選考過程でマナーがないと判断されると、採用後には基礎的な研修から行う必要があるため人材育成のコストが大きくなってしまうため、マイナス評価になることもあります。
社会人としての最低限の身だしなみや言葉遣いはもちろん、名刺の渡し方などを勉強しておきましょう。
面接対策を繰り返す
無事書類選考を突破できれば、面接が待ち受けています。もし面接対策が不十分だと、自信がなく見えてしまい、意欲が低いと感じられてしまうため、事前の準備が肝となってきます。
面接対策の方法は就職活動のときと変わらず、想定される質問の用意と、その回答を用意しておくこと。わかりやすい内容としては自己PRと転職理由、志望動機などが挙げられます。
実際に文章に起こした後、質疑応答を声に出して練習しておくことで、本番の面接でもハキハキとした受け答えにつながります。映像に残したり、親しい人や転職エージェントに模擬面接の手伝いをしてもらったりすることで、声音や表情をチェックしてみましょう。
また、入退室のマナーなども忘れず練習しておくことも重要です。
転職活動の基本的な流れ
転職活動の基本的な流れは以下の順序となっています。
- 自分軸に適した企業を探して応募する
- 選考・面接を受ける
- 内定を受諾する
- 今の職場に退職を伝える
- 転職先に入社する
一つずつ解説していきます。
先に述べた事項とどの部分がつながっているか併せて確認し、準備のスケジュールを立ててみてください。
1. 自分軸に適した企業を探して応募する
転職活動で最初にするのは、自分に適した企業を探すことです。
自己分析を踏まえて、自分の希望する企業の条件や転職活動を通じて達成したい目的をもとに、絶対に優先しなければならない条件から企業を選ぶ自分軸を作ります。
その後、求人サイトや企業の採用HPなどで魅力的な条件を提示している求人や自分のやりたい仕事があれば、すぐに履歴書や職務経歴書など必要な書類を作成して応募します。
例え話ですが、結婚などのライフイベントを機に「完全週休二日制かつ育児休暇を取得しやすい社風」などを条件に転職活動をしている方であれば、女性が活躍しやすい企業などを中心に調べて応募を行います。
このとき、中途採用では企業にとって必要な人員を確保した時点で募集が打ち切られるため、早めに判断することが重要です。
そのためにも自分軸をしっかり定めておき、自分軸に沿っているかいないか企業研究を深めながら求人情報を探しましょう。
もし在職中での転職活動で求人を探す時間を作れない場合には、転職エージェントを活用して自分に合った企業の求人を探してもらってみてもよいかもしれません。
2. 選考・面接を受ける
転職活動で必要な書類をそろえ、提出して応募を終えれば書類選考や面接に進みます。
職務経歴書や履歴書などの必要書類は、提出前に最終確認しておく必要があります。
募集条件にマッチした強みを書けているか、文章構成や誤字脱字、使用している写真の表情や身だしなみといった写りなど細かなポイントにも注意しましょう。
そして書類選考を突破した後は、内定が出るまでに約2~3回の面接を受けることがあります。
予想される質問は自己PRや転職理由、志望動機に活躍できるスキルや経験について、事前に応募する企業の求める人材像と自分の能力とを合わせて回答を考え、自分の受け答えを映像に残して表情や声のトーンを確認し、適宜修正しましょう。
また、模擬面接を行うことも重要です。面接官役を親しい人や転職エージェントなどに頼み、自分の受け答えだけでなく表情や身振り手振りなど細かいところもフィードバックをもらいましょう。
3. 内定を受諾する
選考を突破すれば内定連絡が来ます。このとき同時に連絡される雇用条件や業務内容を確認して問題がなければ内定手続きに進みましょう。
もし、内定を保留する場合であっても、入社意志があることを伝えておくことは忘れないようにしておきましょう。
前述したように、転職における内定受諾期間は1週間程度と短く、早めの決断を迫られます。ほかに応募した企業からの内定を待ち続けることは難しい場合もあるため、第一志望の企業からの内定連絡と第二志望の企業からの内定とが前後しないよう、スケジュールを調整しておきましょう。
また、「内定を受けたいけど条件をもう少し望ましい形にしたい」という方は雇用前に条件の交渉を行うことも可能な場合があります。第二新卒や未経験への転職となると厳しい場合もありますが、職種や業種を変更せず即戦力としての活躍が見込めるのであれば企業側もそれに合わせて条件を受け入れてくれることも。まずはどの程度まで希望する条件にしたいか決め、その後交渉してみましょう。
内定を決めた場合は、受諾書を返送する必要があります。必ず記入し、ミスがないかを確認しましょう。
もしスケジュールの調整方法や内定のもらえる時期がわからない場合には、転職エージェントのジョバディを利用するのがおすすめです。多数の転職エージェントが在籍しており、それぞれ得意な業界や年齢層に応じてノウハウを持っています。サービスの中でスケジュール調整や条件の交渉を請け負っているため、ぜひ活用してみてください。
4. 今の職場に退職を伝える
転職活動が進み、見事内定を承諾して転職先への入社が決まった場合、現職に対して退職する旨を伝える必要があります。
在職中に転職活動を行っていた場合、退職日は内定通達後の1~2カ月後がおすすめです。
前述しているように、退職前には現職での業務内容をほかの社員に引き継ぐことが必要なほか、退職の時期を繁忙期に合わせることはあまり社会人のマナーとして褒められたものではないことを踏まえて、退職の時期をどのタイミングにするのか早めに計画を立てておきましょう。
また、第二新卒の転職には1~3月と7~9月といったタイミングのように、転職活動には1年を通じてそれぞれ適した時期があります。ぜひ参考にしてみてください。
退職手続きは退職届の提出をもって正式な意思表示になる場合が多く、上司に相談しておくだけでは退職とはならないことがあります。しかし、退職の相談をあまりに早く行うと職場に居づらくなってしまうこともあるため、時期を見て適切なタイミングで伝えましょう。
5. 転職先に入社する
こうして退職届も出し、退職した後、晴れて転職先に入社するまでに期間が空く場合は健康保険や年金の手続きが必要になります。また、転職先でも提出を求められるような書類や企業の預かり扱いとなっているものもあるため、退職前の段階で慌てないよう事前に何を必要とされるのか転職先に聞き、そろえておきましょう。
また、このときに自分が企業から借りていた社員証や支給の携帯電話などを返却し忘れないよう注意してください。
以下は返却するものと受け取るもののリストです。
返却するもの
・ 身分証明書(社員証や社章などの企業のもの)
・ 名刺
・ 通勤定期券(現物支給に限る)
・ 健康保険被保険者証(退職日の翌日に使用する場合は後日郵送にて返却)
・ そのほか業務に関するデータや会社からの支給品
受け取るもの
・ 離職票(雇用保険の失業給付のため、退職後に転職先が決まっていないとき又は転職先に提出を求められたときのみ)
・ 雇用保険被保険者証(契約社員にも存在)
・ 源泉徴収票(年末調整や確定申告に必要)
・ 年金手帳
また、転職先の企業で研修があれば参加することになります。事前に就業規則を徹底して確認し、予備知識の習得などに励みましょう。
転職活動で事前準備を徹底する理由
初めての転職活動であるため、どこまで事前準備をする必要性があるのかあまりわからない方もいると思われます。
以下は、転職活動で徹底して事前準備を行う理由です。
・ 入社後のミスマッチを防ぐため
・ 今の職場の仕事をおろそかにしないため
・ 転職活動を長期化させないため
これら3項目の内容を理解していないと転職活動がリスクの大きいものとなってしまいます。
一つずつ丁寧に確認していきましょう。
入社後のミスマッチを防ぐため
前述してきたように、事前準備で自己分析や企業研究を行っておくと、ミスマッチを防ぐことになります。
自己分析や企業研究の目的は転職活動における自分の強みや特色を理解することです。転職活動を通して達成したい目的を明確にし、その中で企業との共通点を見つけてよりマッチした会社へと就職することになります。この事前準備である自己分析と企業研究が不十分であると、自分の転職市場における価値や強みを理解できなかったり、企業に求める条件を厳しくしすぎたりして、自分に合った仕事に就けない可能性が出てしまいます。
待遇や条件だけに気を取られると、実際に入社してから社風や業務内容にギャップを感じてしまうなど、早期退職にもつながってしまいます。
ミスマッチによる早期退職を防ぐためにも準備を徹底し、条件や待遇には優先順位を必ず付けましょう。
今の職場の仕事をおろそかにしないため
現職で働きながら転職活動をする場合は、仕事と転職活動を両立させる必要性があります。
初めての転職で不慣れな点も出てきてしまい、転職活動で行う求人探しから応募書類の作成、面接練習にスケジュール管理などは心身ともに大きな負担になるでしょう。
そうして転職活動と現職での業務を両立させていくうちに生まれた焦りや不安は、普段しないようなミスも引き起こしてしまう可能性があります。現職の業務に支障が出てしまうと職場での評価が下がってしまい、退職時の交渉も難しくなるかもしれません。
また、焦りは面接日程とほかの予定の重なり、求人へのやみくもな応募、企業研究の不十分など、転職活動に悪影響をもたらします。
時間的・心理的余裕を持たせるためにもスケジュール管理はもちろん、転職準備は徹底的に行いましょう。
転職活動を長期化させないため
転職準備が不十分では、転職活動が長引いてしまう恐れがある点にも注意が必要です。
最も重要な自己分析が足りていないと、転職目的をうまく言語化できなかったり、自身の強みやこれまでの経験・スキルを棚卸しできなかったりしてしまいます。
企業分析が足りていなければ企業の求めている人材像をはき違えてしまう可能性もあります。すると必然的に自己PRや志望動機の内容が抽象的になり、企業の採用担当者に高い評価を出してもらえなくなってしまいます。
事前準備が足りていなければ選考書類に不備が生じて、内定が出なくなる可能性が高まってしまうでしょう。
内定が出なければ、必然的に転職活動は長期化します。長期化は焦りを生み、多くの企業の求人にやみくもに応募してしまうことや、場合によっては転職目的を見失って内定の出た企業にすぐに入社し、ミスマッチを感じて早期退職することにつながりかねません。
これらの状況を防ぐためにも、転職活動の前に準備をじっくり行いましょう。
準備段階で気を付けたい4つのコツ
転職活動の準備にはそれぞれ自己分析・企業研究、書類作成、面接対策など3つのフェーズがありました。それらに加えて、転職希望先の企業や業界を選ぶのも重要なポイントとなっています。
・ 自己分析のコツ
・ 書類作成のコツ
・ 面接対策のコツ
・ 業界選びのコツ
上記のコツをしっかりと理解し、徹底した事前準備で転職に臨みましょう。
自己分析のコツ
前述してきたように転職活動の準備で最も重要である自己分析の目的は、応募先の企業にアピールするスキルや経験を棚卸しすることです。
自己分析をしておくと、「自分がなぜ転職活動をしたいのか」「どのような目的を達成したいのか」「どういった条件を企業に求めるのか」「応募先の企業で自分はどのような業務に携わり、活躍したいのか」を具体的に言語化できます。企業に求める条件だけではなく、自身に適した職務や業界も見つめ直ししやすくなるなど、自己分析の徹底は自分軸を明確にし、応募企業の選定をスムーズに進めることにつながるはずです。
また自分だけに目を向けるのではなく、企業や業界の情報収集もしっかり行います。
気になる企業があれば、企業のWebサイトなどを確認しておきましょう。
書類作成のコツ
転職希望者を中途採用する際、採用担当者は書類すべてに目を通すわけではありません。もちろんある程度は読むとしても、時間が限られています。短時間で理解してもらえるよう、応募書類の自己PRや志望動機には端的に強みやスキルを書くことが大切です。
特に中途採用は現状足りていない必要人員を補充するためのものでありスピードが命で、即戦力を求めるケースも多く存在しています。もし企業側が必要な人材を確保できたならば、すぐに募集を締め切られる可能性もあります。
迷いなく書類を書くためにも、応募する企業の視点で端的に自身の強みや志望度を伝えられる書類を作成することがポイントです。
面接対策のコツ
面接で聞かれるのは①自己紹介・自己PR、②転職理由、③志望動機、④生かせる経験・実績・スキル、⑤逆質問の5つとなっています。前述したように応募する企業に対応してそれぞれの内容を準備しておく必要があります。
自己分析で棚卸しをした自分の経験・スキルといった強みや業務実績をもとに自分の転職市場での価値を分析し、企業の求めている人材像にマッチさせることで、面接での印象が良くなります。例えば成果主義の企業に転職を応募する際には、自身の営業成績や業務の成果を具体的に話し、その再現性があることをアピールするのが効果的です。
また、面接練習の一つに模擬面接は必須です。予想される質疑応答を一人で行う場合はスマホで撮影しながらやってみるのも一つの方法です。
実際に対話形式でやってみたい方は面接官役を親しい人や転職エージェントに頼んでみるとよいでしょう。
業界選びのコツ
初めてに限らず、転職先の業界や企業がどの程度安定しているのかは気になるポイントです。
結論として、業界選びでは成長が見込まれる企業を狙うといいでしょう。成長性があるということは、事業規模の拡大が起こるということでもあります。人材不足にならないよう、積極的に採用をしている企業が多くあります。一方で、転職には年齢制限がかかっている場合もあるため、求人の条件をよく読んで自分の前職までのスキルが生かせることをしっかりとアピールしましょう。
上記とは別として、未経験でも挑戦しやすい業界に挑む方法もあります。IT業界や物流・運送業界など若手の人材が不足している業界では、働きながら資格取得できたり、スキルが身に付けられたり、研修制度や資格取得支援が充実しているところもあります。
【年代別】転職で準備すべきことと注意点
年代別に、転職市場では重要視されるポイントが異なっています。
・ 社会人3年未満・第二新卒
・ 20代後半(25~29歳)
・ 30代前半(30~34歳)
・ 30代後半(35~39歳)
・ 40代以上
年代別に、転職で準備するべきことや注意点について見ていきましょう。
社会人3年未満・第二新卒
転職でアピールする経験やスキルがまだ乏しく、リスクが大きいことから、社会人は新卒で入社してから「最低3年は勤めたほうがいい」といわれています。しかし、入社してから企業の詳しい実態が判明する場合もあります。休日返上や残業時間月50時間などの労働時間の過多、賃金未払いなどあまりにも厳しい環境であれば転職も視野に入れるべきでしょう。
現在、社会人1~3年目は第二新卒と呼ばれており、転職市場では第二新卒という枠組みもできています。第二新卒での転職には社会人としての最低限のビジネスマナーが備わっている以外にはスキルや経験を求められることは少なく、転職希望先の企業への熱量や成長意欲などのポテンシャルのアピールが重要となっています。
若い世代の転職は現在拡大しているため、比較的転職しやすいといえるでしょう。
20代後半(25~29歳)
転職者人口の中でもボリュームゾーンを占めるのが、20代後半の年齢層です。
20代後半になると、入社してから最低ラインとされている3年以上の社会人経験を持ち、今の企業や業務内容に「もっと自分に向いている業務内容がある」「あまり社風が合わない」といった気づきを得られることがあり、転職に踏み切ることが多いようです。ほかにもライフイベントなどさまざまな理由から転職者が増えています。
20代後半での転職活動では、第二新卒で必須とされている社会人としてのマナーだけではなく、実際にどのような業務経験や成果、スキルを持っているのかも見られます。
自分の転職価値を高めるためには、まず現職で成果や実績を挙げられてからの転職がよいでしょう。
また選考では、スキルについては課題解決力やコミュニケーション能力、企画提案力といったポータブルスキルと呼ばれるものを持っているかが重視されます。もちろん業界など特定領域で役立つスキルも評価の上昇につながるため、まずは転職準備に自身のキャリアの棚卸しから始めて、応募書類や面接では具体的にどのような業務で発揮できたのかをアピールしましょう。
30代前半(30~34歳)
転職市場では、30歳を過ぎると中堅扱いとなるため、求められるスキルが高くなります。
30代前半と後半で転職の難易度がガラッと変わるともいわれており、30代前半では入社後の即戦力としての活躍を見込んでの採用となるケースが多く、年齢が上がれば上がるほど要求されるスキルは高くなります。まだ役職に就いていない場合は特に早めの転職の決断が必要かもしれません。
選考では「マーケティングチームのリーダーとして部下や後輩育成を行っていた」といったプロジェクトや社内チームでのマネジメント経験や役職経験が見られる傾向にあります。
備えているリーダーシップや人材を育成する指導力などについて、どのような業務の中で発揮してきたのか、成果やプロセスを交えながら説明できるようキャリアの棚卸しをしっかりと行いましょう。
30代後半(35~39歳)
30代後半も同じく、即戦力としての活躍を望まれることがほとんどです。そのため、現職での役職経験やマネジメント経験がないのであれば早めのアクションが求められます。
30代後半は、年齢が上がれば育成するための時間をかけられないことや年収を高くしなければならないため、それに見合ったスキルがあるかどうかを見られるようになります。
前述したように技術的・専門的なスキルだけではなく、今までに得た企画提案力や課題解決力、コミュニケーション能力などのポータブルスキルも重要視されていますが、それ以上に30代後半での転職はリーダーシップが最重要視されています。
マネジメント経験がない場合はできる限り早い転職活動がベストでしょう。
今までにリーダーとしての経験がある場合には、しっかりと自己分析を行い、多人数でのマネジメント経験など企業の求めている人材像にマッチした強みをアピールしましょう。
40代以上
40代以上は、一般的には管理職から管理職への転職が中心となっていきます。年齢も高く企業側としても提示する収入やポストを好待遇にすることが多くなる分、求められる条件がかなり厳しくなるため、求人サイトからの応募ではなかなか採用してもらえない可能性もあります。自分にあった職場へ転職するためには転職エージェントを通じた求人をもらうとよいでしょう。
ポータブルスキルや専門的なテクニカルスキルはもちろんのこと、今まで以上に組織全体への貢献度が見られます。
管理職について、実際に部署やチーム全体、企業全体への成果にどう貢献してきたかをまとめておくようにしましょう。
初めての転職活動の際に気を付けるべきポイント
以下は初めての転職活動での注意点です。
・ 新卒とは評価基準が異なる
・ 内定の受諾は1週間以内
・ 転職の時期に注意する
・ 退職先の引き継ぎを行う
・ 自分自身をしっかり見つめてから転職活動を行う
一つずつ、詳しく解説していきます。
新卒とは評価基準が異なる
前述したように、転職活動は新卒での就職活動とは評価の基準が異なります。第二新卒までは似たようにポテンシャル重視ですが、転職は社会人としてのスキル・実績を重視されます。自己分析を行うのはこれが大きな理由です。
ほかにも自己PRや自分のスキル・経験について話す際には具体的な数字を用いてアピールすることが大切です。とはいえ、SNSマーケティング部門に応募したとしても、アピールポイントが「前職では営業チームでノルマの150%を毎月達成していた」であった場合あまりピンときません。
企業に求められる人材像に合わせて自分のスキルや業績をピックアップできるよう、企業研究を通じて企業が求める人材像をできる限り明確に理解しておきましょう。
内定の受諾は1週間以内
何度も述べてきたように、転職活動で獲得した内定の回答期限は1週間前後とかなり短い期間になっています。転職を複数社に応募した場合、志望度の高い企業からの返事がまだ出ていないまま、ほかの企業から内定が出て回答しなければならない場面は大いにあります。
内定承諾するタイミングが前後しないよう、面接日程や書類作成の時点で転職活動のスケジュール調整に注意しておきましょう。
自分でスケジュールを調整するのが難しいという方は、スケジュール調整を代行してくれる転職エージェントを活用してみてください。
転職の時期に注意する
転職希望先に内定の承諾した際には、実際に入社できる日を聞かれます。そのため、現在の職場の退職日を調整する必要があります。
現職からの退職には上司へ相談をしておき、実際に退職届を出してから1~2カ月での退職が妥当といわれています。しかし、退職時期が繁忙期と重なってしまうと、迷惑をかけてしまいます。こういったことを避けるためにも、退職の申し出は時機を見て行い、実際に転職先に入社可能な日時を調整することが重要です。
また退職の相談を上司に持ち掛けたときには引き止めに合う可能性も考えられます。慎重に時期を選ぶのがよいでしょう。
ほかにも転職先からいくつかの現在の職場で作成しなければならない離職票や源泉徴収票などの書類の提出を求められるため、あらかじめ用意できるようスケジュールに組み込んでおいてください。
退職先の引き継ぎを行う
現職の退職スケジュールの中には、自身の受け持っている担当業務の引き継ぎも考慮しておきます。
自分の担当する業務について資料をまとめ切れていなかったり、自分の後任が見つかっていなかったりすると、引き継ぎが杜撰(ずさん)で退職後に迷惑をかけることもあります。把握している情報や資料はまとめて後任に渡して残務はしっかりと処理し、退職で遺恨にならないよう努めることが社会人としてのマナーです。
自分自身をしっかり見つめてから転職活動を行う
転職活動は自分の市場価値を把握している人におすすめであり、「なんとなく今の職場に不満を感じている」「職場の同僚と仲が良くない」「とりあえず収入を上げたい」といった転職軸が明確でない人にはおすすめできません。
まずは転職前に自己分析やキャリアの棚卸しをしっかり行って、自分がなぜ転職をしたいのか、どのような企業でなんの業務に携わりたいのかをはっきりさせて転職活動に挑む必要があります。
退職理由がネガティブな場合も注意が必要です。
例えば「職場の同僚との関係が悪い」といった場合は職場の人ではなく自分自身の業務への態度や周囲への迷惑が原因かもしれません。業務自体に不満がある方は上司に相談することで別の部署へ異動することができたという話もありますし、企業によっては一定期間ごとに異動申請を出せる場合もあります。
まずは上司への相談や自身の見つめ直しを行い、それでも改善を見込めない場合には転職活動を通じてどのような目的を達成したいか明確にしていきましょう。
転職で何から始めるかわからなければジョバディへご相談ください
初めての転職活動では何から手を付ければよいかわからず、焦りや不安が生じてしまいがちです。
自分のスキルや強みを理解して初めて適職や向いている社風を知ることも少なくありません。まずは落ち着いて自己分析から始めて、自分の転職理由や転職先でのキャリアビジョンを明確にしましょう。
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