
「転職が面倒くさい」を乗り越えるには? 対処法や放置のリスクも解説
転職は実際のところ、やることが多く手間もかかるため、面倒くさくなりがちではあります。
しかし、そんな転職活動も対処法をマスターすれば進めやすくなるかもしれません。
また、面倒くさいからといって転職したい気持ちを抱えたまま放置すると、後々さまざまなトラブルが起こるリスクもあります。
面倒くさい気持ちを乗り越える方法も紹介するので、思い切って転職してみてはいかがでしょうか。
【記事の要約】
●転職活動は、準備・最中・終了後それぞれやるべきことがあり、面倒くさくなる可能性がある
●面倒くささを解消する方法としては、転職理由をはっきりさせる、軽い気持ちで始めてみる、
短期決戦を意識する、転職エージェントやスカウトサービスを利用するなど
●転職を面倒くさがって後回しにしていると、キャリアやスキル・評価などの面でデメリットがある
●投げやりな転職活動もマイナスなので、始めてからは丁寧に活動する
ぜひ参考にしてください。
なぜ転職は面倒くさいのか?
まず、転職が面倒くさい理由について解説します。
<転職準備>
● 転職の流れを調べるのが面倒くさい
● 履歴書などの書類作成が面倒くさい
● 自己分析や企業研究が面倒くさい
● 求人探しが面倒くさい
<転職中>
● 選考の日程調整が面倒くさい
● 不採用がストレスで面倒くさい
<転職後>
● 退職準備や引き継ぎが面倒くさい
● 新しい環境や人間関係が面倒くさい
まとめると、転職は前準備、転職中、転職後、すべての期間において何かしらやることがあるため、面倒くさいという心理が働いてしまう可能性が高くなります。
転職準備:転職の流れを調べるのが面倒くさい
転職活動が初めてだったり長期間のブランクがあったりすると、そもそも転職の流れをよく知らないことがあります。何から手をつけてよいのかわからないため、面倒くさいと感じる場合があるでしょう。
そんなときは、まず転職活動の流れを調べることから始める必要があります。
たいていの場合、「求人を探して応募する」「履歴書を提出する」「面接をして通過すれば採用」と大まかであればイメージできる人が多いでしょう。しかし、具体的な作業や、作業の順番、スケジュール感など、実際にやってみないことにはピンとこないものもあります。
新卒時は、大学の就職課がサポートしてくれたり、周りの同級生と一斉に活動できたりしたかもしれません。特に意識しなくてもなんとなく流れに乗れた人も多かったのではないでしょうか。しかし、転職は新卒時のようにはいきません。
結果として、「よくわからない、面倒くさい」と感じて、転職活動を後回しにしてしまうことがあります。

転職準備:履歴書などの書類作成が面倒くさい
転職にあたり、書類選考は最初に突破しなければならない関門です。提出する応募書類の準備は転職活動のスタートともいえます。
具体的には履歴書や職務経歴書を作成することになりますが、単に何でもいいから書けばよいというものではありません。応募書類は選考突破がかかる大事な書類です。志望先企業の人事担当者に魅力的と感じてもらえるようにしっかりと考えながら記載していく必要があります。
このように実際に作り込むのには手間がかかるため、面倒くさいと感じる人もいます。自己分析や企業研究に十分な時間を取れず、面倒くささのあまり途中で転職意欲が失せてしまう場合もあるかもしれません。特に転職経験者は、この作業を一度経験しているだけに、なおさら面倒くさいと感じるのも無理はないでしょう。
もしどうしてもやる気にならない場合は、転職エージェントを使って応募書類の添削サポートを受けながら進めていくのも一つの方法です。
転職準備:自己分析や企業研究が面倒くさい
転職活動における自己分析や企業研究は、入社後ミスマッチを防ぐための非常に重要な過程です。おろそかにしていると転職そのものがうまくいきません。
一方で自分について細かく分析したり、一つ一つの企業を深掘りしたりするのには時間や手間がかかるのも事実です。さらに、時間をかけたにも関わらず思うように進まないと、面倒くさい気持ちがより一層強まるでしょう。特に在職中に転職活動している場合には時間を確保するのが難しくなります。前述した通り、このステップが苦で転職を挫折してしまう人も少なくありません。
しかし、例えば自己分析ならツールを活用するなど、長時間パソコンや机に向かわなくても効率的に行う方法もあります。一度面倒くさいという思い込みを横に置き、自分に合う方法を探してみてもよいかもしれません。また、転職エージェントを使って自己分析を手伝ってもらったり、企業のリアルな情報を教えてもらったりするのも近道になるでしょう。
転職準備:求人探しが面倒くさい
求人情報は無数にあります。その中から自分に合っている求人を探し出すのはとても大変で時間がかかります。「次こそは会社選びを間違えたくない」という強い思いがあるからこそ迷いや悩みが生じやすく、決めきれなくなってしまいがちです。
例えば転職サイトを見て魅力を感じる求人に応募しようと考えていても、情報が多すぎて逆に混乱してしまい、自分に合う企業がわからなくなることもあります。どの企業に応募したらよいのか延々と悩んでいるうちに、転職活動自体が面倒くさくなってしまうこともあります。そもそもハローワークや転職エージェント、求人情報誌など、求人を探す方法からして自分に合っているスタイルがわからない人もいるのではないでしょうか。
また、現職の業務に追われているうちに興味を持っていた求人の応募期間が終わっていた、というケースもあります。そうなるとますますモチベーションは下がり、やる気が失われていくでしょう。
転職中:選考の日程調整が面倒くさい
転職活動は一般的に現職の仕事と並行して行うことが推奨されていますが、通常の業務をしながら面接などのスケジュール調整を行うのはとても手間がかかります。
企業によっては土日などに面接をしてもらえるケースもありますが、平日限定の場合は早退や有給休暇の取得で対応する必要があります。
もし、応募先の企業から提案された候補日にどうしても仕事の都合がつかない場合は、あらためてリスケの依頼をしなければなりません。1回で調整できない場合は企業担当者と何度もやりとりが発生することもあり、面倒くさくなる可能性があるでしょう。ほかにも「企業の心証を悪くしてしまうのではないか」などと不安を抱き、心理的ストレスがかかる人もいます。また、現職が忙しい場合、退勤後に転職スケジュールのことを考えるのが面倒というケースもあります。
これらの結果として、転職活動のスケジュール調整を面倒くさいと感じる人は少なくありません。

転職中:不採用がストレスで面倒くさい
どれだけ対策を徹底して選考に臨んでも、不採用になってしまうこともあります。そして不採用になると、自信を失って落ち込んでしまうのも自然なことではあります。しかし、「次もどうせダメだろう」という気持ちがあると転職へのモチベーションが保てず、さらに不採用の確率を高めてしまうことにもなりかねません。
転職活動において、この不採用結果との向き合い方に苦労する人は少なくありません。特に活動期間が長引くと、「自分を必要とする会社などないのではないか」とネガティブ思考に陥りやすく、やる気が出なくなってしまいます。
ここから一転して転職を成功させるには気持ちの切り替えが大切です。友人・知人に相談して心を軽くしたり、転職関連の書籍を読んで自分に足りないものを発見したりするのもよいでしょう。あるいは、少しだけ転職活動をお休みして趣味に没頭するのも一つです。リフレッシュできれば、気持ちも前向きになるかもしれません。
転職後:退職準備や引き継ぎが面倒くさい
転職が決まったら、直属の上司に退職の意思を伝え、後任者へ業務の引き継ぎなどを行う必要があります。
そもそも退職の話題は言い出しにくいものであるため、面倒になりがちです。決して悪いことをしているわけではないにもかかわらず、上司に怒られたり嫌な顔をされたりするのではないかと反応が心配になる人も多いのではないでしょうか。
スムーズに承諾してもらえれば肩の荷も下りやすくなりますが、引き留められる可能性もあります。どう説得しようか考えを巡らせているうちに、面倒くさい気持ちはさらに大きくなるかもしれません。
退職理由によっては、「改善を約束するから」と会議室で何時間にもわたって説得交渉をされることも考えられます。
また、退職にあたっては通常業務のかたわら、後任者への引き継ぎ作業や資料作成なども必要です。取引先を持っている場合には、退職のあいさつ回りが必要なケースもあり、想像するだけで面倒くさくなるでしょう。
負担軽減のためにも、早めに退職準備に取り掛かることをおすすめします。
転職後:新しい環境や人間関係が面倒くさい
転職先の環境や人間関係になじむまでの期間を、面倒くさいと感じる人もいるでしょう。
慣れるには時間が必要と理解はしていても、それまで気を張り詰めながら過ごさなくてはならないことを考えると、面倒くさい気持ちが勝ってしまうかもしれません。すでに完成している人間関係の中に一人で飛び込んでいくのも、かなりストレスがかかります。
また、新しい環境では仕事に対していつもより緊張するため、ミスをしないように気を付けなくてはならないなど普段以上に疲れやすくなります。たとえ、同じ業種や職種に転職したとしても、会社によって仕事の手順や使用するシステムが異なるため、どうしても負担は増えるでしょう。
実際、転職して1カ月ほどは新しい環境に戸惑うことが多く、ストレスがピークに達するともいわれています。結果として、現状を変えない=不満を持ちながらも転職せず現職を続けるという楽な方に流れてしまう人も少なくありません。

転職の面倒くささを解消するポイント
転職の面倒くささを解消するポイントは以下の通りです。
● 転職の理由をはっきりさせる
● 転職後の自分や達成したい目標をイメージする
● 求人を眺めてみる
● 軽い気持ちで自己分析を始めてみる
● 小目標を設定する
● なぜ転職が面倒くさいのか見直してみる
● 短期決戦を意識して転職を始める
● 転職しなければどうなるか考えてみる
● 転職エージェントやキャリアアドバイザーの力を借りてみる
● 転職サイト経由のスカウトを待ってみる
● 【参考】転職エージェントの数は2~3社にしておくのがおすすめ
あえて軽い気持ちで、目の前のことから始めるのが有効です。
最初からすべてのステップのことを考えすぎないようにしましょう。
一つずつ説明します。
転職の理由をはっきりさせる
まず、なぜ転職したいのか理由をはっきりさせましょう。
転職を希望する理由が明らかになれば、企業選びや志望動機のヒントにもなります。
転職の理由が何らかの不満にある場合は、不満をそのまま転職理由にするのではなく、ポジティブな表現に置き換えるのがポイントです。例えば、「仕事に興味が持てない」なら「好きな仕事がしたい」などと変換します。そうすることで、選考の際に志望先企業に対して前向きな印象を与えられるでしょう。不満をそのまま転職理由にしてしまうと、「自社も同じ理由で辞めてしまうのではないか」と余計な懸念を与えかねません。また、転職の目的が曖昧なまま転職活動を始めても失敗しやすくなります。
転職するメリットが多いほど、転職活動の面倒くささも減ってモチベーションアップにつながります。逆に、考えた結果、今の会社に残るメリットの方が多ければ、転職せずに続けるのも一つの選択です。
転職後の自分や達成したい目標をイメージする
転職後の自分を想像して、ポジティブな気持ちになることも有効です。
例えば面接前であれば、面接担当者と将来一緒に仕事している場面を想像して、バリバリ働いている自分の姿をイメージするとよいでしょう。
プライベートの想像でも構いません。働く時間にゆとりが持てたら週末に旅行に行けるとか、年収が上がれば住む場所を変えられるなど、家族とポジティブな話題で盛り上がるのは効果的です。友達に転職の話をして背中を押してもらったり、励ましてもらったりするのもモチベーションアップにつながるかもしれません。
また、自分でやりたい仕事や目標を紙に書き出してみるのも、漠然としていたメリットが具体的に可視化できるためおすすめです。
求人を眺めてみる
最初はぼんやりいろいろな求人を見ているだけで十分です。
もし、可能であれば求人検索をしてみて、トレンドを把握してみるとよいでしょう。
さらにもう一歩進んで一つの企業の詳細を見れば、応募する気持ちが湧いてくるケースもあります。
ポイントは、あくまで「どんな求人があるか見ているだけ」という建て付けにすることです。転職活動の一環と考えてしまうと、「自分にマッチする企業を探さなくてはならない」などとまた面倒くさい気持ちが大きくなってしまうので注意しましょう。ハードルを低くすることで転職サイトを見る気になるかもしれません。フラットな気持ちで眺めているうちに興味のある仕事が見つかれば、やる気が出やすくなるでしょう。

軽い気持ちで自己分析を始めてみる
自己分析に抵抗がある場合は、自分についてより深く知ってみよう程度の軽い気持ちで始めてみるのもよいでしょう。
自分で一から分析するのが面倒くさければ、ツールを使うのがおすすめです。
現在はさまざまなサイトで無料の自己分析ツールやシートが使えます。スマホでできるツールもあるので通勤中や昼休みなど隙間時間を活用することも可能です。どれでもよいのでとにかくまずは利用してみましょう。
自己分析によって自分の強みや特性がわかると、転職の方向性をつかみやすくなります。
さらに分析を進めていけば、自己PRや志望動機が言語化できるようになるので、応募書類や面接の場で説得力のあるアピールができるようになります。
小目標を設定する
自分が達成できそうな目標をたくさん設定するのもおすすめです。
この方法であれば、毎日少しずつでも確実に前進できるので、面倒くさがって何もしないよりも格段に意味のある行動を取れるようになります。
例えば「今週は3社以上応募する」「日曜までに〇社用の履歴書を書き終える」など、小さな目標でよいので設定しておくと、コンスタントに転職活動を進められるようになるでしょう。「書類選考に通ったらおいしいランチを食べる」などご褒美を用意しておくのもよいかもしれません。
目的は「やる気を維持すること」です。
そのため、最初から無理な目標を立てるのはあまり有効ではありません。また、抽象的な目標もやる気がダウンしてしまう可能性があります。
なぜ転職が面倒くさいのか見直してみる
転職が面倒くさいと感じる人の中で、その理由が「なんとなく」である場合は、なぜ面倒くさく感じるのかを掘り下げて考えてみましょう。曖昧なまま放置せず、面倒くさい理由を明確にすることが大切です。理由が明確になれば、そのための対策を打つことができます。
例えば、「忙しくて自己分析や求人探しをしている暇がない」というのが理由だったとします。この場合、簡単にできる自己分析ツールを使ったり、転職エージェントに登録したりして求人探しを任せることで解決できるかもしれません。
本来、転職希望者には「仕事を辞めたい」という願望があるため、転職を面倒くさく感じる原因を一つ一つ取り除いていけば、動けるようになる可能性があります。
短期決戦を意識して転職を始める
「1カ月以内に決める」「△月までに終わらせる」などと、短期間で終わるよう期限を設けて取り組むのも有効です。
焦って決めるのはよくありませんが、さっさと終わらせないと現職との両立がいつまでも続くことになります。体力的に疲弊してしまうリスクがあるほか、長引くにつれてやる気も損なわれていくでしょう。モチベーションが尽きる前に終わらせてしまうのがポイントです。
一般的な活動期間は、3カ月程度といわれており、「何としてもこの期間で乗り切る」という強い意識を持って臨むことをおすすめします。
また、転職活動を短期間で終わらせるコツは、1社ずつ応募して結果を待つのではなく、一気に複数社に応募して同時並行で選考を進めることです。

転職しなければどうなるか考えてみる
仮にこのまま転職しなかった場合、どういうデメリットがあるかを考えてみることも気持ちを前に向かせる効果があります。
仕事を辞めたいと感じているのに転職するのが面倒くさいからとだらだら続けた場合、今後本当に転職したくなったときにもっと面倒くさい事態になるかもしれません。転職時期を逃す、スキルアップの可能性を失うなどさまざまなリスクがあるためです。
「現職の良さを感じて転職すること自体を迷っている」などであれば、踏み出せないのも理解できます。しかし、単に面倒くさいという理由だけなのであれば、転職に踏み切った方がよいでしょう。
なお、転職しないことの具体的なデメリットについては、後ほど詳しく説明します。
転職エージェントやキャリアアドバイザーの力を借りてみる
転職エージェントやキャリアアドバイザーは、転職を希望するすべての人にとって心強い味方になります。
特に一人で転職を終わらせられる自信がない人や何からやればよいかわからない人にはおすすめです。
転職の流れの説明や自己分析のサポートなどもしてくれるので、面倒くさくて転職活動が始められない人でもとりあえず登録してみることをおすすめします。
最近では、オンラインや電話での面談に応じてくれるところも多く、直接オフィスへ出向く必要もほとんどありません。面談日時も業務時間外や休日など自分の都合に合わせてくれるので無理なく対応が可能です。
また、いったん一人で転職活動を始めてみて、行き詰まったら力を借りるという使い方もできます。
転職サイト経由のスカウトを待ってみる
転職サイトの中には「スカウト系転職サイト」といって、企業側が転職者を探し出してスカウトを送るシステムのところもあります。転職サイト上に自分のデータを登録することで、経歴やスキルを見て興味を持った企業から直接スカウトが届くという仕組みです。
自分から求人を探さなくてもよいため、面倒くさい気持ちが大きい人にはおすすめです。
自分の経歴やスキルが求められているか不安がある人も、スカウトがどれくらい届くかで自分の市場価値を測れるかもしれません。
また、スカウトが届く=企業の求める人材とマッチしている確率が高いことになるので、書類選考が免除されたり、最終面接が確約されたりするケースもあります。
【参考】転職エージェントの数は2~3社にしておくのがおすすめ
転職活動を「面倒くさい」と思っている場合、登録するエージェントの数は多くても2〜3社程度にとどめておくべきでしょう。
エージェントは求職者に代わって求人を探すほか、志望先企業とのやりとりを行うため、求職者とは密なやりとりが必要になります。あまり多くのエージェントに登録すると、エージェントとのやりとりが段々面倒くさくなってくるかもしれません。エージェントの数が多ければ転職がスムーズにいくというわけでもないため、いたずらに登録数を増やす必要はないでしょう。
ただし、キャリアアドバイザーとの相性などもあるので、初めは多めに登録しておいて相性の良いところだけ残すのが、面倒くさくなくて効果も得やすい方法です。

「面倒くさい」で転職を放置するリスク
「面倒くさい」で転職を放置すると、さまざまなリスクが生じる可能性があります。
不満のある会社で働き続けるリスクは以下の通りです。
● 年齢が上がり転職の時機を逃してしまう
● 年収アップ・キャリアアップのチャンスを逃してしまう
● 現職のストレスから心の病気になる可能性がある
● スキルアップしにくくなる
● 仕事に対するモチベーションが上がりにくい
● 「便利な人」扱いされるリスクも
現職に対して抱える不満は人それぞれですが、転職しないでいると、総じて不満が膨らんでいく傾向があります。限界を超えて手遅れになる前に確認しておきましょう。
年齢が上り転職の時機を逃してしまう
厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概要(p.14)」によれば、転職入職率は19歳以下を除くと男性は25〜29歳、女性は20〜24歳が最も高くなっています。その後、男性は50~54歳まで下降が続き、女性は35~39歳と55~59歳でそれぞれ大きく下降する特徴が見られました。
なお、男性の60歳代で入職率が跳ね上がっているのは、役員や顧問の入職があることと、定年後の再就職が考えられます。
通常の転職は年齢を重ねると成功しにくくなります。
転職を後回しにすると、最適な転職のタイミングを逃しかねません。「気付いたときには転職が難しい年齢になっていた」という事態を防ぐためにも、早めの決断がおすすめです。
年収アップ・キャリアアップのチャンスを逃してしまう
特に、現在の仕事に対する不満の理由が「能力が評価されない」である場合は要注意です。
面倒くさいからとそのままズルズルと働き続けると、自分自身のスキルや価値が正当に評価されないリスクがあります。
転職すると年収が下がるのではないかと心配するかもしれませんが、たとえ同じ仕事内容だとしても会社によっては年収がアップすることも多くあります。キャリアも同様に、スキルを正当に評価してくれる会社に転職すれば、最初から希望するポストで採用されることもあるでしょう。
このように、実は転職には年収やキャリアアップのチャンスがたくさんあります。逆に挑戦しないことで結果的に年収の停滞やキャリアの停滞など悪い影響が出やすくなるかもしれません。
現職のストレスから心の病気になる可能性がある
不満を抱えたまま働き続けるとストレスがたまり、最悪の場合“うつ病”などの精神疾患を患う危険性があるので注意が必要です。
うつと仕事には関連性があるという研究もあります。
もちろんうつ病の原因は正確には判明していませんが、少なくとも仕事のストレスが心に何らかのマイナスの影響を与えることは確かだといえるでしょう。
現職に強い不満を抱えている場合は、特に早めの転職スタートが大切です。可能であれば、上司や人事に相談して退職の準備を進められるようサポートを申し出るのも一つの方法です。
退職準備にもストレスがかかる場合があるので、一人で抱え込まず、頼れるものには遠慮なく頼りながら進めていくことをおすすめします。

スキルアップしにくくなる
一つの職場で長く働いていると、新規の事業をどんどん展開するような会社でない限り、新しいスキルを磨く機会が減少する可能性があります。いつのまにか他の企業や業界で必要とされるスキルからズレていき、気付いたときには市場価値が低下してしまっている状況も考えられます。
結果として後になって転職しようとしても市場ニーズが低いため、希望条件での転職はできないかもしれません。
ちなみに、長年同じ仕事を続けている人より、新しい仕事にトライしていく人の方が成長のスピードが速く、市場価値が高まるといわれています。
スキルアップしにくい会社に長年勤めることは、キャリア形成にマイナスの影響を与えるリスクがあることは覚えておく方がよいでしょう。
仕事に対するモチベーションが上がりにくい
辞めたいと思いながら現職で働き続けるとやる気が湧かず、どうしてもモチベーションが上がりにくくなります。
モチベーションが低くなると自然と生産性も低下し、仕事で成果を出しにくくなるでしょう。
成果が出ないと望むような評価を受けられず、昇給や昇進のチャンスを失うことにもつながります。さらに、モチベーションの低さが遅刻や無断欠勤など勤務態度にまで影響すると、最悪の場合、降格や減給になる可能性もあるかもしれません。そうなると、なおさらモチベーションは低くなり、どんどん状況が悪くなる負のループに陥るリスクがあります。
新しいスキルを磨く意欲も湧きにくくなるので、自己成長も停滞しやすくなるでしょう。
「便利な人」扱いされるリスクも
不満を持ちつつも転職が面倒くさいからと現職にとどまっていると、会社側からも「この人は不満があってもどうせ辞めない」と思われるリスクがあります。しかし、だからといって自社に不満を持っている社員に重要な仕事を任せるわけにはいきません。また、会社の中核を担う人材として昇進させることもできないでしょう。
結果として面倒な仕事や地味な仕事、誰もやりたがらないような仕事を押し付けられる「便利な人」という認定をされる可能性があります。
たとえ押し付けられた仕事だとしてもスキルアップにつながるような業務ならまだよいですが、ルーティンワークばかりになると成長の機会もなくなります。自分の市場価値も低下してしまうでしょう。
転職したい場合は早めにした方がよい理由
もし今の会社に不満や不一致があって転職したいと考えているなら、たとえ今面倒くさい気持ちが勝っていたとしても後回しにせず、早めに転職活動を始めることをおすすめします。
その理由は以下の通りです。
● 転職市場では若い方が有利だから
● 年齢を重ねると要求される経験・スキルのレベルが上がっていくから
まとめて言うと、年齢が上がれば上がるほど転職は不利になる傾向があります。
将来的にも現職に満足できる可能性が高ければよいのですが、後になってから「やっぱり転職したい」と転職に踏み切るくらいであれば、早めに始めた方が楽です。

転職市場では若い方が有利だから
結論から言うと、転職に年齢制限はありません。ただし、ほぼ同じ条件の応募者が複数いた場合には、企業は年齢が若い人の方を選ぶでしょう。その理由は、年齢が若いほど自社に貢献してもらえる期間が長く、採用から育成までにかけたコスト以上の利益をもたらしてくれる可能性があるためです。特に20代はポテンシャルや柔軟性、体力面などで優位性があり、転職市場におけるニーズが高くなるため、いずれ転職するなら早くするに越したことはありません。
特に未経験の仕事に挑戦したいと考えている場合には、注意が必要です。一般的に30代を過ぎると転職のハードルが上がるといわれているため、ポテンシャルを見てもらえる20代のうちに転職しておくことをおすすめします。
年齢を重ねると要求される経験・スキルのレベルが上がっていくから
20代の転職ではポテンシャルの高さが要求されるため、経験やスキルが浅い点については、企業側も織り込み済みであることが一般的です。
一方、30代や40代の人材に対しては、企業は即戦力としての採用を考えるため、スキルやこれまでに培った経験を重視する傾向があります。
実務経験を積んでから転職するのも一つですが、「転職が面倒くさいから仕方なく現職を続けている」というモチベーションで十分な経験を積むのは難しいかもしれません。スキルが上がらないまま年代が上がってしまうと、それだけ転職の難易度が高くなってしまいます。
また、今の時点ですでに20代ではない人も、状況がさらに悪化する前に転職活動を始めた方がよいでしょう。
投げやりな転職活動は辞めておこう
投げやりな気持ちで転職活動をするのもよくありません。
適当に転職先を決めると、今よりもさらに待遇が悪くなったり、現職と同じ不満を抱えることになったりする可能性があります。すると、せっかく転職したのにまたすぐに転職したくなるなど、さまざまなトラブルが起こるリスクが増大するかもしれません。
転職活動を始めるときはハードルを上げすぎずに軽い気持ちで入ることが大切ですが、実際に進めるときは丁寧に行うことがポイントです。
「面倒くさいから」と面接を途中で辞退すると企業からの評価が悪くなるでしょう。また、転職先を適当に決めると入社後ミスマッチが起こり、結果として自分が困ることにもなります。
企業側としては、ある程度年齢を重ねていたり、何度も転職していたりする人は他の応募者よりも厳しめの視点で見てしまうのが現実です。
そのため、転職するならなるべく早めに、そして丁寧な転職活動をすべきということを覚えておくとよいでしょう。

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