志望動機が書けない理由とは? うまく書くコツや手順・注意点を解説【参考例文付き】

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志望動機が書けない理由とは? うまく書くコツや手順・注意点を解説【参考例文付き】

「応募書類を作成しようとしたら志望動機の欄で止まってしまった」
こんな経験がある方も少なくないでしょう。

今回は志望動機がうまく書けないとお悩みの方に向けて、その理由や書き方のコツ、手順・注意点について詳しく解説します。

【この記事の要約】
●志望動機を書けない理由は、自己分析不足、選ぶ仕事が定まっていない、企業研究不足、書くイメージが湧かない、興味のない企業に応募している、応募理由が好きだからなど
●志望動機が書けないときの対処法は、軸を定めて企業を選ぶ、企業が求めているスキルをアピールする
●アピールできる志望動機にまとめるコツは、結論を最初に書く、具体的なきっかけを書く、入社後したいこと/できることを書く、企業と自分の共通点を書く、志望動機は本心で書く
●志望動機を書くためには、自己分析と企業分析が大前提
●志望動機を書くときに気をつけることは、要点をまとめて深める、深掘りした質問への準備、根拠のない知識を書かない

志望動機が書けないときの6つの理由

志望動機が書けない理由には、主に以下の6つが関係していると考えられます。

● 自己分析が不足している
● 選ぶ仕事の軸が定まっていない
● 企業についての知識が不足している
● 書くイメージが湧かない
● あまり興味のない企業に応募している
● 「応募した企業が好き」といった理由になっている

一つずつ見ていきます。

自己分析が不足している

志望動機が書けない理由の多くは自己分析の不足にあります。就活や転職において、自分のできることや得意なことなどを確認する自己分析は必要不可欠です。しっかりと自己分析を行っておかないと自分が働く上で何をしたいのかすらわからなくなってしまうかもしれません。応募する企業も「何となく」という理由でしか選べず、漠然とした志望理由しか書けなくなります。「御社の社風に魅力を感じ……」「企業理念に共感し…」など、どの企業にでも当てはまるような志望動機を書いたところで面接官の印象には残りにくいでしょう。
過去を振り返り、自分が何を大切にしているか、譲れないものは何なのかなどを明確にしておくことは非常に大切です。

選ぶ仕事の軸が定まっていない

自分が求めている仕事の軸が定まっていないと仕事を選ぶ基準が曖昧になります。また、興味のある仕事が多い場合も、ある程度自分の中で判断の軸となる基準を決めて絞り込んでおかないと志望動機が薄くなってしまいます。前述したように自己分析をしっかりと行って、自分がどんな仕事を選ぶかを明確にしておくことは非常に大切です。仕事に求める条件に優先順位を付け、自分にとって絶対に譲れない軸を決めておきましょう。

企業についての知識が不足している

たとえ自己分析がしっかりできていても、企業についての知識が不足していると、入社して何ができるかがわかりません。何ができるかわからないのに何をしたいかは考えられないため、曖昧でぼんやりとした志望動機しか書けなくなります。採用担当者は、自社への志望度が高ければ当然自社の研究をしてくるものと考えるため、良く理解していない志望者は志望度が低いと判断されてしまうでしょう。
志望する企業がどんなことを行っているのかは自己分析同様にしっかりと把握しておく必要があります。特に今まで関わったことがない未経験の業界に挑戦する場合は、志望企業の研究のみならず業界全体や競合他社の状況もきちんと理解しておくことが重要です。

書くイメージが湧かない

志望動機が書けない人は完成系のイメージができておらず、何を書いてよいのかわからなくなっている可能性もあります。どんなことをして、何を目指し、何を書くのかがまったくわかっていない状態です。たとえ何とか文字を埋めて完成したとしても、正解がわからないため本当にその内容を志望動機として提出してよいものか迷ってしまいます。志望動機を書くときはどのようなイメージで書くのかを事前にしっかり決めておきましょう。

あまり興味のない企業に応募している

そもそも前提として応募する企業に興味がないと志望動機は書けません。自分の中でもう一度じっくり考えてみてもやはり興味が湧いてこないのであれば、その企業はやめて違う企業に応募することも視野に入れた方がよいでしょう。そのような企業では、仮に入社できたとしても続かない可能性があります。就職も転職も入社して終わりではありません。その後その会社で働くことを考えて続けていけそうな企業を選ぶことが大切です。

「応募した企業が好き」といった理由になっている

応募する企業のことが個人的に好きで憧れているファンのような気持ちになってしまっている場合も注意が必要です。もちろん自社に興味がないよりは好きでいてくれる方が愛社精神を育めるメリットはあるでしょう。しかし、「好き」の気持ちが強すぎるとファン目線になってしまい、志望動機に必要な要素が抜け落ちてしまう可能性があります。志望動機とは、自分を採用することで企業が得られるメリットや貢献度をアピールするものでもあります。「昔から御社に憧れていて、いつか働きたいと思っていた」などという話は消費者からの応援メッセージとしてはありがたいですが、採用するメリットは伝わりません。企業側の目線になって書くことが大切です。

企業は志望動機で何を見ているのか?

では、面接官は志望動機で志望者のいったい何を見ようとしているのでしょうか。
一般的には以下の2つといわれています。

● 自社の指針や理念を把握しているか
● 入社後のイメージ

一つずつ見ていきましょう。

自社の指針や理念を把握しているか

一つは、自社の指針や理念を理解し、志望者の働きたい方向性と企業の方向性が合っているか、きちんと把握しているかを見ています。自社の方針を良く理解している人の方が採用後もミスマッチが発生するリスクが低く、継続して働きやすいためです。仕事をするにあたって自分が望んでいるものと企業の方針がマッチしていれば、おのずと企業への貢献度も上がるでしょう。また、企業側も自社の成長を支えてくれる人を採用したいと思っています。

入社後のイメージ

もう一つは、志望者が入社した後にどのような将来のビジョンを持っているか、企業に対してどのような形で関わりたいと思っているのかという点です。企業は入社後に「こんなことで貢献できる」「こんなことをしたい」という明確なビジョンを持っている人の方が長く仕事を続けられる傾向が高いと判断する傾向があります。採用にはコストがかかるため、できるだけ長い期間働いてもらい、自社に貢献してくれる人を採用したいと考えています。

アピールできる志望動機にまとめる5つのコツ

志望先企業へ上手にアピールできる志望動機にまとめるコツは以下の通りです。

● 結論を最初に書く
● 具体的なきっかけを書く
● 企業に入ってからしたいこと、できることを書く
● 企業と自分の共通点を書く
● 志望動機は本心で書く

一つずつ見ていきます。

結論を最初に書く

どのような話でも、長い話をする上で大切なのは結論から先に話すことです。結論から話すことで話がわかりやすくなるほか、相手の興味を引き、最後まで集中して聞いてもらえるようになります。書くときも一緒です。結論から書くと相手に話が伝わりやすくなります。
志望動機における結論とは、ずばり志望理由です。なぜその企業に入りたいと思ったのか、自分が一番伝えたいことを一文で完結に書き上げましょう。例えば、「志望動機は〇〇と思ったためです」などを冒頭に持ってきてから書き始めると、後に続く詳しい内容を述べやすくなります。

具体的なきっかけを書く

最初に結論を書いたら次に、「なぜ志望したのか」について深掘りして具体的ないきさつを書いていきます。「良い取り組みをしていると思ったから」などという表面的な感想で終わらせずに、なぜそのような感想が出てくるのかを自分自身に問いかけてみましょう。たとえどんな些細(ささい)なことでも、選んだ限りは必ず何らかのきっかけがあるはずです。こうして自分だけのきっかけを書き加えることで、志望動機に説得力が出るようになります。

企業に入ってからしたいこと、できることを書く

自分がその企業に入社してから「したいこと」や「できること」を書くのも採用担当者への大きなアピールになります。もし、業務に役立つ特別な知識やスキルを持っている場合は、自己PR欄に書くよりも志望動機に盛り込んだ方が効果的でしょう。採用担当者は志望動機に書かれたしたいことやできることを見て、活躍できそうな部署や役割を考えてくれます。入社後に活躍する姿がイメージしやすい人ほど、採用される可能性が高まります。

企業と自分の共通点を書く

自分のやりたいことと企業の特色や方向性に接点がないと志望動機が曖昧になってしまいます。その企業を志望する根拠が見つからないためです。志望動機は「自分のやりたいことは〇〇だから、〇〇ができる御社に魅力を感じた」という構成にしなければなりません。そのためにも自己分析と企業研究は非常に大切です。企業に求められているものを箇条書きにし、その中で自分に当てはまるものがあるかを探しておくのもよいでしょう。

志望動機は本心で書く

想像力が豊かな人であればどんなことでも書けてしまうかもしれませんが、それでは志望動機になりません。志望動機は本心で書くことが大切です。もし本心でないものを書いてしまうと、面接で質問されたときに慌ててしまったり、つじつまが合わなくなったりしてうそだと見抜かれてしまうリスクがあります。また、仮に本心でないものを書いて採用されたとしても、入社後にギャップを感じてミスマッチが起きてしまう可能性もあります。

志望動機を書くための手順を詳しく解説

上記のコツを守ってもうまくまとまらない場合は、志望動機を書く前の準備や分析が不足している、もしくは方法が間違っている可能性があります。志望動機の作成には、自己分析による強みの把握と企業分析による求める人物像の理解が欠かせません。なぜその企業なのかということを掘り下げて考えることが大切です。
ここからは志望動機を書く上でもっとも重要な自己分析と企業分析について、それぞれの分析手順を一つずつ詳しく説明していきます。

自己分析で自分の強みを理解する

企業にアピールできる自分の長所を明確にするには、自己分析が非常に大切になります。ポイントは、ただ長所を見つけようという視点だけで自分を振り返るのではなく、以下の5つの点に分けて分析していくことです。

● 興味を持つもの
● 好きなこと
● 得意なこと
● やりがいを感じること
● 自分が大切にしている価値観

一つずつ見ていきます。

興味を持つもの

自分の人生を振り返り、どんなことに興味を持ってきたかを考えてみましょう。興味関心のある対象が最終的に志望動機につながっていきます。志望動機で興味関心のあるものを伝えると、モチベーションの度合いが伝わりやすくなります。また、たとえ興味や関心が長く続いていなかったとしても、なぜ続かなかったのかを考えることで自分の価値観が見えてくるかもしれません。興味関心の大小を問わず、広い視野で振り返るとよいでしょう。

好きなこと

「好き」と「興味」は似ているようで少し違います。「知りたい」「やってみたい」などその対象をまだ良く知らないのが興味で、「やっていて楽しい」「満足できる」などある程度経験があって知っているものが「好き」です。好きは「何かを分析していく過程が好きでマーケティングに興味を持ちました」などと志望動機につなげられます。興味と同様に、今までの人生を振り返って考えてみましょう。ただし、「ただ好きなだけ」では説得力に欠けるため、併せて誰かから評価されたなど認められた経験もあるのがベストです。

得意なこと

得意なことは志望動機につなげやすいのでおすすめです。得意とはうまくできることを指します。結果で決まるため、気持ちはあまり関係ないところが好きと異なる点です。区別しておきましょう。得意なことも興味があるものや好きなことと同様に、過去を振り返って今まで苦労なくできてきたことを思い出してみてください。ここからさらに、興味がある上に得意、もしくは好きな上に得意というものがあればより一層アピール力が増します。

やりがいを感じること

自分がやりがいを感じることを志望動機に書くのもよいでしょう。何にやりがいを感じるかは人それぞれで、誰かに感謝されることをやりがいに感じる人もいれば、効率良く作業を進められたときに達成感や充足感を覚える人もいます。まずはこれまでの人生を振り返り、「やりがいがあったな」と自分が手応えを感じた出来事をピックアップしてみましょう。それらの共通点を見つけることでモチベーションが高まりやすい方向がわかります。

自分が大切にしている価値観

自分が大切にしている価値観を志望動機に書くこともできます。価値観とは自分が何かをするときに判断の基準にしてきた基本的な考え方で、多くの場合が無自覚です。そのため、自分の価値観を探すには、過去の思い出深い経験を振り返り、何を大切にして行動してきたか、なぜそう行動しようと考えたのかを考えていく必要があります。寝るのも忘れて没頭した経験などがあればぜひ深掘りしてみましょう。自分の価値観が隠れているかもしれません。

企業分析で企業選びの軸を作る

企業選びの具体的な軸が定まると、自分が企業でどんなことをしたいのか、どんな人になりたいのかがわかってくるようになります。
志望動機が書けない人は企業に対するリサーチ不足の可能性もありますので、次の5つを意識しながら企業研究を行うとよいでしょう。以下の点で共感・納得できる企業は、自分に合う会社、応募するに値する会社だといえます。

● 企業理念
● 社風
● 商品やサービス
● 企業の事業内容
● 企業の今後の動き

一つずつ見ていきます。

企業理念

まずは企業理念をしっかりと理解することが大切です。企業理念はすべての運営の方針になっているため、理解して共感できる部分があれば自分とその企業の価値観が合っているということになります。企業理念はどの企業もHPの目立つところに掲載されているほか、社長メッセージや経営方針などにも反映されているためチェックしておきましょう。企業理念を把握することで志望動機も企業理念に沿った内容で書けるようになります。

社風

社風とは働く人が構成する雰囲気や企業の風土のことです。社風が合う会社は居心地がよいため、働きやすくなる傾向があります。もし志望する企業の社風が自分の雰囲気と合いそうなら志望動機に盛り込んでもよいでしょう。ただし、雰囲気や風土というものは企業のHPを読んだだけではわからないことも多くあります。そのため、説明会に参加したり、OB会に参加したりして、実際の職場や社員の雰囲気を肌で感じてみるのがおすすめです。

商品やサービス

企業で取り扱っている商品やサービスに共感していることを志望動機に書くのも効果的です。ただし、ファン目線になってはいけないのと同様に、消費者目線になりすぎないよう注意してください。あくまでもその商品やサービスを開発している企業側の目線で書くのがポイントです。企業のHPで開発のエピソードを読んだり、自分が愛用しているものがあればより多くの消費者に使ってもらうための改善点などを考えてみたりするのもよいでしょう。

企業の事業内容

企業がどのような事業を行っているか、また事業以外に力を入れているのはどのような取り組みかを入念にチェックしておきましょう。企業が現在まさに力を入れて取り組んでいる事業に興味があれば、「自分もやってみたい」とアピールすることができます。日頃から企業のHPやニュースを見て旬な情報を取り入れておくことはとても大切です。特に時事に関する問題はビジネスの動向に大きな影響を及ぼすため押さえておきましょう。

企業の今後の動き

企業の今後の動向を知り、企業が目指している方向性と自分のやりたいことが合っている場合は積極的に志望動機に盛り込みましょう。面接の際に採用担当者から「活躍してくれそう」と思ってもらえるためです。
なお、企業の今後の動向は「中期経営計画」で見ることができます。中期経営計画とは企業が投資家に向けて作成する向こう2~3年の経営計画で、「企業名 中期経営計画」で検索すると出てきます。覚えておいてください。

志望動機がもっと魅力的になる! さらに深掘りするための企業リサーチ方法

企業研究においては前述の通りですが、さらに深掘りすることでより魅力的な志望動機が書けるようになります。

● その企業独自で取り組んでいるものに目を向けてみよう
● 競合他社を見ることで見えてくるものもある

一つずつ見ていきましょう。

その企業独自で取り組んでいるものに目を向けてみよう

どの企業でも行っていそうな取り組みではなく、その企業が独自に力を入れているものに目を向けてみましょう。一般的な取り組みを志望動機に盛り込んでしまうと、「うち以外でもよいのでは?」と思われる可能性もあるためです。
とはいえ、独自でやっている取り組みというのは外部からは見えづらい部分もあります。もし、HPや社長メッセージを読んでもわからない場合は、競合他社の情報を確認することで見えてくることがあります。

競合他社を見ることで見えてくるものもある

企業が独自にやっていることが何なのかを一人で考えていても答えは出ません。そんなときは同じ業界の競合他社がどのような取り組みをしているかを見てみるのがおすすめです。
例えば「A社もB社も〇〇に力を入れている、しかしC社は〇〇もしながら△△を大事にしている」ということがわかれば、C社独自の取り組みは△△だとわかります。企業独自の取り組みを知ることで、自分にもっとも合う企業を見つけられるでしょう。

どうしても志望動機が書けないときは?

「それでもまだ志望動機が書けない」というときは、さらに以下の3つを試してみるとよいでしょう。

● 志望動機をシンプルにする
● 第三者に整理してもらう
● 自分の強みや得意、長所から志望動機を見つける

一つずつ見ていきます。

志望動機をシンプルにする

志望動機は難しく捉えずにシンプルにまとめるのがポイントです。たくさんあれもこれもと盛り込んだからといって企業からの評価が上がるわけではありません。むしろ複雑にいろいろなことを書いてしまうと伝えたいことが企業側に伝わらなくなってしまうリスクが高まります。大切なのは、自分自身への理解と企業への理解です。この両者がともに深いとミスマッチが起こる可能性が低くなり、評価につながりやすくなります。なお、志望動機は業界を志望する理由を書いてから企業を志望する理由を書くのがもっともシンプルにまとまります。

第三者に整理してもらう

「自分一人では志望動機が見つけられない」「考えがまとまらない」というときは自分以外の第三者に整理してもらってもよいかもしれません。例えば「志望動機はたくさん思いつくけどまとめられない」とか、「志望動機は何となくは思いつくけどうまく文章や言葉にできない」などというときです。客観的な目線を持つ第三者に志望動機を見てもらうことで、複数あった志望動機の優先順位が見えてきてまとまりやすくなります。もし、第三者に相談するのにためらいがある場合は、思っていることを紙に書き出して客観視してみるのも効果的です。

自分の強みや得意、長所から志望動機を見つける

志望動機が思いつかない場合はいったんやりたいことは置いておいて、自分の強みや得意なことの中から志望動機につながるものを探して書いてみてはいかがでしょうか。もちろん自分の長所でもかまいません。やりたいことややってみたいことだけでなく、できることから志望動機を探るのも、実は非常に有効な方法です。なぜなら、仕事というのはどれだけ意欲があってもできる素質がなければ成果が出にくいものだからです。まずは、前述の通り自己分析をしっかりと行って、自分の得意なことや強みを言語化していくことからスタートさせてみましょう。

こんな志望動機はNG!

志望動機にも「こんな志望動機はNG」というものがあります。

● 企業が求める人物像をつかんでいない
● 給与や待遇だけで仕事を選んでいる
● 志望動機をコピぺして使っている
● 他の会社でも当てはまることを志望動機としている

一つずつ見ていきます。

企業が求める人物像をつかんでいない

企業がどのような人物を求めているのかを十分に把握しないまま志望動機を書いても採用されるのは難しいでしょう。例えば、どこでも柔軟に活躍できるオールラウンダーが求められているのに、一つの業務を忍耐強く進められることをアピールしてもミスマッチと判断されるだけです。企業が求める人物像をつかむには、求人内容を見る以外にも、採用ページの従業員紹介などを見て、3人くらい見比べてみるのがおすすめです。おおよそどのような人材が適しているのかを判断ができるようになります。また、他の企業でも当てはまるような志望動機を書くのもNGです。「自社でなくてもよいのでは?」と思われると、採用される可能性は遠のいてしまいます。

給与や待遇だけで仕事を選んでいる

就職先を選ぶ際に給与や待遇面を重視するのは悪いことではありません。むしろ長く続けるためには大切な条件でしょう。しかし、そればかりを重視して仕事を選んでしまうと志望動機が薄っぺらくなってしまいます。そんなつもりはなくても「休日や福利厚生」が志望動機の前面に押し出されることで、企業からは「自社の仕事には興味がないのか」と思われてしまうリスクがあります。また「有名企業」や「大手企業」というのも同じで、有名だから……、大手だから……といったものを志望動機にするのは避けましょう。ほかにも「会社が近い」「研修が受けられるから」などという理由も同様に、「業務に興味がない」と捉えられる可能性がありますので注意してください。

志望動機をコピぺして使っている

企業の面接官や採用選考を長年やってきた人は人を見るプロです。志望動機を使い回していることや、例文をそのままコピペして使っていることくらいはすぐに見抜かれてしまうでしょう。「ちょっと変えればバレないだろう」などという甘い考えは、後々選考が進むにつれて必ず後悔することになります。

他の会社でも当てはまることを志望動機としている

当然ながら、企業は自社で働く意欲が高い人材を求めています。そのため、他の企業でもできそうなことを志望動機に書くと、「他の企業でもよいのでは?」「うちでなくてもよいのでは?」と思われてしまうでしょう。面接官からも「志望度が低い」「熱意が低い」と判断され、不採用になる可能性を高めてしまいます。

志望動機を書くときに気をつけること

志望動機を書くときは気をつけておかなければならないポイントがあります。
以下の3つには注意しましょう。

● 話す要点をまとめて内容を深める
● 深掘りして聞かれても答えられるように
● 根拠のない知識を書かない

一つずつ見ていきます。

話す要点をまとめて内容を深める

とっさに取り繕ったような浅い志望動機では、入社後にミスマッチが起きる可能性が高くなります。万が一ミスマッチが発生してしまうと、また転職する羽目にもなりかねないため注意が必要です。ミスマッチを起こさないためにも、話す要点や伝えたいことはしっかりとまとめて深い志望動機を作っておきましょう。
では、深い志望動機を書くにはいったいどうすればよいのでしょうか。続いて、ポイントを説明していきます。

深掘りして聞かれても答えられるように

企業は「どういった考えでこの企業に応募したのか」について深掘りして聞いてきます。志望動機を聞くことで、企業とその人がマッチしているかどうかがわかるためです。万が一、マッチしていなかったとしたら、たとえどんなに優秀な人材でもいずれミスマッチやギャップが起こる可能性が高くなります。確固たる志望動機を持って面接に挑むことが、「すぐに辞めてしまうのではないか」という面接官の不安を払拭させることにつながります。

根拠のない知識を書かない

志望動機に根拠のない知識を書くのもNGです。企業のことを詳しく調べるのはとても大切なことですが、誰もが知り得る情報やネットでちらっと見ただけの情報を志望動機に書いてしまうのは逆に危険です。「企業のことを表面的にしか調べていない=意欲が低い」と思われてマイナス評価になる可能性があります。また、簡単に手に入る情報だけで作られた志望動機には具体性もないため、面接官に与える印象も薄くなってしまうでしょう。

業種別・仕事別の志望動機の例文集

ここからは、志望動機がうまく書けないor思いつかない人に向けて、以下6つの業種別・仕事別に実際に使える志望動機の例文を紹介します。読み進めるうちに、構成のパターンなど、書き方のコツが見えてくるでしょう。ぜひ選考時の参考にしてください。

● 法人営業
● 販売職
● 一般事務
● 製造業
● 施工管理(建築)
● SE

一つずつ見ていきます。

法人営業

「現在は、携帯ショップにて主に来店された個人のお客さまに対し携帯電話を販売しております。老若男女問わずさまざまなお客さまのお困りごとに寄り添い解決していくうちに、より大きな規模のビジネスでお客さまの課題解決に携わりたいと考えるようになりました。既存顧客への提案が主となる貴社の法人営業なら、課題解決を通して売り上げに貢献できると考えております。個人営業で培った共感力とコミュニケーション力を強みに、貴社の成長に貢献したく、志望いたしました」

「より大規模なビジネスで課題解決に取り組みたい」という自身の希望が、法人営業への志望動機になっている例です。また、法人営業の中でも特に既存顧客への提案・フォローがメインとなる企業の特徴を挙げ、マッチ度が高いことをアピールできています。

販売職

「私にとってファッションは、人生を楽しむための重要なツールです。貴社の「おしゃれを通じて人生をより豊かに」のブランドコンセプトに強く共感し、多くの人にこの思いを届けたい気持ちから貴社を志望いたしました。現在はメーカーで営業サポートを担当しており、「必要なサポートとは何か」ということを常に考えてまいりました。この経験から、相手の気持ちをくみ取るニーズキャッチ力には自信があります。顧客のニーズを的確に把握し、ファッションを通じて顧客を笑顔にしたいと考えています」

企業のブランドコンセプトと自分の価値観がマッチしていることが述べられています。本記事で説明した通り、価値観が一致していることは志望する上で非常に大切なため、好印象を与えるでしょう。

一般事務

「現職は営業職を担当しています。顧客とのコミュニケーションは楽しく、またやりがいもありましたが、付随する事務作業をこなすうちに自分の処理能力が上がっていくことに楽しさを感じるようになりました。もっと事務を効率化してより多くの作業を処理できるようになりたいという思いからMOS資格を取得したことをきっかけに、一般事務への転職を決意いたしました。また、従業員を大切にする貴社の理念にも強く魅力を感じております。思いに応えるべく事務面で貴社の成長を支えていきたいと考えております」

自分のやりたいことが転職で達成できることが述べられています。また資格を取得していることも意欲やスキルのアピールになっていて効果的です。

製造業

「趣味でDIYをしており、いつかものづくりを仕事にしたいと思いを募らせてまいりました。このたび、地元に戻ることをきっかけに、長年の夢であったものづくりの仕事に就ければと考えていたところ、貴社に出合いいました。休日には食事を取るのも忘れて朝から日が暮れるまでDIYをしていることもあるほど、集中力には自信があります。地元を代表する貴社の工場で、大好きなものづくりに携わりながら、地場産業を活性化させたいと考えております」

製造業の仕事に就くにあたり、ものづくりが好きなことは必須の条件ともいえます。また「集中力がある」と伝えることで自分が製造業に向いている人材であることもアピールできています。地場産業を盛り上げたいという思いがあるのも好印象です。

施工管理(建築)

「現職は自動車工場で組み立て作業を担当しており、自分が製造に携わったモノが世の中の人の役に立つことにやりがいを感じておりました。しかし、自動車製造を続けるうちに、より多くの人の生活を豊かにする大規模建造物の建築に携わりたいと考えるようになり、建築業界を志望するようになりました。特に、一部の工程ではなく全行程を把握し管理する施工管理の仕事に魅力を感じております。大規模商業施設などの工事を請け負うことが多い貴社で、安全で計画性の高い工事の進行に貢献したいと考えております」

自分が生み出したものが社会の役に立つことをやりがいとするため、より大規模な建築に気持ちが向く理由もよく理解できます。また、請け負う工事の特徴が希望とマッチしていることも志望動機に説得力を出しています。

SE

「現職では法人向けの営業をしています。営業という立場上、既存商品の中からお客さまの困りごとを解決できる商品を提案してまいりましたが、ニーズに100%合致する提案は難しくもどかしさを感じておりました。そこで、直に顧客の声を聞いてきた自分がシステムを開発すれば満足度の高いサービスを提供できるのではないかと考え、SEを志望いたしました。さまざまな企業の問題を解決している貴社のシステム開発部門において、営業で得た顧客の生の声を反映させつつより有益なシステム開発に寄与したいと考えております」

顧客ニーズを100%満足させられないと感じたことをきっかけに、自らがSEになろうと決意した経緯が述べられており、説得力が高い志望動機になっています。

志望動機が書けないときによくある質問

最後に、志望動機が書けないときによくある質問をまとめました。

● 志望動機にうそを書いてもOKですか?
● 志望動機の例文を参考にするのはOKですか?
● 書いた志望動機が不安なときはどうしたらよいですか?

一つずつ見ていきます。

志望動機にうそを書いてもOKですか?

いくら志望動機が見つからないからといって、うそを書くのはダメです。先にも説明しましたが、志望動機は本心で書いておかないと、仮に選考が通過できたとしても入社後にギャップを感じて早期離職になる可能性があります。志望動機は企業とのマッチ度を測るための重要なポイントであり深掘りして質問されるため、うそをついているといずれ必ずつじつまが合わなくなっていきます。面接官にも見抜かれますので注意してください。

志望動機の例文を参考にするのはOKですか?

志望動機の例文をそのままコピペするのはNGですが、あくまでも本心を書くことを前提に参考程度に利用するのならOKでしょう。むしろ、まとめ方や全体のイメージを把握するのに例文を参考にするのはとても良い材料になるためおすすめです。ただし、そのまま使用すると自己PRなど他の情報との整合性が取れなくなります。自分が企業に入りたいと思った背景やエピソードを添えてオリジナルの志望動機を書くことが大切です。

書いた志望動機が不安なときはどうしたらよいですか?

志望動機を書くことはできたけれども内容にいま一つ不安が残る場合は、信頼の置ける第三者に見てもらって感想やアドバイスをもらうのも一つの方法です。客観的な目線で見てもらうことにより、自分では気づかなかった誤字脱字などが見つかることもあります。家族や友人、先輩など親しい人に見てもらうとよいでしょう。可能であれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーなどプロに見てもらうのが本来的にはベストです。

志望動機が書けないとお悩みなら「ジョバディ」に相談を!

志望動機は採用面接においてもっとも重要視される項目です。だからこそ「なぜその企業なのか」ということをしっかりと突き詰めて考えていく必要があります。

志望動機がなかなか書けないとお悩みならジョバディの利用がおすすめです。
ジョバディならキャリアアドバイザーからの専門的なアドバイスももらえるため、本当に自分に合った仕事を探し出し、志望動機につなげることができるでしょう。

ジョバディはさまざまな求人と転職活動を楽にする便利な機能でより良い転職の実現をサポートします。利用者のスタイルに合わせてサービスを利用できるため、例えば仕事探しは自分で行い、面接対策だけキャリアアドバイザーに依頼する、などという使い方も可能です。

まずはジョバディに登録してみてはいかがでしょうか。

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