
転職エージェントは何社登録するとよい? 掛け持ちする利点と注意点を解説
ひとえに転職エージェントといっても、規模も種類もさまざまで、それぞれに特徴があります。自分の求める業界や職種、サービスを考えるといくつか登録しておきたい人もいるでしょう。
結論から言うと、転職エージェントは複数登録しておくのがベストです。
本記事ではその理由も含め、以下の要点について詳しく解説します。
【この記事の要点】
●転職エージェントは、幅広い求人を扱う大手総合型と属性・ジャンルで特化した中小・特化型がある
●初めの登録は、総合型2社程度、自分に合う特化型1~2社に登録するのが目安
●併用のメリットは、エージェントごとの強みを利用できる、自分に合うアドバイザーに出会う確率が高まる、多くの求人に触れられるなど
●併用のポイントは、最終的には1~2社に絞る、相性の良いところだけ利用する、エージェントにも併用を伝える、情報は取捨選択する
転職エージェントで何社ぐらい登録したらいいか困っている人はぜひ参考にしてください。
転職エージェントの役割
転職エージェントの役割は、人材を求めている企業と就業先を求めている求職者の仲介役となってベストなマッチングを成立させることです。サポート内容は、登録した求職者に面談や求人紹介、応募書類の添削や面接対策などを行い、内定後の日程調整や交渉事に対応します。転職エージェントの特筆すべき点は、これらすべてのサービスを無料で受けられることでしょう。
全国の転職エージェント(職業紹介事業所)の数は、約24,000(厚生労働省「平成30年度職業紹介事業報告書の集計結果」)にも上り、企業規模や得意分野、どのような求職者を対象とするかなどそれぞれに特徴が異なります。そのため、1社だけの利用に留めてしまうと、自分の可能性を狭めてしまうことにもなりかねません。絞るのは転職活動を進めていく中で自分の方向性が定まってきたときでよいので、幅広い可能性を求めるなら最初は複数の転職エージェントに登録しておくのが効果的です。
転職エージェントの種類
転職エージェントには大きく分けて、大手総合型、中小・特化型の2種類があります。そのうち中小・特化型は、業界・職種に特化しているものと年代・属性に特化して展開しているものに分かれます。
大手総合型は幅広い選択肢の中から求人を提案してもらえるので、さまざまな業界の情報を収集した上で自分に合う求人を比較検討できるでしょう。
一方、中小・特化型は、求職者の属性、求人のジャンルなどにそれぞれ特化した強みを持っており、大手総合型よりも詳しい企業情報が手に入る可能性が高いでしょう。
それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
大手総合型 | 中小・特化型 | |
メリット | 全業界・職種の求人案件を保有している | 業界出身のアドバイザーが多く知識が豊富 |
求人案件数が多い | 企業とのつながりが深い | |
質が安定している | サポートが手厚い | |
デメリット | 特定の業界に対する深い知識はない | 求人案件数が少ない |
利用者が多いため対応が事務的 | アドバイザーの当たり外れが大きい |

大手総合型エージェント
大手総合型エージェントは、大手企業が運営する、総合型のエージェントです。
総合型のため、幅広い業種や職種の求人を取り扱っています。
大手総合型エージェントを使う最大のメリットは、求人募集案件数の数が圧倒的に多いところです。
どのような業界でも対応してくれるため、志望する業界が複数あっても、業界ごとに求人を紹介してもらえます。
また、それに応じて、必要な情報を提供してくれます。
複数の転職エージェントに登録する場合、まずは大手総合型エージェントから登録するのが無難でしょう。
属性特化型エージェント
属性特化型エージェントは、転職先で就く役職など、必要な属性ごとに求人を募集するエージェントです。
属性に特化して求人を募集するため、ハイレベルな経歴を持っていたり、スキルや業務経験が豊富だったりする人に向いているエージェントです。
ある程度仕事でスキルを積んだ30代や40代の人が転職を検討する際に、おすすめしたいエージェントです。
年代特化型エージェント
年代特化型エージェントは、その名のとおり、必要とされる年代に特化して求人を募集するエージェントです。
社会人経験が浅いうちに転職する人は、どのような会社が自分に合うか分からず、転職活動に対して不安に感じる人もいるでしょう。
そんな若手の人でも安心して転職できるように、ブラック企業と呼ばれる企業の求人を掲載しないなど、エージェント側がさまざまな取り組みを行っています。
第二新卒や20代などの若手、もしくは業界未経験者が転職を検討する際に、おすすめしたいエージェントです。
業種特化型エージェント
業種特化型エージェントは、特定の業種に特化して求人を募集するエージェントです。
具体的な例として、システムエンジニアの求人を数多く掲載するIT業界に特化したエージェントや、特定の資格やスキルを生かせる求人を掲載するエージェントなどがあります。
また、女性向けの求人や、働く時間が限られる主婦(主夫)に向けた求人に特化したエージェントもあります。
働き方も幅広い選択肢の中から決められる現在では、このようにエージェントの種類も細分化しています。
転職エージェントは、初めは3社登録が目安
あるアンケートの「就職活動で転職サイト・エージェントはいくつ登録しましたか?」という問いへの回答を見ると、登録した転職サイト・エージェントの数は2社が最多でした。平均の登録社数は2、3社で、転職経験者の多くが転職エージェントを複数利用しています。実際には4、5社登録して転職を成功させている人もいます。初めは多めに登録して、徐々に数を絞っていくのがおすすめです。
ただし、多く登録しすぎるのは考えものです。登録に手間がかかる上、それぞれの担当者と時間を取って面談し、同じことを何度も話さなくてはなりません。メールや電話の対応もエージェントの数だけ増えます。情報収集や自己分析にかける時間が減ってしまうので、自分が無理なく対応できる範囲に抑えておくべきです。目安としては、大手総合型を2社程度、自分に合う中小・特化型を1、2社登録しておけばよいでしょう。
転職エージェントの絞り方については後述します。
転職エージェントを複数使わないことの弊害
上記で、転職エージェントを利用する際、3社ほど登録するのが目安と述べました。
では、転職エージェントを複数使わないとどのようなデメリットがあるのでしょうか。
ここで、転職エージェントを複数使わないことの弊害について解説します。
・視野が狭くなってしまう
・ブラックエージェントに当たるリスクがある
上記2つのデメリットに分けて紹介します。
一つずつ見ていきましょう。
視野が狭くなってしまう
転職エージェントを複数使わないことの弊害の1つ目は、選択肢が狭まることによって視野が狭くなってしまうことです。
転職先を決めることは、あなたのこれからの人生を左右する重要な決断になります。
転職エージェントを1社しか使わなければ、その転職エージェントが紹介する求人にしか応募できなくなります。
また、アドバイザーからの意見も、一人の担当者からのものだけになります。
あなたの希望する条件により近い会社と出合うためにも、転職エージェントは複数使うことをおすすめします。
ブラックエージェントに当たるリスクがある
転職エージェントを複数使わないことの弊害の2つ目は、使うエージェントがブラックエージェントに当たるリスクがあるということです。
ブラックエージェントとは、転職希望者を商品としか捉えていないようない、悪徳エージェントのことを指します。
もし登録したエージェントがブラックエージェントだった場合、転職希望者のキャリアのことを配慮せず、とにかく転職するように圧力をかけてくる可能性があります。
ほかにも、むやみやたらに数多くの求人に応募させるなどのデメリットも考えられます。
ブラックエージェントに当たり、雑な対応をされないためにも、複数の転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントを併用するメリット
複数の転職エージェントを併用するメリットについて説明します。
● 転職エージェントごとに強い業界や職種が異なる
● 自分に合うキャリアアドバイザーと出会える確率が高まる
● 多くの求人に触れる機会ができる
順に見ていきます。
転職エージェントごとに強い業界や職種が異なる
転職エージェントは独自のコネクションを持っているため、得意とする業界や業種、強みが異なります。複数登録することでより多くの種類の求人に触れることができるでしょう。これまで縁のなかった業界や職種を知ることは、自分の選択肢の幅を広げることにつながります。
また、転職エージェントのフォロー体制もさまざまです。自分の必要に応じて、「応募書類の添削はA社が上手だからそちらに依頼しよう」などという使い分けも可能です。
自分に合うキャリアアドバイザーと出会える確率が高まる
キャリアアドバイザーも人間ですので、実力は十分あっても自分とは性格や考え方が合わなかったり、求職者側の希望がうまく伝わらなかったりする場合があります。複数社に登録してさまざまなキャリアアドバイザーに会っていれば、いまのアドバイザーが自分に合っているかを比較して判断することができるでしょう。なお、自分に合うかどうかは、ネットの口コミや評判だけでは分かりません。実際に面談するまでは分からないため、複数利用してみる価値はあります。ただし、もし最初の面談でばっちり相性の合うキャリアアドバイザーに出会えたのなら、無理して複数登録する必要はありません。何度も面談するのも手間なので、その分、転職準備に充てるとよいでしょう。
多くの求人に触れる機会ができる
転職エージェントが保有する求人案件は、インターネットなどで公開している求人のほかにも、登録者にだけ紹介する「非公開求人」やそのエージェントでしか取り扱っていない「独占求人」もあります。「非公開求人」や「独占求人」は、競合他社に知られずに採用活動を行いたい企業が募集しているもので、人気企業や重要プロジェクトのメンバーなどの求人が含まれています。一般公開すると応募が殺到するような魅力的な求人は、転職エージェントに登録しない限り出合えません。複数の転職エージェントに登録することにより、各社が持っている非公開・独占求人を紹介してもらえるチャンスが増え、自分に合った仕事にめぐり合える可能性が高まるでしょう。

企業の深い情報をたくさん得られる
転職エージェントを複数利用することで、各企業の深い情報をたくさん得られるというメリットもあります。
各企業の情報は、転職エージェントによってどれくらい持っているかは異なります。
それは、エージェントによって、関係性の深い企業が異なるからです。
ある企業と、取引を始めて1年目の転職エージェントと、すでに5年以上の取引をしている転職エージェントでは、保持する情報に差が出るのは自然なことです。
あなたが転職を希望する企業で内定を獲得するためには、より、その企業の有益な情報を提供してもらえる方がおすすめです。
転職エージェントを複数利用すれば、そのように有利に転職活動を進めることが可能です。
企業の情報を多角的に判断できる
これは、上記で紹介した、各企業の深い情報をたくさん得られることにも通じるメリットです。
転職エージェントによって、保有している企業情報はさまざまです。
ポジティブな情報しか持っていないエージェントもあれば、ポジティブな情報もネガティブな情報もたくさん持っているエージェントもいます。
情報がたくさんあれば、その企業のことを客観的に判断する材料が増えます。
逆に、転職エージェントを一つしか使わなければ、情報が不足することが考えられます。
入社後にミスマッチを起こさないためにも、企業の情報は多く持っておいた方がよいでしょう。
幅広い意見を聞くことで、キャリアプランの可能性が広がる
転職エージェントに登録すると、転職希望者、個人ごとに担当アドバイザーがつきます。
アドバイザーは、転職活動における悩みを相談に乗ったり、アドバイスをしてくれたり、転職活動をサポートしてくれる存在になります。
転職エージェントに複数登録すると、それだけあなたの担当アドバイザーも増えます。
各アドバイザーから、転職を成功させる上での意見をもらえるので、キャリアプランの可能性も広がります。
今後のキャリアプランを決める上で、短期的な目標だけでなく、中長期的な目線で意見をくれるアドバイザーもいます。
長い目線でキャリアプランを考える上では、アドバイザーからの幅広い意見は重要なポイントになります。
転職エージェントを併用するデメリット
次に転職エージェントを併用することで考えられるデメリットを説明します。
● スケジュール管理が難しくなる
● 情報が増えて迷いやすくなる
● 優先サポートが受けられない可能性がある
● 同じ求人に応募してしまう危険性がある
順に見ていきます。
スケジュール管理が難しくなる
求人検索からキャリアアドバイザーとの面談、応募、面接と、転職活動には時間がかかります。複数の転職エージェントに登録した場合は、各エージェントのキャリアアドバイザーと面談しなければならず、回数も増える上、何度も同じことを話さなければなりません。また、ほかのエージェントで進めている選考スケジュールが把握できないせいで、応募した企業の面接や選考のスケジュールが重なる場合も珍しくないでしょう。
転職活動においてスケジュール管理をエージェントに任せられないのはかなりマイナスです。一つ間違えるとせっかく紹介してもらった企業の面接が受けられなかったり、直前にキャンセルすることになったりと悪い印象を与えてしまいかねません。
情報が増えて迷いやすくなる
複数の転職エージェントに登録して担当のキャリアアドバイザーが増えてくると、まったく異なるアドバイスをされるケースが起こり得ます。転職に「絶対の正解」はないため、真逆の考えを持つアドバイザーがいても不思議ではありません。情報量が多くなりすぎた結果、決断した後も「本当にこれでよかったのか」と迷ってしまうこともあるでしょう。また、あまりに多くの意見を聞いてしまうと、どれが正しいのか分からなくなってしまうかもしれません。
大切なのは、決めるのは自分自身だという軸をしっかり持つことです。キャリアアドバイザーに言われるがまま転職を決めるのではなく、一つの意見として取り入れ、総合的に判断するようにしましょう。
優先サポートが受けられない可能性がある
すでに説明したとおり、複数のエージェントを利用すること自体は転職活動を効率的に進める上でも有益であり、問題ありません。しかし、中には複数のエージェントを利用していることが分かるとサポートの順位を下げてくるところもあります。エージェントは自社の紹介で入社が決まった場合にのみ企業から報酬が入るため、複数利用している=自社で転職してくれないならばサポートしてもメリットがないと考えるところもあるようです。
同じ求人に応募してしまう危険性がある
原則、応募は1一つの求人に対して1回が基本です。もしエージェントを1社しか利用していなければ、応募の管理はエージェント側がしてくれるのですべてお任せでOKです。しかし、複数利用している場合は、求職者側で応募状況の管理をしなければなりません。「こんな求人、前にもあったな」と思いつつも同じ企業とは気がつかずに、別のエージェントからも応募してしまうことが実際にあります。同じ求人に何度も応募してしまうと、転職エージェントからの信用を失うばかりでなく、企業の心証も悪くなってしまうでしょう。時間的・労力的コストを抑えるために転職エージェントを利用しているにも関わらず、逆に円滑な転職の妨げになるようでは本末転倒です。
受け身になって自身で調査を行わなくなる
転職エージェントに複数登録すると、その分、紹介される求人やもらえる情報も増えます。
紹介される求人や情報が増えることによって、自分の力で調べなくても大丈夫と過信してしまう可能性があります。
各企業には、転職エージェントからはもらえない情報もたくさんあります。
特にIRや今後の見通し、内部情報などは自分でも調べるようにしましょう。
内部情報は、口コミサイトやOB訪問を活用するとよいでしょう。
コミュニケーションコストが増える
転職エージェントに登録すると、担当アドバイザーとのやりとりも発生します。
登録するエージェントが増える分、やりとりをするアドバイザーも増えます。
やりとりをするアドバイザーが多すぎると、コミュニケーションコストが負担に感じることもあるでしょう。
特に、在職中に転職活動を進める場合は、負担に感じることも多くなります。
そのため、負担に感じない程度のやりとりに収めることをおすすめします。
転職エージェントを併用する際のポイント
転職エージェントを併用する際のポイントは以下のとおりです。
● エージェント数を1~2社に絞る
● エージェントとの相性の良いところだけ利用する
● 大手だけでなく、中小・特化型エージェントの利用も検討する
● 複数の転職エージェントを利用していることを事前に伝える
● 情報の取捨選択を適切に行う
順に見ていきます。

転職活動用のメールアドレスを作る
転職エージェントに複数登録すると、その分、求人紹介や選考の連絡がたくさん送られてきます。
登録するエージェントの数や種類によっても異なりますが、1日当たり30件程度のメールが届く可能性もあります。
普段使うメールアドレスと同じもので登録すると、エージェントからの大事な情報が埋もれてしまう可能性もあります。
一方、転職活動用のメールアドレスを作れば、転職に関する情報が届くことが分かるため、見やすいというメリットがあります。
エージェント数を1~2社に絞る
転職エージェントを併用するメリット・デメリットを考えると、利用するエージェントはいずれは絞っていく必要があります。転職活動を進めていく中で使用頻度の高いところを見極めるようにすれば、自然と残したいエージェントが浮かび上がってくるものです。目安としては、最終的に利用するエージェントをそれぞれ特色の異なる1〜2社か、多くても3社程度に抑えるのがよいでしょう。
このように利用するエージェントを絞ることで、それぞれどこまで話を進めたかが分かりやすくなります。先ほど述べたスケジュール管理の煩雑さや重複応募の危険性も大幅に減らせるでしょう。また、キャリアアドバイザーからの異なるアドバイスに混乱することもなくなります。
エージェントとの相性の良いところだけ利用する
キャリアアドバイザーとの相性の良さもエージェント選びの重要なポイントです。これはキャリアアドバイザーの実力とは関係ありません。サポート自体に問題はないけれど、「なんとなく話しづらい」や「いつも引っかかるところがある」というのも、積み重なればストレスになります。そのような関係では信頼関係を築くことも難しいでしょう。
相性の良いキャリアアドバイザーを見つけるには、複数の転職エージェントに登録して、多くのキャリアアドバイザーとやりとりすることです。具体的には、応募書類の添削や面接対策、メールでのやりとりなどを通してして自分に合うキャリアアドバイザーを選べば、転職活動にかかる無用なストレスは軽減されるでしょう。
大手だけでなく、中小・特化型エージェントの利用も検討する
大手総合型転職エージェントの特長は、一つの業界や職種にこだわらず、さまざまな求人を扱っていることです。まだ自分のキャリアを決めきれていない、キャリアアドバイザーと相談しながら自分の可能性を見つけていきたい、という人に向いています。多くの求人を比較検討しながら転職活動を進められるでしょう。
一方、中小・特化型転職エージェントは、ITや医療など、特定の業界に詳しいキャリアアドバイザーが専門性の高い求人を扱っています。業界特化型に所属するキャリアアドバイザーはその業界の出身者が多く、内情に精通していたり、企業に直接顔が利いたりすることもあります。自分の目指したい業界が決まっているのであれば、中小・特化型はおすすめです。
複数の転職エージェントを利用していることを事前に伝える
複数の転職エージェントを利用していることは、必ず担当のキャリアアドバイザーに伝えましょう。ほかの転職エージェントで「どのような企業に応募しているのか」「選考はどこまで進んでいるのか」などを相手に共有することで、面接日が重なったり、同じ求人を紹介されたりするなどのトラブルを防ぐことができます。なんとなく申し訳ない気がするかもしれませんが、隠してスケジュールがバッティングしてしまうことの方が、エージェントにとっては迷惑です。
転職エージェントが一番重きを置いていることは、「利用者全員が満足のいく転職活動ができること」です。複数利用でその目標がかなうのならば本望だと考えているので、気にしなくても大丈夫です。

登録情報はそろえること
転職エージェントに登録するあなたの情報をそろえることもポイントです。
転職エージェントに登録すると、求人紹介や選考の連絡のほかにも、面談や面接対策のための連絡がきます。
もし、登録情報をばらばらにすると、さまざまな連絡先に転職活動に関する連絡が届き、管理することが難しくなります。
特に、選考が始まった後は、アドバイザーと電話で細かくやりとりをする機会もあるため、連絡先がばらばらでは、煩わしく感じてしまうでしょう。
そのような煩わしさを回避するためにも、各エージェントへの登録情報はそろえておくことをおすすめします。
情報の取捨選択を適切に行う
転職エージェントを複数利用すると、良くも悪くも多くの情報が入ってくるので、自分で取捨選択する必要があります。時にはまったく逆の情報が入ってくることもあり、どちらを信用すればよいか悩んでしまうかもしれません。
複数のエージェントを使う場合は、自分の軸をしっかり持つことが大切です。もし自分で情報の取捨選択を行うのが難しい場合は、自分を客観的に判断してくれる友人や信頼を置いている知人に相談に乗ってもらうとよいでしょう。
転職エージェント複数併用の伝え方
転職エージェントのアドバイザーと話す際に、エージェントを複数利用していることを伝えてもよいのか気になる人もいるでしょう。
伝えたい一方で、どのように話したらよいか分からないという人もいると思います。
ここで、転職エージェントを複数利用していることの伝え方について解説します。
・複数併用しているエージェントを伝える
・複数を併用する目的を伝える
・配慮を示す
上記3つの項目に分けて紹介します。
一つずつ見ていきましょう。
複数併用しているエージェントを伝える
転職エージェント複数併用の伝え方の1つ目は、複数併用しているエージェントを伝えることです。
まず、担当のアドバイザーに、複数のエージェントを併用している旨を伝えましょう。
伝えてしまうと、対応を後回しにされたりしないか不安に感じる人もいると思います。
しかし、伝えることで、あなたの転職活動を有利に進めるメリットの方が多いのです。
例えば、他社の状況を踏まえて選考のスピードを調整してくれたり、相談しやすい関係性を作れたりするといったメリットがあります。
アドバイザーにあなたの状況を共有して、転職活動がスムーズに進められるようにしましょう。
複数を併用する目的を伝える
転職エージェント複数併用の伝え方の2つ目は、複数のエージェントを併用する目的を伝えることです。
アドバイザーには、複数併用する目的を伝えることも大切です。
複数併用している目的をアドバイザーに共有すれば、あなたが転職活動に対して求めている情報や、企業への希望条件が分かりやすくなります。
アドバイザーにとっても、転職希望者ごとに対応をカスタマイズしやすくなり、やりとりをより有意義な時間にすることができます。
配慮を示す
転職エージェント複数併用の伝え方の3つ目は、配慮を示すことです。
転職エージェントを複数併用していることを伝えるときには、配慮を示すことも大切です。
例えば、複数のエージェントの中から、利用を停止しようと思った際に、何も連絡しないままフェードアウトするのはNGです。
突然音信不通になったりすると、転職エージェントに対して悪い印象を残してしまいます。
後にそのエージェントを利用する可能性も考慮して、報連相は丁寧にすることをおすすめします。
転職エージェントを上手に活用するポイント
転職エージェントを上手に活用するポイントを説明します。
● エージェントに定期的に連絡を入れる
● 丁寧なやりとりを心がける
● プロフィールや経歴は正しく伝える
● 転職活動に対して前向きな姿勢を見せる
順に見ていきましょう。
経歴と希望条件を面談前に整理する
アドバイザーとの面談を、より有意義な時間にするために、次の3点を事前に整理しておきましょう。
①転職する理由
②転職先の希望条件
③履歴書と職務経歴書について
転職する理由については、口頭で説明できるように言語化しましょう。
転職先への希望条件については、仕事内容や給与条件など、ある程度決めておくとよいでしょう。
考えきれない場合は、アドバイザーと相談するのも一つの手です。
履歴書と職務経歴書については、アドバイザーからの添削を受けるためにも事前に準備しておくことをおすすめします。
エージェントに定期的に連絡を入れる
転職エージェントは数多くの求人情報の中から、条件にマッチした求職者に案件紹介メールのサービスを提供しています。連絡をまったく返さずにいると、「転職活動をしていないのでは」と判断され、案件紹介メールのサービスを受けられなくなることがあります。
転職エージェントをうまく活用するためには、2週間に一度の頻度で連絡を入れたり、状況報告をしたりするのがポイントです。キャリアの相談や現在の悩み、転職活動中に取得した資格の報告などを定期的に共有することで、キャリアアドバイザーとの信頼関係が構築されていきます。頻繁に面談することはできないかもしれませんが、メールを活用すれば十分コミュニケーションを取ることは可能です。
丁寧なやりとりを心がける
転職エージェントは、求職者が入社することによって企業から報酬を受け取るビジネスモデルです。そのため、中にはエージェントを利用する求職者の方が立場が上であると考える人もいますが、それは大きな間違いです。求職者が横柄な態度でキャリアアドバイザーと接した場合、「社会人としてのマナーがない」と捉えられ、優良な企業の案件は紹介してくれなくなる可能性があります。優良な企業、良い案件であればあるほど高い人間性が求められるので当然のことといえるでしょう。
キャリアアドバイザーは求職者が満足のいく転職ができるように何ができるか考えてくれています。感謝の気持ちが伝わるようなマナーある対応を心がけることが大切です。
プロフィールや経歴は正しく伝える
条件の良い案件を紹介してもらうために、自分を良く見せたい気持ちは誰しもあるでしょう。しかし、だからといってプロフィールや経歴、習得しているスキルを偽るのは絶対にやめてください。万が一、虚偽の申告が発覚した場合、転職エージェントの利用に支障が出ることがあります。「信用できない人物」と、いったん認識されると、優良案件の紹介が受けられないほか、以後限られた案件のみの紹介となる可能性も出てきます。
もし自分の経歴が転職に不利になるなど、どうしてもうそをつきたくなるような理由がある場合には、そのことを正直にキャリアアドバイザーに伝えてみましょう。相手は転職のプロです。きっと上手な解決策を教えてくれるはずです。

転職活動に対して前向きな姿勢を見せる
キャリアアドバイザーに「転職に積極的である」という意気込みを示すことはとても大切です。これは今すぐに転職を考えていない場合や転職を迷っている場合も同様です。
キャリアアドバイザーは一人で多くの求職者を担当しています。大手総合型の転職エージェントになると、1アドバイザーあたり、なんと100人以上の求職者を担当するケースも珍しくありません。転職意欲が低い求職者よりも、転職に前向きな求職者を優先的にサポートしたいと考えるのは当然でしょう。キャリアドバイザーに「この人の転職活動を成功させたい」と思ってもらえると、優良求人の紹介や質の高い推薦状の提出などが期待できるため、より転職の成功が近づきます。
むやみやたらに求人に応募しない
転職エージェントから紹介される求人の内容をよく見ずに、むやみやたらに応募しないようにしましょう。
転職したい気持ちが先行して、内容を精査せずに求人に応募してしまう人もいるでしょう。
しかし、応募した後にモチベーションが保てないと、面接を受ける時間がもったいなくなります。
特に、大手総合型エージェントでは、保有する求人数も多いため、登録した条件に合わせて自動で求人が送られることもあります。
しかし、精度が高くない可能性もあるので、一つずつしっかりと見極めることをおすすめします。
その企業を退職した人から一次情報を集める
退職者からの情報は、その企業への入社を判断する材料として非常に有効的です。
採用担当者から聞く話や、その企業の評判記事からの情報は、基本的に良いことしかないでしょう。
しかし、退職者からの情報であれば、より信用度の高い情報を得られる可能性も高まります。
そのため、社会人向けのOB訪問ツールを活用して、退職者からの情報を集めることをおすすめします。
言いなりにならず自分の頭で判断する
転職エージェントやアドバイザーは、転職希望者の背中を押してくれる存在ですが、言いなりにはならないように注意しましょう。
自分の頭で判断せずに、入社後にミスマッチが起きた際、自分で決断できなかったことを後悔することになるでしょう。
アドバイザーの意見も取り入れつつ、後悔しないように、自分の頭で判断することも怠らないようにしましょう。
推薦文の内容は必ず確認する
転職エージェントのアドバイザーは、企業側に転職希望者を紹介する際、推薦文を提出します。
推薦文の内容が事実と異なったり、齟齬(そご)があったりする場合、その後の選考で不利になる恐れがあります。
推薦文は、採用担当者にとって、その人の印象を左右するものです。
あなたが選考で不利にならないように、推薦文にはしっかりと目を通しましょう。
担当者と相性が合わないと思った場合は担当変更を申し出ること
担当のアドバイザーと相性が合わないと感じた場合は、遠慮なく担当変更したい旨を伝えましょう。
アドバイザーはあなたの転職活動のサポートをしてくれる存在ですが、人間同士なので相性が合わないと感じる可能性もあるでしょう。
しかし、相性が合わないと感じたまま担当を続けられても、あなたにとってメリットがありません。
具体的にどのような部分が合わないと思うかも伝えて、より転職活動をスムーズに進められるようにしましょう。
転職エージェント利用の流れ
ここで、転職エージェントを利用する際の流れについて解説します。
まず、転職エージェントに登録します。
次に、担当アドバイザーとの面談をします。
その後、求人を紹介してもらえるようになります。
希望条件に合う求人があれば、応募します。
そして、応募した企業での選考を受けます。
選考の内容は、書類選考や面接があります。
選考を受けた企業で内定がもらえれば、給与交渉をします。
この過程で、特に大事なのが初回の面談です。
紹介する求人の条件を、アドバイザーとしっかり話し合うことができるので、あなたの希望する条件は事前に整理して伝えるようにしましょう。
転職エージェント活用ポイント
転職エージェントを活用する際のポイントについて、おさらいを含めて解説します。
各フェーズに分けてポイントを紹介します。
まず、転職活動を始めるときに、転職エージェントは複数登録しましょう。
そして、転職活動用のメールアドレスを作ることをおすすめします。
エージェントに登録後、アドバイザーとの面談をする際のポイントは2点あります。
面談前に経歴や転職先への希望条件を整理しておくことと、担当者とは、こまめに連絡を取ることです。
アドバイザーとの選考対策については、自分から積極的に依頼するようにしましょう。
また、フィードバックが少ないなど相性が合わないと感じるアドバイザーは担当変更を申し出ましょう。
求人紹介の過程では、次のポイントがあります。
アドバイザーが書いた推薦文を確認すること、むやみやたらに応募しないこと、退職者からの情報をも集めることです。
選考を受ける過程では、次のポイントがあります。
よくある質問や採用基準を確認しておくこと、聞いておくべき逆質問を確認することです。
内定をもらった後は、アドバイザーの言いなりにならず自分の頭で判断することも重要なポイントです。
転職エージェントの利用に関するよくある疑問
最後に転職エージェントを利用するにあたってよくある質問を紹介します。
● ほかのエージェントから同じ求人を紹介されたら?
● スケジュールなどを管理できなくなったら?
● 複数内定が出た場合は?
● 担当者を変更してもらうことは可能?
● 転職成功のために少しだけ経歴を詐称してもいい?
順に見ていきます。
転職エージェントは複数登録するべき?
転職活動を始める際は、複数の転職エージェントに登録することをおすすめします。
転職エージェントに複数登録するメリットについては上記で紹介したとおりです。
各エージェントによって、保有する求人が異なることや、アドバイザーの相性などの問題もあるため、比較しながら使うとよいでしょう。
エージェントによって、独自の非公開求人を保有している可能性もあるので、最初は複数登録しておく方がメリットも大きいでしょう。
転職エージェントは何社利用すべき?
転職エージェントは、3社ほど利用することをおすすめします。
エージェントによって強みや弱みがあったり、特化しているポイントも異なったりします。
ある程度の数を利用することで、あなたに合ったエージェントと出合える可能性や、希望する条件の会社と出合える可能性が広がります。
忙しい場合は1社、2社使ってからの判断でもよいのですが、悩んだ場合は3社以上使うと比較検討しやすくなります。
最終的に転職エージェントは1社に絞らないとダメ?
最終的に頼るエージェントは1社に絞ることをおすすめします。
最初は、比較検討しながら使い進めるのがよいため、複数登録しておいた方がおすすめです。
しかし、複数登録したまま転職活動を続けると、手間が増えてしまう可能性も高いです。
そのため、相性が良いエージェントが見つかれば、最終的には1社に絞ってサポートを受けるとよいでしょう。
相性の良い人がいたら複数登録しなくてもいい?
基本的には、最初は複数の転職エージェントに登録することをおすすめします。
しかし、人によっては多忙で転職活動に時間があまり割けないという人もいるでしょう。
そんな中で、たまたま1社目に登録したエージェントの相性が良ければ、複数登録しなくてもよいでしょう。
相性の良いアドバイザーと出会えたら、複数登録しない分、転職活動への負担も軽減されます。
ほかのエージェントから同じ求人を紹介されたら?
すでに紹介を受けている求人を別のエージェントからも提案された場合は、正直にその旨を担当者に伝えて別の求人を紹介してもらいましょう。
前述のとおり、一つの求人に対し応募は1回が基本のため、複数のエージェントから同じ求人に応募するのは絶対にNGです。もし重複応募が判明した場合、企業とエージェント間でトラブルが発生する可能性もあります。もちろん、求職者に対する企業とエージェントからの信用も失うことになるので注意してください。
スケジュールなどを管理できなくなったら?
エージェントを複数利用していると、担当者との連絡や日程調整が複雑になり、管理しきれなくなる可能性があります。スケジュール管理がおざなりになれば、選考がバッティングする危険も出てくるでしょう。もし管理が難しいようであれば、あまり使わないエージェントを退会してしまうことも一つの方法です。ほとんどのエージェントは担当者に連絡を入れるか、退会フォームから手続きを行うことで簡単に退会できるので参考にしてください。
複数内定が出た場合は?
企業から二つ以上内定が出た場合は、採用条件等を比較しつつ、どちらの企業に進むべきかよく考えて内定を承諾する企業を決めましょう。内定を承諾する企業が決まったら、担当者に連絡を入れてください。
なお、異なるエージェントから複数の内定が出る場合もありますが、エージェント側も内定辞退の可能性があることは最初から承知しています。絶対に自社の内定を選んでくれるとは考えていないので、気にせず断って問題ありません。
担当者を変更してもらうことは可能?
転職エージェントを使う転職活動では、ほとんどのことをキャリアアドバイザーにサポートしてもらうことになります。そのため、担当者と良い関係が保てなければ、満足のいく転職活動はできません。少しでも不満がある場合は、できるだけ早くエージェントに連絡を入れて担当者変更の相談をしましょう。別の担当者に変更できればそれでよいですし、もし担当者の変更ができなければ、求人情報だけチェックしてすぐに退会しても問題ありません。

転職成功のために少しだけ経歴を詐称してもいい?
程度の大小に関係なく経歴詐称は絶対にアウトです。万が一、経歴を詐称した事実が明らかになった場合には、エージェントからの求人紹介を断られてしまう恐れがあります。そして、詐称した経歴をもとに紹介された求人は、あなたの本当のスキルや経験に見合っていないため、たとえ選考が進んだとしても内定取り消しや入社後解雇になる可能性が高くなります。
転職先・転職エージェントいずれにおいても大問題です。肝に銘じてください。
転職エージェントに見捨てられることはある?
転職エージェントは、転職希望者のサポートをするため、転職に対して意欲的な人を見捨てることはないでしょう。
しかし、転職意欲が低い人や、連絡が付きにくい人、希望する条件が本人の経歴と見合っていない場合などは、求人を紹介しにくくなります。
アドバイザーと密にやりとりをして、積極的に転職活動をしていれば、エージェントから見捨てられると不安に思う必要はありません。
転職エージェントに登録したら会社にばれる?
転職エージェントに登録をしても、在職中の会社にばれる可能性はゼロに等しいです。
転職エージェントは、個人情報が漏れないように情報管理を徹底しています。
また、企業側は応募前の転職希望者の情報を見ることはできません。
よほど特殊な理由がない限り、転職エージェントに登録していることが現職の職場にばれる可能性はないので、安心してください。
転職エージェントならジョバディがおすすめ
転職エージェントは「多めに登録して後から絞る」。これが転職活動を効率的に進めるポイントです。ぜひ実践してみてください。
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